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集団認知行動療法 [2011年12月27日(Tue)]

NHK Eテレビ 集団認知行動療法

 昨日、集団認知行動療法の再放送がありました。 次に感想を書いた放送です。  多くの人が治っていますので、とてもすばらしいプログラムです。さらに、 もっと別の患者さんグループがあります。別のサービスも必要です。
 認知行動療法は、国も、専門家の組織も、マスコミもPRしてくれますので、大丈夫です。 そこで、そういう方面でもまだPRしてくれないマインドフルネス心理療法について、 啓蒙、教育をいたしております。新しい技術が他の国に知られるには、10年、30年がかかります。 色々な領域のかたが、マインドフルネス心理療法を応用していただきたいです。
 (そういえば、マインドフルネス心理療法が公的施設で適用され始めたというマスコミの記事があったということを西日本のひとが連絡してくださいました。日本でも、臨床研究が始まりましたね。2005年の「マインドフルネス&アクセプタンス」は仏教経典の翻訳に匹敵する 画期的出来事でした。日本の人の知らない心理療法の世界を教えてくれました。)
 常々、思うのですが、3か月程度の認知行動療法では治らないうつ病(非定型うつ病)、 不安障害の患者さんが増えています。パーソナリティ障害、DVも、アメリカのマインドフルネス心理療法治るかもしれないのです。
 マインドフルネス心理療法で1,2年の支援が必要な問題が多いです。しかも、日記指導をしたほうがいい患者さんが多いです。
 簡単には治らない患者さんが多いことはアメリカでは、認知行動療法で治らない人のために、マインドフルネス心理療法に移行しつつあることに現われています。 私がおあいするかたも、認知行動療法では治らなかった人たちです。
 だから、放送されたような認知行動療法のほかに、もう一つのデイケアサービスが必要なのです。まだ、専門家から、放置されている大勢の患者さんとご家族の集団があります。 傾聴の心理療法も、薬物療法も必要、認知行動療法も必要です。 そういう治療法で治る人もいるのですから。しかし、狭い立場にとどまってはいけない(西田哲学)。さらに、広く、深く見ていく必要があります。全部を見ていく必要があります。 もっと重症のかたのための治療法が必要です。うつ病は、簡単ではないのです。色々なうつ病があるのです。不安障害も。 考え方の修正ではすまない、ハードルの高い壁に直面している患者さんも多いのです。 高齢者のうつ病は考え方だけではうまくいかず、ほかに、 激しい感情が伴う病気やそれをコントロールできない行動がそうです。非定型うつ病、不安障害、リストカット、パーソナリティ障害、虐待する心、青少年の非行犯罪、いじめなど。また、あがり、緊張、トラウマから実力を発揮できない医療関係者、スポーツ選手や芸術家の苦悩など、簡単ではない心の問題が数多くあります。 そういう重い問題に、マインドフルネス心理療法が可能性があるのです。 アメリカでは、広い領域に応用が研究されています。日本では、実に遅れています。 アメリカで10年たってから、ようやく輸入されるのでしょう。
 マインドフルネス心理療法(SIMT)のできる人を増やしたいと、講座を行ってきました。 ほんの少数、マインドフルネス心理療法(SIMT)のカウンセリングスキルを持つ人が全国に現われてきました。

マインドフルネス心理療法(SIMT)によるデイケアを作りたい

 私どもは、この新しい心理療法の研究開発、カウンセラーの育成のために忙しいこと、スタッフがいないことのために、毎月1回のグループセッションを10−12か月 、年に1本が限度でした。 アメリカから輸入するACT、弁証法的行動療法、マインドフルネス認知療法とは、違って ほかにない、新しいマインドフルネス心理療法ですので、 独創するしかなく、そういうものは、治療効率を高めることやカウンセラーの習得容易性を 考慮していく、研究開発に膨大な時間を必要とします。完成したテキストは簡単そうに見えるのですが、新しいものを作るのですから、神経生理学や西田哲学の本などを多数読み込み、心理療法へ応用する思索には、途方もなく多くの時間を必要としています。臨床の時間をとれなくなります。
 これで、ずいぶん多くの人が治りました。でも、月1回の中間の自習の難しい人もいて、2,3割くらいの人が脱落します。回数を多く(月2−8回)すれば、脱落しないかもしれません。 毎週1、3回くらいのデイケア・サービスを提供できる場所を作りたいと思ってきました。 多くのスタッフが交替で勤務する体制が必要です。私どもにはスタッフが少ないので、1、2年継続するデイケアを提供できません。地方でカウンセラー講座を開催すると、埼玉のサービスはできません。東日本大震災の方面に行こうとすると、埼玉ではできなくなります。 繰り返しますが、短期間には治らない患者さんだから、治療を引き受けると最低10か月ほど継続してあげる必要を感じる患者さんが多いからです。(重症で長引いている患者さんに、もっと、短期間のマインドフルネス心理療法(SIMT)ができるのか、これも研究課題ですが )
 マインドフルネス心理療法のできる一人の支援者が1年に30人支援できるとすれば、そういう人が10人いれば、300人の患者さんを支援できるのです。支援できる人が増えることの大切さがわかります。まだまだ、日本では、マインドフルネス心理療法の臨床を行う専門家がいません。翻訳書、論文がみられるようになっていますが、治したい患者さんなら希望すれば誰でも参加でき継続してサービスしている専門家はいないようです。 インターネットで検索しても出てきません。
 これまで、私どものマインドフルネス心理療法の講座を受けた方、グループセッションに参加して治った方が集まれば、それぞれは、月1,2回の勤務で、デイサービスを提供する場を作れるのではないでしょうか。  1年中、月2−4回、マインドフルネス心理療法(SIMT)によるデイケア・サービスが提供される拠点を作りませんか。 日本には、まだどこにもありません。特に、治った方は、1,2年もの長期間に、マインドフルネス、アクセプタンス、西田哲学的な深く自己を洞察する瞑想を行ったのです。 カウンセラー講座を受ける人は、あまり熱心に瞑想しません。苦しんでいないからでしょう。 でも、治したかった人、治すプログラムに参加した人の取り組みは真剣でした。職業と家族と生命がかかっていたからでしょう。 実際やってみると、色々な微妙な疑問がでてくる。それも乗り越えた。 このようなスキルを成長させた人は日本では、みなさんがただけです。貴重なスキルです。 そして、みなさん誠実な方ばかりでした。自己や他者を傷つけるエゴを自覚されました。良きカウンセラーになられる可能性をおもちです。1,3年後にでも、みなさんが支援者になりませんか。

本の原稿ができました

 うつ病、不安障害を治すためのマインドフルネス心理療法、自己洞察瞑想療法(SIMT)の本の原稿がようやく完了しました。地方都市への展開活動にはいったために、執筆が1年遅れてしまいました。春に出版されれば、これで自習できるでしょう。でも、やはり、実際指導を受けたい人も増えると思います。 治るまでに、1,2年の、課題を実行しない限り治らないうつ病、非定型うつ病、パニック障害、PTSD,社会不安障害(対人恐怖症)が多いのです。インターネットを用いず、この心理療法をご存知ないかたが多かったはずですが、 本をみてはじめて、新しい 治療法のあることを知る患者さん、ご家族が出てきます。デイケアの場が期待されます。
Posted by MF総研/大田 at 07:44 | 新しい心理療法 | この記事のURL