心理療法・2種を使い分ける(2) [2009年08月31日(Mon)]
心理療法・2種を使い分ける(2)
心理療法やカウンセリングには、大きく分類して2つあります。精神分析療法
(傾聴が主)と認知行動療法(積極的助言)です。その2種の違いを
「自己評価の心理学」(クリストフ・アンドレ&フランソワ・ルロール、紀伊
国屋書店)が紹介しているので、簡単に見ておきます。 |
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| 患者の過去、あるいは過去と現在のつながりに注目する | 患者の現在の状態に注目する |
| 子供の頃に起こった重大な出来事を理解し、心のなかで再体験する | 現在の困難な状況を克服する能力を身につける |
| 患者に対する関わり方は中立的、病気の状態や治療の進み具合についても、セ ラピストはあまり患者に情報を提供しない | 患者に対する関わり方は積極的、病気の状態や治療の進み具合についても、セ ラピストは多くの情報を患者に提供する |
| 目標は掲げられず、治療の期間も限定されない | はっきりした目標が掲げられ、治療の期間も限定される |
| 心の深層構造を修正することをおもな目的とする(それによって、症状が改善 され、考え方や行動の仕方にも変化が表われる) | 症状を改善し、考え方や行動の仕方に変化をもたらすことをおもな目的とする (それによって、心の深層構造も修正される) |
うつ病、非定型うつ病、不安障害(パニック障害、対人恐怖症、心的外傷後ストレス障害、全般性不安障害、強迫性障害など)、摂食障害、自傷行為、 暴力(DV)、違法薬物依存、アルコール依存、など かかるとなかなか治りません。再発が多いです。そこから、非行犯罪、特に家族内暴力も起こります。これらには、自己評価の低下や、自分の心について<未知 の領域>が多くみられるようです。そのために、どうしたらよいかわからないという 気持が強いでしょう。 だから、薬物療法や傾聴中心の心理療法やカウンセリングだけではなく、積極的な助言をする 認知行動療法(マインドフルネス心理療法もその一つ)が早い効果があるでし ょう。病理的な段階まで深刻化(精神症状、身体症状がひどいなど)しているわけで はない問題の場合や原因が知りたい人は精神分析療法が向いているでしょう。 認知行動療法では、患者さんの現在の心の使い方を変えるためにセラピストが課題を出すので、できない人は傾聴型のカウン セリングがよいでしょう。今、カウンセリングは傾聴型が多くて、認知行動療法を行うカウンセラー が少なくて、上記のような深刻な問題で困っている人が受けることができないありさまです。
(⇒続く、2つの療法の長所、短所)
心の問題で苦しんでいる人、家族は何百万、あるいは、1千万を超えている のではないでしょうか。結束して改善の場を作る行動、改善の要求の行動をす れば変化が起きるでしょう。認知行動療法のカウンセラーが報われるような仕 組みを準備しないと若いカウンセラーがそだちません。誠実なカウンセラーを 支援するのも患者、家族ではないでしょうか。カウンセラーも支援が必要です。カウンセラーが支援されなければ、やめていきます。介護業界にそれが起こりました。 困っている人、その家族が行動していくことが大切だと思います。 沈黙していると「何もしてほしくないのだ。希望や要求がないのだ。認知行動療法にも期待しないのだ。」 と無視されてしまいます。 困っていな い人は、この領域に変化の必要性を感じません。別な領域に金や人的資源を回してほしい と思ってしまいます。 この領域で困っている人が行動を起こさないと、困った状況(症状 も、支援の仕組みも、療法も)はそのまま定着して変わらないでしょうから。
精神分析療法(傾聴型)と認知行動療法(積極的課題提供型) マインドフルネス心理療法も認知行動療法の一派です。特に、現在しかないという徹底的現在に立つ哲学を背景にしています。現在の問題を変えていく心のスキルをトレーニングの助言を受けながら身につけていく。だから、短期集中のトレーニングの目標を持ちます。
こんな自分にしたのは、あいつだ、親だとわかったと思って怒り、憎しみを持つと、それが「現在の」ストレスとなり、また、現在の状況が悪化します。現在の自分がどうすれば、「自分の心の反応、行動」が変わるのか観察して、改善するトレーニングをしていきます。自分が行動して自分が変わるのです。そういうのが認知行動療法です。


