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自己洞察で心の病気を治す、自殺を防ぐ [2010年08月28日(Sat)]

自己洞察で心の病気を治す、自殺を防ぐ

 西田哲学では自己についての深まりが数段階あるといいます。大きな段階では、 判断的自己、知的自己、意志的自己、叡智的自己です。 心の病気になった場合、自己についての認識が浅く、知的自己にとどまっています。対象 を見るが、自分の作用(思考、感情など)を知らない、よく見ない。見える、聞こえる、 考えられる「対象」のみを知り、苦痛に満ちたもので、どうしようもないと、非機能的行動に移り、苦しみの思考が続く。対象を作るその作用を知らずに、自分の目標に向かっての行動を決 意、実行できない。意志的自己にまで深まっていない。意志的自己の働きは意志作用です 。叡智的自己の働きは直観です。

 意志的自己であっても、順調な時は、よく意志作用が働くようにみえていても、限界を 超えるストレスに見舞われると、対象のみに振り回されて、心の病気になることがある。そこで、さらに自己を深め ることができる。意志的自己には、種々のもの(対象、作用)がなお自己とは対象的にみ られていますが、すべての対象も作用も、自己の上でのことという直観的な見方が開発さ れると、叡智的自己ということになります。 すべてのことが、自己自身のこととなる、世界も自己の中にある、意識されるものはすべて自己の働きであることを真に自覚する直観的な叡智 が働くならば、心の病気になりにくく、なっても回復しやすいのです。なお、身体の病気 、身体の症状がすべてなくなるわけではありません。そういうものも自己自身の中です、

 自分のいのちです。人生には、不快事象はあります。受容して、価値実現の生活ができればいいのですから。難病や身体障害がありながら、心の病気にならず、生きていることが幸福だという人は多いでしょう。心の病気の後遺症のような身体症状が残っても、意志を強くもち、生きていくしかありません。

 意志的自己、叡智的自己の開発は、思考によってはできません。坐禅や瞑想のごとく、 自己を観察する、目的的行動を決意するという実践によってしか、開発されません。 不安があっても行動を回避するなということが思考で理解できても、予期不安、行動回避 をとめることができないことで、あきらかです。理論についての講義を聴く、思索、思考 、哲学の勉強だけでは無理です。今の自己の対象作用を、自己の心に、映す、包む、本音洞察 、目的想起、決断、実行、推移の観察、直観的洞察などの実行によってしか意志、叡智は 開発されません。

 心の病気になったならば、こうした自己洞察を深めるのがいい機会なのです。薬物療法 で軽くなったら、自己洞察を深めて、ストレスの対象と自分の作用、根底の自己を知るの が、再発予防、自殺防止になるのは当然のことといえるでしょう。

 こういうことを知らずに、親子、夫婦があらそうことも あるでしょう。 自己洞察は、できることならば、社会に出る前、高校大学のころ行っていると、社会 に出てからの心の病気を予防できます。しかし、それを行わず、発病しても、いつでも、 こうした自己の探求はできます。 ところが、こういうことを教えてくれるところが少ないことが残念です。心の病気、自殺 、虐待、非行犯罪などは、こうした心の洞察によっても、かなり、減らせると思います。
Posted by MF総研/大田 at 12:36 | 自殺防止対策 | この記事のURL