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がん患者の自殺 [2009年07月14日(Tue)]

がん患者の自殺

   がん患者さんは、入院中でもうつ病を合併する人が多い。
 財団法人「日本医療機能評価機構」が病院を対象に05年8〜9月、アンケートを実施した。  一般病院で自殺した入院患者の疾病はがんが35%で最多。また、自殺前に「死にたい」などの意 志表示や自傷行為、抑うつ状態などの予兆があったケースが一般病院で49%、精神科病院で67% に達した。しかし、病院内で自殺に関するケアが充分とはいえない実態がわかった。  青森県では障害福祉課が、本年1月県内の病院を対象にアンケートを実施した。 その結果
  • 1)過去3年間で入院患者の自殺事例の発生があった医療機関は、一般病院(9%)、精神科病院 (52%)。
  • 2)自殺者の疾患名については、一般病院では悪性腫瘍(がん)が46%、精神科病院では統合失調 症47%、気分障害29%の順。
 病院に入院していても、がん患者さんが自殺している。がんによる死ではなくて、がん⇒うつ病⇒ 自殺である。精神科医病院でも自殺を防止するのが困難な状況である。
 病院であっても、人手不足で充分な対策をとれないところが多い。まして、 通院中のがん患者さんは、心のケアを受ける機会が一層難しくなる。 自殺の前には、予兆があるという(「死にたいという」「以前にも精神疾患になったことがある」な ど)から、何か対策をとりたいものだ。
 公的機関も病院も種々の組織も、自殺対策は優先度の低い事業である。
 がんになることをそれるのは、「死にたくないから」であるのに、自殺するという矛盾は、うつ病という病気による。この矛盾を解決しないとがんと闘う意欲を失いがんに負ける。多くの人ががんになる。がんについての心の準備が大切である。
<目次>がん患者の心のケア、スピリチャルケア、うつ、自殺予防  
Posted by MF総研/大田 at 09:54 | がん・ターミナルケア | この記事のURL