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被災者の心のケア、心の病気の予防のためのマインドフルネス心理療法 [2011年03月25日(Fri)]

被災者の心のケア、心の病気の予防のためのマインドフルネス心理療法

 (1)基本的呼吸法

 自分の心をよく観察して心の病気を予防する(治すのも)ためには、呼吸法をお りこんだマインドフルネス心理療法があります。
 基本的な呼吸法を述べます。呼吸法をしながら、自分を洞察する智慧をおりこむ のですが、それは、この後に述べます。 被災地における持続するつらい状況や、失われた大切なものを思い出して、 あるいは、余震などでフラッシュバックやかなり強い不安を繰り返すと、何か月後 、に心の病気が発病することがあります。
 心の病気の予防をするもっとも基本的な呼吸法です。マインドフルネス心理療法 には基本的な呼吸法がいくつかありますが、被災者の方が病気の予防のために行う のは、ゆっくり呼吸と、自然の呼吸観察がいいでしょう。この呼吸法を行いながら 、 心の観察をします。(⇒明日以降の記事)

【洞察実践@】ゆっくり呼吸法
 ゆっくり呼吸法を習得しましょう。 細く長くゆっくり息をはき、吸うのは自然に(はくよりは短い)すう方法です。
 眼をあけておこないます。日常生活で、眼をあけて行動することが多いし、つら いこと(たとえば、発作の兆候、怒りなど)が起きるのも、眼をあけている時です ので、普段の生活の時のように、眼からの情報をとざさないで練習します。前の壁 、風景、情景などを見ながら、呼吸法を行ないます。視線は、前方、やや下に向けま す。周囲の音があれば、音を聞きながら呼吸法を行ないます。
 おしりのしたに座布団などをしいて行なうと楽です。腰掛に坐っておこなっても いいです。背筋をまっすぐおこして、猫背にならないように注意して行います。 もし、起きている人が少ないようであれば、横になったままでもできます。次回以降、述べますが、心の観察、意志作用の活性化、心の病気の予防が目的ですから、横になって行っていいですが、ただし、眠くなりがちです。
 呼吸法にもいくつかあります。数えない方法と数える方法です。また、ゆっくり 呼吸法ではなくて、自然の呼吸を観察する方法もあります。被災者の心の病気の予防のために、必須の基本的な方法だけを述べます。

【避難所での事情】
 避難所では、多くの人が目にはいってくるでしょう。何気なく見ながら呼吸法を行います。他の人と視線があうのは気まづいでしょうから、自分の手元、足元付近を見ながらするといいでしょう。他の人から見れば、そこへんを見ていて、考えこんでいるように見えるでしょう。しかし、考えこんでいるのではなく、呼吸法を実行しているのです。時々、視線を何気なく、避難所の情景に向けるようにしましょう。視線を移しながら、呼吸法をするのです。 多くの人がいる中で行う場合、姿勢はあまり気にしないで、どんな格好でもいいです。
できれば、幹事役の方の音頭で、何人かいっしょにすると、いいですね。


(イ)ゆっくり呼吸法(数えない)  5〜10秒程度で、ひと呼吸する。なお、はく方を長く(たとえば、4〜6秒く らい)、吸うほうを短くする(たとえば、2,3秒くらい)。 必ず、はく方を長くします。 腹筋を動かそうという努力はする必要はありません。大切なことは、自分の心の洞 察だからです。腹筋を意識すると、自己洞察がおろそかになります。ただ、呼吸の 速度のみを意識して、ゆっくりと行う。
 種々の心の洞察を織り込む場合には、数えない呼吸法が向いています。集中力の 向上や思考の抑制のスキル向上には、数える呼吸法でもできます。

(ロ)ゆっくり呼吸法(数える)
 上記の「ゆっくり呼吸法(数えない)」を行いながら、数を数える方法です。 息をはきながら「ひとーつ」「ふたーつ」「−−−」「とおー」と数えます(はく 方を長く「ゆっくり」)。また、「ひとーつ」に戻ります。
はく息の時、「ひとー」(ふたー)と数えて、吸う時に「つーー」とすればよいで しょう。 はきながら1から4まで数えて、吸いながら、5,6と数える方法もあります。 (「はく4すう2呼吸法」)

【洞察実践A】自然の呼吸観察法
 はく息を長くする方法のほか、自然の呼吸を観察する方法もあります。意識を呼 吸に向けると、息が出て行く、息が入っていることがわかります。呼吸は呼吸中枢 からの指令によって胸の筋肉が収縮と弛緩が繰りかえされて、空気が肺から出入り しています。 それを5分、10分、観察しつづける方法です。その観察の時間中にも、感覚、感情 、思考、欲求などの精神作用が動くので、それを観察します。次回に、述べます。

腹式呼吸法について

 腹式呼吸法がありますが、ストレス対処程度ではなくて、災害時の心の病気の予 防のためには、腹式呼吸法よりも、ゆっくり呼吸法のほうが行いやすいです。
 なぜなら、腹式呼吸法は、意識を腹筋の運動に向けます。しかし、 心の病気の予防のためには、意識を心の動きに向けます。種々の心の作用を観察して、自分の心をうまくつかいこなせるような心の洞察を呼吸法を行いながらおりこみます。 腹筋には向けません。 意識の方向が違うのです。自己洞察瞑想療法(SIMT)では、呼吸法の中に、心の病気のために、心の哲学の実践を折り込みます。
 腹式呼吸法は、他のストレス改善、緊張緩和、セロトニン神経の活性化などに効果があります。

(続く)
 この後、うつ病の予防、パニック、PTSDについて述べたいと思います。
  • 被災者の心のケア、心の病気の予防のためのマインドフルネス心理療法
  • 参考記事
  • Posted by MF総研/大田 at 20:51 | 災害とストレス | この記事のURL