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統合失調症の方の治療や支援 [2011年03月01日(Tue)]

統合失調症の方の治療や支援

 最近、NHKで「統合失調症」の現状について報道がありました。 病気の経過、治療法、支援の輪など、 うつ病や不安障害などとは、かなり異なりますね。 統合失調症の場合、心理的ストレスによる 交感神経、HPA系(視床下部ー下垂体ー副腎皮質)、ストレスホルモンからの 症状発症ではないためであると思われます。
 統合失調症の場合、軽くなっても薬を服用し続けるようです。 しかし、うつ病、不安障害の場合、治ると全く発病前と同じであり、薬も完全に断つ ことができます。変調を生じていた前頭前野、帯状回、HPA系、抑うつ症状や鉛様 麻痺感を起す部位などが完全にもとどおりに修復されるためなのでしょう。
 統合失調症の方の支援の輪も紹介されました。うつ病の場合、完全に治ることが多 く、そうなれば、家族会、地域の継続的な支援は無用になります。

うつ病、不安症、PTSDなどは患者家族会ができない

 うつ病、不安障害は、ご家族の人も、この病気は長期間ではなさそうだと感じるようで、家族会が結集さ れる傾向にならない病気ですね。 治りそうだと思うので、カミングアアウトもなさらない。静かに、薬物療法の効果が出てくる のをじっと待っておられる・・。だから、支援の輪ができない。団体で、国などに陳情することが少ない。 しかし、実情はなかなか治らない人も多い。症状が苦しいので、自殺も起きます。
 マインドフルネス心理療法のグループ・セッションを提供しているものの、 提供時間が少なく、ついていくことが難しい人もおられます。症状が重い、理解力の 違い、てあつい指導が必要な人などがあるようです。支援者が多くいて、 治療期間の1,2年は、うつ病、不安障害のマインドフルネス心理療法に基づくデイ サービス(課題を毎日一緒にする)、勉強会などが毎日提供されれば、患者さんがも っと早く治ると思います。脱落も少なくなると思います。 サービスを提供なさる方の人件費の負担が大きくなると、患者さんが受けにくくなる 問題がありますので、自殺防止に関心のある地域の人(ご家族も1,2年の治療期間 だけでも)、心理学系大学の学生さんによるボランティア活動など、1,2年でも協 力してくださる体制ができないものか、今年秋、本が出版されたら、そういう場の実 験を検討していきたいと思います。
Posted by MF総研/大田 at 00:54 | 私たち | この記事のURL