CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
«(10)死の不安の克服(1) | Main | 非定型うつ病の治し方»
(11)心の世界地図 [2009年07月31日(Fri)]

(11)心の世界地図・がん患者の
 =つらい場所もあれば心が休まる場所もある人生航路の地図

 「剣岳・点の記」(原作 新田次郎)の映画が公開中です。地図を作るために、人跡未踏のところ でもでかけて三角点を設置して測量する。文字通り、命がけで剣岳に登頂した人々のエピソード。
主役の柴崎測量官(浅野忠信さん)と案内人の宇治長次郎(香川照之さん)の二人 を中心に生田信(松田龍平さん)と案内人を加え総勢7人が協働で偉業をな しとげていく時、人がお互いを尊敬し信頼しあっている心に感銘しました。1人ではたいしたことは できません。エゴ、自分の名誉めんつ利益優先の人の集まりはやがて崩壊します。数ではなく信頼尊 敬しあう少数のチームでないと社会に貢献できる事業はできません。

 映画の中で、「人はなぜ地図を必要とするのか」(正確な質問は忘れました)というような問いに たいする主役の柴崎測量官(浅野忠信さん)の言葉が(これも正確ではありません。)だいたい、こ うでしたか・・。
     「人は自分のいる位置がわからないとおちつかないものだ。自分の位置がわかって安心して生きて いける。自分の位置を知るために地図が必要である。」
    (問いも答えも正確ではありません。映画鑑賞中、正確な質問、回答は記憶できませんでした。新田さんの 原作本をさっとみましたが発見できません。映画の木村大作さんなど脚本家が加えたのでしょうか。)
 柴崎さんの言葉を聞いて、心の世界地図を考えました。私は心理療法のカウンセリング、講座の両 方において、「心の世界地図」のような図を示しています。少しづつ変えた数種の「心の世界地図」 があります。 一つは、ここに示したものです。
 人は自分の心がどこからどこまで移動していくか全体の「心の地図」を知っていて、いつも今自分 がいる位置を知っていること、次にどの方向に行けばよいか進路を知っていれば、現状がどんなにつ らくても恐怖・不安・つらさ・悲しさ・苦しさにあっても冷静に観察して、心おだやかな場所にいけ るものだと思います。「こちらには行かないほうがいい」「こちらに行けば一時休まる避難小屋があ る」「こちらに行けば長遠のやすらぐ場所がある」と。そして、「なお、未知の場所がある、そこは 自分の頭であがいてはいっていくと、あぶない」とか、「石を投げるような行為をすると自分に苦し い状況がかえってくる場所もある」と。
 既知と未知を知る、安全な方向を知る。
 生きていく心の世界で、自分のいる場所がどこであるかを知ることができて、つらいことがあって も安全な方向にいけるようになる、あぶなくない方向がわかるようになる、それがマインドフルネス 心理療法のようです。「心の世界地図」を知り、自分がいつも世界の中心の位置にいること、そこが 、価値実現の道(心やすらぐ方向)と価値崩壊の道(心苦しむ方向)への分岐点であることを知るこ とでしょう。そして、時には迷って、判断を誤り、つらい谷や山に入りこんでも地図があれば、安全 な方向に向かうことができます。マインドフルネス心理療法は「心の世界地図」を知り、自分がいつ も地図の中心にいて、どちらの方向にいけば安全であるかを知り、そちらへ進む力を積むことであると 言えます。油断すると、すぐに、つらい谷にはいりこみます。死の誘惑(自死)、死の恐怖(病死の 予期)もつらいことです。深い底なしのような谷の渕に立つこともある、どちらの方向へ行くか、難 しいことですが人生行路では自分が中心ですから、「心の世界地図」の中で冷静、慎重に方向をみつ けていくしかありません。
(マインドフルネス心理療法は、たとえをよく用います。たとえによる指導を、メタファーといいます。メタファーのほうがクライエントさんの心にひびくことが多いのです。)
Posted by MF総研/大田 at 10:56 | がん・ターミナルケア | この記事のURL