医療現場の宗教 [2012年01月08日(Sun)]
医療現場の宗教医療現場で宗教が貢献する場面があります。ターミナルケア、ホスピスです。 うつ病になるのではなくて、死の恐怖、死後のことについての苦悩です。 医療の問題ではなくて宗教的な問題です。理解ある病院では、こういう患者さんのために 宗教者がはいってくるのを歓迎しています。 そうでない病院では患者さんと家族が苦しみます。死について触れないとか、死の不安でひどく苦し んでいるのをおろおろと眺めるだけになるでしょう。ホスピスでの支援は、支援者にとって力量がないと難しいでしょう。尊敬します。 1カ月以内くらいでおなくなりになるかもしれない人の、死の苦悩と向き合うのですから。 通常のマインドフルネス心理療法は、半年くらいかけてうつ病を治すのですから、そういう長い時 間をかける通常の方法ではできません。患者さんは死後のことについても問われるでしょうし。宗教 的な問題です。 いずれ近いうちに、おなくなりになる可能性のある方ですので、「自分の信者になってもらいたい 」という利益も期待しておられないでしょう。無償の行為のようで、尊い活動で尊敬します。 宗教が医療の現場で貢献しています。これは、医療行為(身体疾患、精神疾患を治す)ではなく、 宗教活動です。がんや難治性の身体疾患に伴う死の不安によって、うつ病になってしまったら、医療 の問題になります。病理レベルであるか、病理レベルでないかです。病理レベルにならないように予 防的に支援するのも、予防医学になります。マインドフルネス心理療法は予防医学にも貢献できるの ですが、予防したいという人は極めて少ないですね。 20代、30代、40代の人にもうつ病、不安障害が多いのですが、予防のために、心理療法の課題 をするという人はほぼ皆無でしょう(本当はやったほうがいいのに)。なってから、薬物療法を受け る、そして治らない人がようやく心理療法を受けるという状況でしょう。うつ病は生命にかかわる病 気で、薬物療法だけでは治りにくいもの(非定型うつ病、不安障害、依存症など)が多いので、予防 医学は大切なのですが。
マインドフルネス心理学もこの問題にかかわることができるだろう。宗教以前のマインドフルネスと宗教的マインドフルネス |
Posted by
MF総研/大田
at 17:42
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