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子どものうつ病と自殺 [2010年11月11日(Thu)]

子どものうつ病と自殺


死にたい気持が長くあって、別なきっかけが引き金になることも

<うつ病を知らない子ども>
 眠れない、気分が悪く、意欲がなく、記憶が障害され、成績が下がる。種々の原因 から、悩むと、つらくなって、抑うつ気分、視野狭窄、精神機能の不全、などが起き て、ひどくつらくなる。もっと、つらくなる。死にたくなるという症状もある。毎日 、つらくて、「死にたい」と思っている。
 うつ病であることがわからない子どもにとっては、不可解な心理だろう。学校では 、うつ病のことを伝えていない。家庭でも、教えていないことが多い。
 うつ病になっている子どもには、ただ「悩みがあれば相談してください」というの では、「相談したって解決しな」とか「この妙な人格の変容が相談して治るわけがな い」と思ってしまったら、相談もしないおそれがある。
 また、不安過敏になっている子も多い。予期不安をしばしば起こす。過呼吸もある 。
<子どもがうつ病になる原因>
 いじめ、友達関係、成績、進路、健康、家庭不和、親の虐待、教師との関係、失恋 、愛する人の死、など何でも、「思いどおりにならない」「つらい」という状況があ って、打開不能と思われる時、うつ病が発症する。子どももうつ病になる。種々の調 査で、日本の小中学生は、5パーセントから20パーセントの抑うつ傾向があるとい う。「死にたい」と思う子も多い。
 また、いじめ、対人関係、学業成績などに気をくばり、不安過敏になっている子も 多い。予期不安をしばしば起こす。過呼吸もある。
 こうした抑うつ、不安過敏な状態では感情の制御、行動の制御ができないことがあ る。

<誰かが最後のひきがねをひく>
 そんな気持でいるところに、親、教師の叱責、級友のいじめなどで、ひどくつらい 出来事があると、それがひきがねとなって、急激に自殺念慮が強くなる。
 だから、うつ病になった原因とは違う出来事がきっかけで、死んでしまうことがあ る。たとえば、級友からのいじめで、うつ病になっていた子が、学校に来ないので、 教師が家庭訪問して、激しい登校刺激をしたために、自殺することがありえる。 また、いじめであるとしても、加害の中心人物ではなかった人の言葉が最後のひきがねになるかもしれない。いじめによる自殺は誰に責任があるのか決め付けにくいはずである。
 不登校がちの子がうつ病になっていれば、親が激しい登校刺激をすると、また、つらいことにであって、自殺する かもしれない。とにかく、うつ病の重症化した段階では、打ち明けなくても、死にたい気持ちになる。それが、うつ病の病気としての症状であり、深刻である。 また、不登校だった子、何かで悩んでうつ病(日本の子どもの5%か ら20%がうつ)になっていた子に、言葉でいじめや、親や教師の叱責、不注意な発 言があると、それが最後のひきがねになって、自殺されるかもしれない。

<子どもの自殺を防ぐ>
 教師や親は、子どものうつ病と自殺のきっかけを理解しておかないと、最後のひき がねをひいてしまうことになるかもしれない。
 とにかく、うつ病にならないようにすることや、うつ病になっているらしい子の発 見と、やさしいケアをしてあげないといけない。子どもの中には、悩みをうちあけな い傾向の子もいるので、どうすれば、支援できるのか、こういうことを理解して、対 策をとる必要がある。

 子どもの抑うつ傾向が大変多いのだから、学校の教師がうつ病、自殺について勉強すること、PTAで保護者にも、うつ病、自殺について勉強する機会を設けることが必要であると思う。
 こどものうつには、薬物療法は使いにくいし、心理的ストレスが解消しないと、薬物療法の効果が現われにくい。うつ病のケアをよく知る学校カウンセラーの支援の充実がこの問題の解決になるのだろうか。
Posted by MF総研/大田 at 19:24 | 子どもの苦悩 | この記事のURL