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パニック障害には認知行動療法が必須 [2009年10月11日(Sun)]

心理療法・2種を使い分ける(10)
 =パニック障害には 認知行動療法が必須

 心理療法やカウンセリングには、大きく分けて2つあります。精神分析療法(傾聴が主 )と認知行動療法(積極的助言)です。患者(クライアント)の方が両方の特徴を理解し て、それぞれ自分の問題、希望に向いた方を受ければいいでしょう。
 私は、重症のうつ病、パニック障害などをできるだけ短期間に改善したいという目標で 活動しているために、病気レベルのカウンセリングには認知行動療法が必要であるという 立場です。

うつ病をも引き起こすパニック障害には認知行動療法

 医療の現場に認知行動療法があるほうがいいのは、パニック障害について考えれば明解 である。パニック障害は薬物療法だけでは治りにくい。非定型うつ病に併存することも多 い。パニック障害がながびくと、学校を退学し、仕事をやめて、苦悩が続くと、うつ病( 非定型うつ病が多い)を併発して、自殺のおそれもある。

 パニック障害は、パニック発作の身体症状があり、予期不安、広場恐怖が伴う。傾聴型 のカウンセリングでは治らない。認知行動療法が必要である。薬物療法を用いず、認知行 動療法単独による改善例は多く報告されている。 マインドフルネス心理療法も有効である。

 医療現場には、認知行動療法、マインドフルネス心理療法があるほうがいいのである。 なお、薬物療法の医師の監督のもとで傾聴型のカウンセリングを行う人々もいるが、そう いう方式は薬物療法が主で、カウンセリングは補助となっている。傾聴型のカウンセリン グでは限界があるはずである。傾聴型のカウンセリング併用の薬物療法の改善例よりも、 認知行動療法併用の方が治癒率が高いはずである。認知行動療法、マインドフルネス心理 療法には、予期不安、広場恐怖を改善する理論・仮説とそれに対応する治療技法が準備さ れているからである。治療期間が短くてすむ。

アメリカ、イギリスで行われているように、認知行動療法は単独でうつ病やパニック障害を治療する。ただし、認知行動療法を受けられない患者もいる。その場合は、薬物療法も有効であろう。 うつ病やパニック障害は、社会生活から離 れているので苦痛がひどいので、治る見込み、およその期間を示してあげないと患者さん 本位の支援とはいいがたい。 
(続く)
精神分析療法(傾聴型)と認知行動療法(積極的課題提供型)
Posted by MF総研/大田 at 20:01 | 自殺防止対策 | この記事のURL