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今日のグループ・セッション [2011年03月24日(Thu)]

今日のグループ・セッション

 今日は、マインドフルネス心理療法によるグループ・セッションの 第7セッションでした。地震のために参加されるかたが少なかったです。 こういうところにも地震の影響がありました。地震によって症状が悪化した方もお られます。
 地震はめったにあいませんが、人生には色々な出来事(仕事のストレス、人間関係、過労、いじめ、経済的な苦悩、身体の病気 、事故など)が起きて、うつ病やPTSD,パニック障害になります。 自分の心の哲学の智慧を帯びて、行動すると、その哲学が身につくようになります 。心の病気に強い哲学を身につけて行動化されていると、心の病気になりにくいの です。たとえば、意識されること、現われるものはすべて、認識した途端に過去で す。唯一・一度きりに現われて永遠に消え去ります。現われるもの(症状も)は、 過去の結果の集積ですから改変できない。こういう哲学です。だから、嫌悪、拒否 、逃避できない。必然だから受容しかない(徹底的受容=アクセプタンス)。 人間関係、仕事のストレス、身体の病気や事故による不如意な状況や 抑うつ症状、不安、発作、鉛様麻痺感などの症状を、嫌悪するとか、変えようとか、起きないようにすることはいたずらな緊張 を引き起こす。受容しかない。 しかし、自己は未来の自己、環境を作ることができる。認識される状況、現われる症状にとらわれず に、その動揺的な中でも、新しい未来を作る行動をする(創造的行動=マインドフルネス)。課題を実行する。部屋をそうじする。仕事をする。そうするとと、未来の外部世界が変わる、創造される。
 こうしていくと、心の哲学が実行される、つまり、あまり、苦悩の思考をしないで、建設的な行動をする (非叡智的フュージョンの改善) と同時に、前頭前野、海馬、自律神経系 、HPA系(視床下部ー下垂体ー副腎皮質)などの病理が改善して(神経生理学的フュージョン(連合)の改善)、病気の症状が 消失する。内部の世界(脳神経)が新しく作られる。自己は創造的世界の創造的要素。外部世界と内部世界を創造する。 こういう単純な哲学による、マインドフルネス、アクセプタンスの自己洞察瞑想療法(SIMT)ですが、不思議に治るのです。おそらく、西田哲学は、西田幾多郎自身、数々の不幸にみまわれた、その人が苦悩をのりこえていった記録であるためでしょう。苦悩を克服する哲学なのでしょう。
 この半年で、劇的に改善したかたがおられる。その人が「症状が無くなりまして 感謝以外ありません。ーーー何をもって、症状が緩解したのかも解りません。」 と書いてくださった。心の不思議です。ただ、心の哲学、脳神経生理学で説明できます。 治った人は、不思議でしょうね。みなさん、最初の2,3か月は、半信半疑のようです。ところが熱心に課題を実行する人は、半年でかなり軽くなり、1−2年で完治に近くなります。 その人が、真剣になるかどうかです。心の哲学と脳神経生理学を説明します。しっかりとしたインフォームドコンセントです。

 ここは、埼玉ですが、昨日から、何回か、震度3,4の余震が起きました。原発 の事故もあります。今のところ、被害はありません。 今後は、 ここもどうなるのか、わかりませんが、8月までできればいいですが。
 被災地の方も地震前からうつ病、不安障害だったかたがおられるでしょうね。新しいご自分と新しい世界を作っていっていただきたいです。過去はくつがえりませんが、人は新しい世界を創造するすばらしい存在です。復興できることを信じています。
Posted by MF総研/大田 at 00:08 | 私たちの心理療法 | この記事のURL