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マインドフルネス心理療法を受けた人のその後(1) [2011年12月16日(Fri)]

マインドフルネス心理療法を受けた人のその後(1)

 今年は、地方都市2ヶ所で連続講座を展開したので、埼玉でのマインドフルネス心理療法による グループセッションは、8月で終了していました。 もちろん、受けた方は、ひきつづき自主的に実践できますので、 症状の改善、心の成長がもたらされます。 いくつか、ご報告を受けました。
 非定型うつ病の改善にとりくんだ「あきさん」から、完全な断薬にまで至ったことを おしらせいただきました。
こちらのブログにも 詳しい様子が掲載されています。
 他の人は、マインドフルネス心理療法(SIMT)を1年ほど受けた後、案外簡単に、減薬、断薬をでき たのですが、あきさんはめずらしく離脱反応が強くて、長期間かけて減薬、断薬にとりくみました。 マインドフルネス心理療法を受けていないと、離脱反応がこわくて、うつ病が再発するのではないか とおそれて減薬、断薬が難しいです。実に、10年も服用する人もおられます。
 マインドフルネス心理療法を受けると、不快事象の受容の訓練をしますので、離脱反応の不快さも 忍耐することができます。あきさんは、精神が安定して、症状が回復して、就職もできてからの減薬 、断薬にずいぶん長くかかりましたが、完全断薬ができるということを実証してくださった貴重な事 例です。マインドフルネス心理療法は、病的に興奮していた脳部位 (抑うつ症状、パニック発作、過呼吸、鉛様麻痺感、拒絶過敏性の感情など) をおだやかにし、症状を悪化させる非機能的な思考、行動を抑制する脳部位(前頭前野から帯状回)を活性化する効果 があります。認知療法、行動療法 でうまくいかない患者さんでも改善します。呼吸法が中心ですから、「認知を変える」(認知療法) とか「ハードルのきついエクスポージャー法(暴露法)」という難しいことをしないですむからです 。ただ、真剣に呼吸法をやっていただかないといけませんが。
 マインドフルネス心理療法を受けた人で、抗うつ薬、抗不安薬を服用しておられる方は、症状が回 復して、不快事象の受容の心得を一層成長させて、1,3年かけても完全断薬に挑戦していただきた いと思います。 マインドフルネス、アクセプタンスはやればやるほど成長します。脳神経の特徴から言えます。使え ばつかうほど活性化していきます。背外側前頭前野から帯状回の神経回路が活性化するのでしょう。ワーキングメモリ(作業記憶)の中央実行系の活性化にあたるでしょう。西田哲学でいう、叡智的自己の自覚、意志作用の深まりでしょう。

 来年春の出版をめざして、マインドフルネス心理療法(SIMT)の自習のための、本の原稿を書いています。お近くに、マインドフルネス心理療法を受けられる場所がないかたに。
  SIMTは、Self Insight Meditation Therapyで、日本で独自に開発されたマインドフルネス心理療法です。自己洞察瞑想療法です。現在進行形での心の作用を観察することによって、自己の問題、自己自身を深く探求する「瞑想」を中核とした心理療法です。 20年近い研究と臨床を重ねて開発してきました。日本人になじみの深い 西田哲学と脳神経生理学的を基礎にしていますので、 日本人に受け入れやすい心理療法です。論理的ですし、脳神経生理学ともよく整合性をとっていきます。うつ病、非定型うつ病、不安障害、過食症などに効果がみられました。多くの人が、自殺からまにかれたと思います。 非定型うつ病の拒絶過敏性、そしてパニック障害やPTSDの広場恐怖は薬では、治りにくくて、 家庭環境、経済事情が変化すると、苦痛を強めて、自殺がおこるおそれがあります。しかし、 自己洞察瞑想療法(SIMT)で、多くの人が治っています。
Posted by MF総研/大田 at 20:46 | 私たちの心理療法 | この記事のURL