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永遠の今 [2011年03月16日(Wed)]

永遠の今

 =マインドフルネス心理療法と西田哲学

1 過去現在未来が同時存在

 時間については、過去は過ぎ去り、未来は無いので、過去も未来も無いのですが 、違う見方があります。思い出している(概念化された)過去、予想する(概念化 された)未来にとらわれて、心の病気や対人関係の不和緊張などを長引かせること があります。西田幾多郎は「世界の自己同一と連続」で、次のように言っています 。歴史的現在とは、まさに私が生きている今のことです。

 「歴史的現在においては、過去未来が同時存在的と考えられ、行為的自己の立場 においては、自己は世代に属し世代と共に動き行くと共に、これを越えて永遠に対 する意味をもっている、時代を越えて時代と時代とをつなぐ意味を持っている。・ ・・ 個性的な現在を越えて過去未来を包む世界が考えられるかぎり、概念の世界が成立 するのである。無論かくいうも、概念の世界というものが現在を越えて抽象的に存 在するというのではない、思惟的自己が行為的自己を離れてあるというのではない 、前者はいつも後者に即して成立するのである。」
 「我々の自己は歴史的傾向として、いつも永遠の今に面しているのである。歴史 的現在においては、前の時代を形成したものが含まれ、次の時代を形成するものが 含まれ、あるいは又いつかある時代を形成するものも含まれているであろう。歴史 的現在において種々なる傾向が同時存在的に含まれているのである。歴史的現在は 永遠の今の自己限定として、それらの傾向の綜合統一の場所である。」
 「歴史的現在においては、現在が同時存在的に過去未来に対しているのである、 永遠の今に面しているのである、・・・現在を否定するものが現在にあるのである 。」

2 過去が現在の現われ

 確かにそのままで過去のことは今はありません。嫌なことがあった場所に言って も、もうありません。しかし、色々なことがあったことが、今目前に形を変えて現 われています。外部的な事と内部的な事の両方を考えてみましょう。
 家族と過去にけんか、口論をしたのなら、今、目前に見る家族がそのように現わ れています。家族が嫌い、こわい、など過去のことが今現われています。今、過食 傾向なら、それは過去につらいことがあった時に、過食を繰り返した結果が現在現 われています。今、電車に乗れないとしたら、あの発作の後、回避したから、今電 車が恐いということが現われています。現在に過去があります。
 次に、身体内部のことを考えます。今、抑うつ症状、鉛様麻痺感があります。そ れは、過去の出来事、経験、反応の結果、神経生理学的な反応が起きて、今、現わ れていると考えられます。
 このようにみると、今の瞬間に自分の前に現われている現象は、自分と家族と他 の無数の人(永遠の過去の人)との過去のすべての関連の結果といえます。現在に 過去が含まれています。自分が過去、考えたこと、行動したことの結果が特に大き くあります。他の無数の人(永遠の過去の)の行動も今、現われています。今、目 の前に、本や食べ物が現われています。自分ではなくて、全く他の多くの人が過去 に動いて作って運んできてくれたものです。自分の作ったものはまずありません。 糸だったものが手袋になっているなら、自分か家族が編んだ過去が現われています 。こわした行動をした過去のキズが見えるかもしれません。
 もう、そのままの過去は存在しません(「概念の世界というものが現在を越えて 抽象的に存在するというのではない」)ので、やりなおすことはできません。 いつも、唯一・無二の新しい出来事が現われて、永遠に消えていきます。消えてい くものを変えることはできず(必然)、でき ることは、現われる出来事を受容して、現在自己が行動(自由)して、新しい未来 を作ることです。他の無数の人の行動もあって、必然の出来事として現われます。

3 未来が現在の中にある

 現在の中に、もう未来があるというのです。どう考えられるでしょうか。 電車が恐いと今考えます。すると、必然的に電車がこわいという未来が現われます 。今の自分の考え、行動(回避)の中に、未来にも電車恐怖が現われるという未来 があ ります。だから、治すには、未来をあてにしてはいけないのです。 今、乗ろう、駅へ行こう、乗ってしまおう、そういう現在が新しい未来を作るので す。
 気分が悪いから、今は行動しないでおこうと思います。今の中に、行動しない未 来が含まれています。
 「治らないかもしれない」と今考えるから、今と次の瞬間に行動しませんから、 治らないということが実現します。人は、今考えたように、未来に実現するの でしょう。いつまでも○○ができないかも、と考えると、それが実現するおそれが あります。悲観的な思考がストレス反応を生じて、うつの症状が治らないことを通 してです。内部の神経生理学的な影響を作ります。それが症状として現われます。
 世界、環境の中で生きている自己、自己の思考、行為のすべてが世界の思考、行 為であるような存在である、行為的自己です。今の思考、行動が、自分の未来を決 定するのでしょう。
 「私は今大丈夫、治る、○○ができる、さあ、今実行しよう。」

 今自分の前に、地球ができてから、あるいは、それ以前からの自分を含めて無数 の人の永遠の過去のことが含まれています。今目の前にあるものは、何かのエネル ギーなどに変化しても、永遠に影響するでしょう。私が何か手を加えたり、行動し たりすると、その影響は他の人にその人の本来的なありようを呼び起して行動を生 みだし、永遠に未来を作るでしょう。今は永遠の今といえます 。

【叡智的自己に生きる】過去未来を含む永遠の今に生きる
 今私の目前にあるものは無限の過去の無数の人と私の行動の結果が現われていま す。もう、結 果は変えることができません。謙虚に受けとめます(受容 )。そして、自由意志で価値実現の行動です。
 たとえ過去の結果、今が不満足なものであろうと、それは、すぐに消えます。人 は未来を作ることができます。まずは自己が行動します。難しければ「私は行動し たい。 でも、ひとりでは動けない。少しの間、助けて」といいます。支援を求めるのもよ き未来の実現ためですから現在の積極的行動の一つです。
 もし、できるなら、外に出て行動します。もし、できるなら家族のために、周 囲のために動きます。永遠の今を生きるために。
 病気の症状が重いとか、けがなどのために、 そういうことができなくても、家族やささえてくれる人に「ありがとう」といいま す。そうすると、家族や支援してくださる人に笑顔を呼び起して、生きがいを作り 力強く今と未来を生きて、それが永遠にそれぞれの意志を呼び起して未来を作って いきます。

   こう思います。
 「永遠の今を生きる、今の自分の行動が無数の人の 本来の行動を呼び起して未来を作る」
簡単に
 「(過去は変えることができないけれど)今、私が永遠の未来を作る」

 今の自分の前に、様々な物資があります。自分は永遠の過去の人たちの行為によ って、今助けられています。そして、今、自分は 永遠の未来を作る、かけがえのない大切ないのちです。生きてください。

★西田哲学とマインドフルネス
Posted by MF総研/大田 at 17:44 | 私たちの心理療法 | この記事のURL