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NHK/「第1章 ”不適切”な投薬」のあらまし [2009年10月01日(Thu)]

「第1章 ”不適切”な投薬」のあらまし
 =NHK「うつ病治療 常識が変わる」

=第1章 ”不適切”な投薬  =症状を悪化させる多剤併用

 NHK取材班による「うつ病治療 常識が変わる」(宝島社)から、日本のうつ病治 療の現状をみます。
 詳しくは本を見ていただくことにして、あらましを見ておきます。

第1章 ”不適切”な投薬」のあらまし

 うつ病が長期化する理由の一つが10分診療で詳しくきかないで診断するから誤診し て、合わない薬を処方することが起きている。うつ病が「複雑化」しているせいだ。非 定型うつ病、双極性障害、気分変調性障害など違う薬でないと効かないし、薬がききに くいタイプであれば、薬の効果がないのに、副作用だけが起きる。  第1章には、次の内容が述べられている。
  • うつ病患者に症状を悪化させる多剤併用
  • 抗うつ薬を飲みすぎると脳内に異変が
  • 減薬療法で10年のうつ病が治った
  • 減薬療法でうつ病が治った他の事例
  • 誤診、診断違いで長期化<患者さんの内向性も問題>
  • なぜ、多剤療法が行われるのか、治らずに長期化するのか
    • 患者が多すぎる。患者が100万人を超えた。患者が殺到。1日に50人も診察す る。詳しくきく余裕がない。
    • 診療報酬の仕組み。医師が心理療法を行っても報酬が低いので長く時間をかけて心 理療法を行う医師はごくわずか。カウンセラーが行うと健康保険の対象外なので、心理 士を置くと、病院の利益が減る。
    • 医学部での精神科の勉強は、統合失調症の薬物療法が中心。多量の薬を使うので副 作用に鈍感になる医師。
    • 診断マニュアルで安易な診断。発症の背景を知ることなく、10分の短時間に症状 だけで診断。
    • 複雑なうつ病が増加したことで診断ミスが起きる。
      • 非定型うつ病
      • 双極性障害U型
      • 気分変調性障害
  • うつ病は本人にも家族にもわかりにくい
  • 多剤療法で自殺した事例もある
(詳細は、本をご覧ください。)

(続く)
NHK「うつ病治療 常識が変わる」 まだある「うつ病、自殺対策関連の問題」
 以上がNHK取材班の本の内容ですが、この本で指摘されていない難しさを考えます。
  • <目次>無視・傍観・軽視・放置・見放される病
     =現在のうつ病治療、自殺対策はどこが問題か、どこがもれているか。
  • <目次>うつ病を治すスキルを持つ心理療法者は少ない
      心理療法的助言の提供は、資格は無関係。宗教者でもできるし、やっている。だが、う つ病の助言はスキルが必要である。治る理論のない方法で助言して悪化させてはならな い。命にかかわる病気である(悪化すると自殺する)。
      うつ病の認知行動療法(マインドフルネス心理療法を含む)を提供できるスキルが必要 であるが日本の医者、心理士はこのスキルを持つ人は少ない。認知行動療法を提供でき れば誰で もいいかというとそうとも言えない。認知行動療法のセラピストにもうまい、 下手があ る。認知療法の仮説、理論にも限界があることがわかってきた。その限界を補 って患者 さんを治癒に導くのはセラピストのコミュニケーション能力、人格、動機づけ などマニ ュアルにない力量に左右される。

非定型うつ病
パニック障害、うつ病は、マインドフルネス心理療法で治しましょう。
Posted by MF総研/大田 at 21:50 | 自殺防止対策 | この記事のURL