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民主党「自殺対策プロジェクトチームを設置 [2011年01月10日(Mon)]

民主党新たに「自殺対策プロジェクトチーム(PT)」を設置
 =2010年の自殺、13年連続3万人超える

 2010年の全国の自殺者は3万1560人で、13年連続で3万人を超えたこと がわかった。
 都道府県別では、(1)東京2938人(前年比51人減)(2)大阪2031人 (8人減)(3)神奈川1810人(25人減)(4)埼玉1717人(79人減) (5)愛知1573人(50人減)の順だった。
 全体数が減るなか、地域別では36都道府県で減少。減少率が最も高かったのは三 重で、青森、秋田、島根、高知だった。
 減少した県が多い中で、増加した研究もあった。静岡、石川、鳥取、香川などであ った。
 13年もの長期間に、3万人以上という事態では、従来の対策では不十分であると いうことである。もっと、強力な対策をとらなければならない。

民主党は政策調査会に新たにを設置

 これを受けて、民主党は、政府・与党一体で対策に取り組む必要があるとして、 「自殺対策プロジェクトチーム(PT)」を設置することになった。作業チームは、 政府の担当者やNPO関係者からヒアリングを行って、従来の対策で、なぜ効果が上 がらないのか問題点を検証することにしている。そのうえで、ことし3月ごろをめど に、対策強化の提言をまとめ、政府側に迅速な対応を働きかけることにしている。
 自殺防止対策は、種々の方面から考えられる。上流のストレス要因を支援する対 策が提言されるだろう。
 私たちは、うつ病や不安障害(治らないと⇒うつ病併発⇒自殺のおそれ)を治す支援が不充分だと感じている。 心理的な方面の予防対策や最も下流の自殺の危機 にあるうつ病、不安障害を治す心理療法を提供する対策を推進することを訴えたい。 従来の薬物療法や心理療法では全く不充分である。マインドフルネス心理療法はうつ 病や不安障害に効果があるのだが、従来は、 綿密な個人指導を加えたので、大勢の治療ができなかった。 オープン方式でいつでも、多数の治療希望者を引き受けられる治療プログラムを研究 したい。

心理療法で治療するボランティアと職業人

 多くの人が、カウンセラーになっていただきたいと思う。電話相談のボランティアのように、他者のために働き たいという人が多いのだから、心理療法で治療支援するという領域にも、ボランティ アの人が参加していいはずだ。
 役所や学校の悩み相談やいのちの電話などの電話相談は、相談であって治療支援を考慮しないのは当然であり、うつ病、不安障害を治すスキルは不要であり、傾聴型の心理療法のスキルでいく。うつ病、不安障害が重い人が相談に来れば、「医者に行きなさい」が助言である。これでは、医者にかかっていて治らない人の行き場がない。 うつ病や不安障害の人を 治すのは、傾聴型の心理療法だけでは不充分で、病理を治す理論と治療技法によって徹底的に助言していく必要がある。 社会貢献しようと思われる方は、 傾聴型のボランティアだけではなくて、積極的治療型のボランティアにも目を向けてほしい。 そして、ボランティアだけでは限界がある。そのボランティアが提供するサービスでも治らない難治性の患者さんをひきうける職業としての心理士も育成する対策をとってほしい。そういうネットワークが必要である。そういう治療型の支援網を促進させるのは、国や県の政治である。既成の大きな団体のトップの良識である。
Posted by MF総研/大田 at 19:52 | 自殺防止対策 | この記事のURL