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NHK/「第5章 うつからの生還」のあらまし [2009年10月03日(Sat)]

「第5章 うつからの生還」のあらまし
 =NHK「うつ病治療 常識が変わる」

第5章 うつからの生還  =体験者たちが語る回復のプロセス

 NHK取材班による「うつ病治療 常識が変わる」(宝島社)から、日本のうつ病治 療の現状をみます。
 あらましを見ておきます。詳細は本を参照してください。

うつからの生還

 薬物療法だけでは完治しにくいうつ病。薬物療法以外に軽くする治療法がないものか 。医師が助言してくれずに、患者が試行錯誤で軽くなった例が紹介されている。
 第5章には、おおよそ、次の内容が述べられている。
  • Aさんの場合。
       うつ病と診断されて 薬物療法が開始されたが、1年くらい治らない。クリニックに 併設されていたカウンセリングルームで週1回のカウンセリングを受けた。最終 的には、薬を完全にやめ、カウンセリングだけになった。合計300回通った。(大田 注1)
  • Bさんの場合。
     うつ病と診断されてから8年たった。治療と復職を並行してすすめるクリニックをさ がして治療している。仲間ができた。心理カウンセラーに、1回2時間、話しを聞いてもらっている。まだ治っていないという。(大田注3)
  • Cさんの場合
     うつ病と診断された。 薬物療法を受けたが治らない。杏林大学の田島さんの減薬療法を受けて軽くなった。(大田注4)

3つとも、うつ病が 軽くなっている。認知行動療法やマインドフルネス心理療法があるのに、心もとない経 過をたどっている。日本のうつ病の治療法の遅れが感じられる。
(大田注1)
傾聴型のカウンセリングではどうなるかわからない。300回とは、毎週1回、 毎月4回受けるとして、75か月である。6年である。これでは、保険の対象にできる ような心理療法ではないだろう。数年もかかっていては、ストレスの強い出来事が起き て悲劇が起きるおそれがある。もっと短期間で治す認知行動療法がうつ病にはいい。イ ギリスでは16回である。私も20回が最長と目標を置いている。
(大田注2)薬物療法がきかない場合、大変である。
(大田注3)Bさんも傾聴型のカウンセリングを受けているようだ。傾聴型のカウン セリングでは先の見込みが立たないからこんなあきらめになる。まだあきらめるのは早 い。認知行動療法やマインドフルネス心理療法がある。普及させることの必要性を痛感 する。
(大田注4)Cさんは回復方法をつかんだ。
 認知行動療法やマインドフルネス心理療法のセラピストにあうと、回復の心得を教えてくれる ので、遠回りしないですむ。認知行動療法、マインドフルネス心理療法の助言ができる 人が全国に増えることがうつ病の患者を救い、離婚、自殺を防止すると思う。 傾聴型のカウンセリングは他の領域には、貢献してきたが、病気のレベルのうつ病には効果があるという理論も仮説も技法も弱い。病気ならば、原因が脳神経のここにあるから、それをこういう理由、理論、仮説で除去、改善するという技法、治療法が必要である。うつ病は、深刻な病気である。病理レベルである。治療のスキルのない人がいつまでもかかわっていては、患者の利益にならない。国の予算で、うつ病の心理療法を開発していただきたい。
 この記事を書いて数年後に、見直したが、実情はほとんど変わっていないことに愕然とする。
Posted by MF総研/大田 at 21:43 | 自殺防止対策 | この記事のURL