PTSDの脳神経生理学的変化 [2011年04月09日(Sat)]
被災者の心のケア、心の病気の予防のためのマインドフルネス心理療法(14)PTSD(心的外傷後ストレス障害)の脳神経生理学的変化大災害の被災者の方は、その出来事が去ってから、心的外傷後ストレス障害 (PTSD)になる人がおられます。フラッシュバック、悪夢などの 再体験症状、回避症状、過覚醒などの症状に 苦しみます。 脳神経生理学的な変調どうしてこんな症状が現われる人がいるのか、研究がすすめられています。PTSDになると、前部帯状回(内側前頭前野)、海馬、前頭前野の体積の減少がみ られるという報告があります。 内側前頭皮質(前部帯状回を含む)の機能不全のため、扁桃体の活性を制御でき ず、恐怖条件付けの過形成・消去不全が起こるという。 海馬や前頭前野はエピソード記憶(出来事の記憶)と意味記憶の形成と検索(思 い出し)に携わっていることから、その体積減少は、記憶システムの障害を生じや すくなる。 前部帯状回は扁桃体を調節することによる条件付けの消去に関与しているので、 その体積減少はいったん恐怖体験によって条件付けられた反応を容易に消去できな くなり、ささいな刺激によるフラッシュバックをもたす基盤となる。 うつ病の場合には、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)の過剰分泌が多いのです が、PTSDの患者は、コルチゾールが抑制されています。 PTSDには海馬の容積減少が大きな影響をもたらしていますが、それは、PTSDの発 症前からあった可能性が示唆される研究があるが、外傷ストレスによってひきおこ された可能性も否定できないといわれています。 過覚醒は交感神経や青斑核の亢進があります。 PTSDを治すためには、こうした脳部位が回復される必要があります。薬物療法や 心理療法があります。 (続く) |


