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うつが長引くうちに重大ストレスで自殺か [2009年04月07日(Tue)]
 また若い人の自殺が報道された。
報道によれば、仕事疲れで電車の中で眠り込んでしまい、となりの女性の身体に触れ てしまった。はっと目がさめてみたら痴漢と騒がれて、警察の取調べを受けた。自宅 にかえされたが、容疑がはれたわけではなかった。翌日、自殺した。メモに「ずっと 自殺願望はありました。すべてがめんどくさい。ありがとう。さようなら」とあった 。

 警察の取調べの翌日の自殺である。出来事と自殺の間があまりに短い。すぐうつになったとは考えにくい。「ずっと自殺願望はありました。」というから 、この出来事の前から長期間、何かのストレスでうつ状態になっていたのかもしれない。電車での出来事は、故意にしたのではなくて、眠っていて偶然に起きた倒れ込み行動かもしれない。

前うつ状態の心の不健康状態の人が多い

 私はかねがね訴えている。「うつ病を長引かせているとよくない。やがて何か大き なストレスとなる出来事が起きた時、短期間でうつ状態を悪化させて、自殺するおそ れがある。」と。自分のつらい状況がうつであること、治療すれば治るということを知らない人が多い。
 子どもの自殺もあるが、いじめられているうちに、うつ病になっている。それが持続しているうちに、先生や親からしかられたり、受験に失敗したり、何かちょっとしたストレスがあって、自殺することが起こりえる。
 今、青年は種々のストレスによってうつ、不安をかかえていて、私がいう持続的な 慢性ストレスをかかえており「心の不健康状態」という心理状態にある。思考の低下、行 動意欲の低下が起きている人もいるかもしれない。大きな出来事があると、うつ病の発症、逃避によるひき こもり、対処する行動の自信がなく、自殺のリスクがあるという状況である。
 警察官の自殺も多い。うつ病からだろう。調べられる市民もうつ病になっているかし れない。警察官もうつ病についてもう少し勉強しておいて調べる時に気をつけるように してもらいたい。うつ病になっていると思考、判断が低下しており、コミュニケーシ ョン機能も変わっている。受け答えが鈍磨であることから、うつ状態に気がつくかもしれ ない。

家族にも「死にたい」心を打ちあけないことが不思議でない病気

 すべての人がうつ病について勉強しておくべきだ。自己の無価値感が出てくる病気だ。輝いてみえる家族、忙しそうに見える家族には言わない、言えない心 理状態になっても不思議ではなく、打ち明けず自殺することも多い病気だから。うつ病を勉強しないと、悩みだした 時、前頭前野、海馬などの機能低下によると推測される変わった精神状態になるが、それがうつ病の症状であり、治療すれば治るということが信じられない。うつ病について詳しく勉強していないと、理解できない、そんな病気だ。職場の同僚、上司、隣人にも知られたくないという心理状態になることもある。わかりにくい病気だ。だからこそ、治療しないから完治しない、再発が多い。
 ストレスによって心の不健康状態が進行する。治療を受けないでいると軽いうつ状態が続く。治療を受けて薬物療法で軽くなって も完治せず、うきしずみを長く持続させる「気分変調性障害」のようになると、長い人生では、家庭や仕事の環境が変化したり、大きな出来事が起こって、悪化するリスクがある。膝、腰の痛みがあれば、継続した運動をするのだから、うつ、不安過敏な人はストレス対処、うつ自殺予防の心の実践を継続したほうがいい。
 うつ病になったら、薬物療法を受けて、軽くなった時点で、心 理療法を受けて、うつ病になった心理的要因を分析して再発しない、完治させること をしたほうがいい。長くたってから心理療法を受けると、長期間の課題の実行が難し い精神状況になって、軽くなるまで通院できなくなる人も多い。早期に発見して、自覚して 治療を開始したほうがいい。
 ただし、マインドフルネス心理療法は、うつ、不安が長引く人、通院が難しい人に不向きというのではない。認知療法もうつ病を治せる。認知療法もマインドフルネス心理療法も、スタッフが少ないこと、個別指導を継続する時間がないこと、入院設備がないこと、往診サービス(在宅支援)ができないためである。認知療法やマインドフルネス心理療法はこういう制限を克服すれば恩恵を受ける人は拡大する。

うつ病、不安障害の心理療法の普及を

 うつ病、不安障害の心理療法が提供できるようなカウンセラーを育成し、治療施設を県に2,3か所作るべきだ。臨床心理士の報酬が低いのも問題だ。うつ病のカウンセリングを職業にしたいと思う人が少なくなる。うつ病、不安障害、自殺念慮の治療に心理療法が重要であると多くの人の理解がないと改善しない。多くの人が声をあげないと社会が動いてくれない。ここに理解ある政治家も少ない。
 埼玉ではカウンセラー育成講座を数回開催した。今年は多くの方がカウンセラー講座を受講してくださる。ありがたい。九州(!!)や大阪からもおいでになる。
 カウンセリングも埼玉県で15年おこなってきた。来年は、講座もカウンセリングも、埼玉ではなくて、相当、遠くで開催することを検討したい。理解して参加してくださる方が相当数固まっておられる地域を探さなければならない。地域の協力がないとこういうことはできない。
Posted by MF総研/大田 at 17:49 | 自殺防止対策 | この記事のURL