CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
«静岡県富士市でマインドフルネス心理療法の開催準備会議 | Main | 精神疾患患者への訪問支援»
自殺対策白書 [2010年06月11日(Fri)]

自殺対策白書

内閣府が2010年版の「自殺対策白書」を発表しました。  自殺防止には、うつ病を治すことも重要な対策であるが、薬物療法では治らない人も多 いことは周知の事実である。なんとか生きていけるが症状が続いてすっきりしない人、復帰できない人、再発を繰り返して苦しむ人がいる。
 薬物療法で治らない患者に認知行動療法を提供することが望ま れる。
 白書では、第3章、第5節に
 「認知行動療法の普及に向けては、22年度以降、実施者養成のための研修も行ってい く予定としている。」
とある。 これからである。全部の県に認知行動療法の熟練者が育成されるまでに数年かかる。
 臨床心理士などがうつ病の認知行動療法(第3世代のマインドフルネス心理療 法もその一つ)を提供することは第5節で「精神科医をサポートする人材の養成」 が記述されているが、 医者に従属する形態が考えられているようである。医者の理解がないと認知行動療法を受けられないかもしれない。 医者とは独立して、心理カウンセラーやNPOが認知行動療法を提供することは全く予想していないようである。認知行動療法は 確かに難しい。私たちボランティア が行うことにも限界を感じだした。大切な生命を預かるのに、資金も人材もないので、十分なことができない。大勢の方と半年から2年の長期間、かかわる。症状の変化があり、危機もある。その間、支援者側にも、種々のストレス、家庭に出来事、病気が生じる。 死の危険がある方を多数ご支援はできない。扱いを誤ると、悪化、自殺の危険もある領域で、こうしたことは、難しい活動である。善意だけでできるものではない。
 国が、医師以外のうつ病治療の独立した職業専門家を 育成すべきである。薬物療法と違うのだから、他の人材が行うべきである。心理療法は簡単ではない。長期間の支援の間に、症状が変化する、薬ではない助言をしなければならない。うつ病は、 不安障害、怒り発作との併存も多い。背景に家族の問題、過去の出来事が影響している場合も難しい。 同じ医者が、薬物療法と両方では熟練しないのではないか。だから、これまでも医者が認知行動療法をやろうという気にならないのではないか。心理療法は多くの時間を使うし、患者とコミュニケーションができる医者でないといけない。難しい仕事であるのに、 通常の診療報酬体系の中では医者は認知行動療法を提供しないだろう。うつ病、不安障害等の認知行動療法専門の医師(認知行動療法に特化する医師の)の特別報酬制度を創始すべきである。
 また、心理カウンセラーであっても、認知行動療法のスキルを習得して熟練するのは時間と費用がかかる。せっかく習得しても、相談料が保険の対象でなく高額であるため患者(クライアント)さんが来ないのでは職業とならない。 うつ病、不安障害等の認知行動療法を専門に行うカウンセラーに特別の配慮をした制度を作るべきである。そうした変革は、患者さんやご家族が声をあげないとなかなか進まないのではないだろうか。
Posted by MF総研/大田 at 20:23 | 自殺防止対策 | この記事のURL