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セラピスト・カウンセラーを育成する人には哲学が必要になる(2) [2012年01月31日(Tue)]

セラピスト・カウンセラーを育成する人には哲学が必要になる(2)

 前の記事で「マインドフルネス認知療法(MBCT)」は、3回以上再発した人の寛解期のうつ病の再 発予防に効果があるが、 2回未満の人には効果がないとされています。また、重症期の治療法ではないとされています(注1 )。」と書きました。
 しかし、抑うつ症状のただなかにある患者さんにも効果があったそうです。
 「マインドフルネス認知療法」(北大路書房)の中で、次のように述べられています。
     「本当に現在うつ状態にあるひとには効果がないのかどうかを調べた研究もある。抗うつ薬や通 常の認知行動療法が効果を示さないうつ患者にMBCTを実施したところ、うつ症状は大きく軽減し、 MBCTがうつの回復期にある場合だけではなく、その真っ只なかにいる場合にも効果があることが示 されている。」(273頁)
 こういう事例も、「なぜそうなるのか」「期間はどれくらいか」「効果があると判断したその後 悪化していないか」 「何例あるのか」などの積み重ねによって、効果があると判断されるでしょう。 かなり、多数例がないと、効果があるとはいえません。
 うつ病は長引き、症状の変動は激しく、心理療法を受けている1年の間でも、何度も上下を繰り 返すので、6か月程度で「効果」「改善」があったという判断は早いです。半年ほどで改善、しか し、その後再発というのは、薬物療法に多く、それと同じようでは困ります。 「短期間の改善」か「何年も再燃せず完治といえるほどか」も検討されなければなりません。薬物 療法でもいったん軽くなり、再燃するケースがあります。心理療法もそうです。 私は自己洞察瞑想療法(SIMT)として関わっていますが、 半年くらいの期間で改善していたと見えていたのに、その後、悪化する患者さんもおられます。 なぜ、そうなるのかの分析もして、再燃しないような手法を織り込むという改良が必要です。
 半年、めだった改善がみられなかったのに、7−10か月のころ急速に改善が目立つ患者さんも おられて、短期間で判定するのは早計だと思います。うつ病、不安障害は簡単な病気ではないので、1,2年支援者が支援すべきだと思います。
 うつ病、不安障害のほか、標榜していない問題で来訪され希望される方に他の問題にも適用する ことがあります。もちろん、一時的に改善がありますが、結局、長期的に回復しないのであれば、 有効とはいわないことにしています。 長期間にわたって推移をみてから、効果があると判定できます。研究を重ねていくと、うつ病のマ インドフルネス心理療法は、どの流派も一つの共通のものになっていくのかもしれません。哲学は 違っても、患者さんに指導する手法(形式技法だけではなくて目標技法も)は、ほぼ同じになるよ うな気がします。うつ病の病理(神経生理学的な)の解明がすすみ、マインドフルネス心理療法の 各流派はそれに応じて、手法を洗練させていけば同じようになるのではないかと思います。神経生 理学的な変調が同じだからです。ただし、患者さんは多様(症状の程度、罹病期間、年齢、現在の 環境など)ですから患者さんに応じて、手法の選択、期間、説明の程度を配慮するのは支援者(カ ウンセラー)です。すべての患者さんに同じように接するのではついていけない人がいます。 今の方法は、カウンセラー側の時間の制約から不十分な方法です。
Posted by MF総研/大田 at 17:01 | 新しい心理療法 | この記事のURL