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【国際ワークショップ】始動する外国人材による看護・介護――受け入れ国と送り出し国の対話 [2008年12月10日(Wed)]


外国人材による看護・介護制度が動き出しています。

インドネシア、フィリピンからのEPAにおける看護師・介護福祉士候補者の受け入れは、今後の日本の外国人材の受け入れ方にも大きく影響を及ぼすと考えられます。

だからこそ、今、すでに医療・福祉部門に外国人材を受け入れている各国の先行事例や、送り出し国の実情について学びませんか?

このたび、各国の現場で豊富な経験をもつゲストを招き、外国人材の受け入れのあり方について、対話を通じて考えるワークショップを開催します。

    ■ワークショップの5つの柱
      1.外国人看護師・介護福祉士の受け入れ制度について考える
      2.人材の送り出しは「送り出し国」に何をもたらすのか
      3.スムーズに受け入れるためのマネジメントとは
      4.職務適応と生活支援
      5.求められる自治体の役割とは

【日時】2009年1月15日(木) 10:00-17:15,17:30〜懇親会
         1月16日(金) 10:00-17:00

【会場】日本財団ビル2F 大会議室
     〒107-8523 東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル2F

【定員】200名           【参加費】無料

【申込方法】メールタイトルを「国際ワークショップ申し込み」とし、
 以下の項目を記入して、jinkou@spf.or.jpまで、お申し込みください。
   --------------------------------------------------
   氏名:
   しめいふりがな:
   所属:
   E-mail:
   懇親会の参加の有無:
   --------------------------------------------------
 ※いただいた個人情報は、当ワークショップと継続する今後の
  ワークショップのご案内にのみ使用いたします。

【登壇者】 (一部抜粋)
Achir Yani Syuhaimie Hamid氏 (インドネシア看護協会 代表・インドネシア)
Fely Marilyn E. Lorenzo氏 (フィリピン大学公衆衛生学部 教授・フィリピン)
崔 麟祥 氏 (老人養護施設 施設長・台湾)
蔡 佩臻 氏 (台北市労工局・台湾)
Letticia Chua氏 (老人養護施設 看護師長・シンガポール)
Lim Swee Hia氏 (国立総合病院 看護師長・シンガポール)
Ada C. H. Cheng氏  (老人養護施設 Executive Officer・オーストラリア)
安田 修一・吉田 美香 氏 (特別養護老人ホーム清風園・日本)
   
石 弘之 氏     (東京農業大学教授)
池上 清子 氏   (国連人口基金東京事務所所長)
小川 全夫 氏   (山口県立大学大学院教授)
後藤 純一 氏   (神戸大学教授)
田村 太郎 氏   (ダイバーシティ研究所代表)
宣 元錫 氏    (中央大学総合政策学部兼任講師)
細田 尚美 氏   (京都大学地域研究統合情報センター研究員)
明石 純一 氏   (筑波大学人文社会科学研究科助教)
安里 和晃     (笹川平和財団特別研究員・京都大学大学院特定准教授)


開催主旨

プログラム
【国際ワークショップ】開催主旨 [2008年12月10日(Wed)]

 2008年8月、日本は初めて看護・福祉部門にインドネシアから外国人材の受け入れを始めました。6ヶ月間の語学研修を経て、2009年2月には病院や介護施設の各受け入れ機関において就労・研修が開始されます。看護師資格の相互認証は行われないため、インドネシア人看護師・介護福祉士候補者は滞在期間内に日本で試験を受け、資格取得を目指すことになります。

 受け入れる病院・介護施設は、資格取得を支援するため、教育体制を準備することになっていますが、ほとんどの場合、これまで外国人材の受け入れを行った経験がありません。したがって、 多くの受け入れ病院・介護施設にとって、インドネシア人候補者のニーズに合った教育の基盤整備をどのように行っていくのかは大きな課題です。さらに、看護師候補者についてはすでに2年以上の業務経験があること、介護福祉士候補者についてもインドネシアの看護師資格保持者であることから、一定以上の能力を身につけている人材が来日していることにも注目しなければなりません。受け入れる側には、彼らの能力をどのように活かしていくかというマネジメント力も求められています。ところが、外国からの医療・福祉人材の受け入れは初めてということで、所管の厚生労働省でも、受け入れ病院・施設における教育支援・マネジメント体制についての十分な整備を行うことができていないのが現状です。

 日本では、外国人の言語や文化の違いが医療・福祉の質を低下させるのではないかといった議論が根強くあります。一方、諸外国を見渡すと、医療・福祉部門に外国人労働者の受け入れ経験を持つ国や地域がアジア諸国にもいくつも存在します。そこで、今回の国際ワークショップは、すでに多くの外国人材を受け入れているオーストラリア、シンガポール、台湾の経験から学ぶために、各国の医療・福祉の現場で豊富な経験を持つゲストを招き、対話を通じて外国人材のマネジメントについて考えを深める機会としたいと考えます。

 さらに、人材送り出し国であるインドネシアやフィリピンの専門家を招き、率直な意見交換を行います。これは、日本には、送り出し国に関する様々な憶測があり、日本への人材送り出しは、送り出し国の医療の質の低下を招くのではないかなどという懸念もされています。こうした認識は、一面としては正しいと考えられますが、果たして当事者たちはどのように考えているのか。グローバルな経済活動、労働力移動の展開の中で、Win-Winな送り出し・受け入れを模索し、受け入れ国である日本と、送り出し国のインドネシア、フィリピンとのお互いの理解を深めていきます。

 今回の経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)における看護師・介護福祉士候補者の受け入れは、今後の日本の外国人材の受け入れ方にも大きく影響を及ぼすことでしょう。したがって、今こそ、第1陣の受け入れのあり方についてより丁寧に議論し、先行事例から学ぶことは重要です。それを現場にフィードバックすることによって、少しでも良い受け入れ体制が整備されるのであれば、送り出される候補者にとっても、そして受け入れ機関にとっても、なにより看護・介護を受ける私たちにとっても、恩恵のある制度となるのではないでしょうか。

申し込み

プログラム
【国際ワークショップ】プログラム [2008年12月10日(Wed)]
(2009年1月9日 一部登壇者の追加・順序変更をしました。)

【1月15日(木)】

10:00-10:10   はじめに 羽生 次郎(笹川平和財団会長)
10:10-10:30   開催趣旨 石 弘之(東京農業大学教授,事業委員会委員長)
10:30-10:50   問題提起 安里 和晃(京都大学大学院文学研究科特定准教授,
                                  笹川平和財団特別研究員)
            「看護・介護のグローバル化と論点」

10:50-12:50
◆第1部 外国人看護師・介護福祉士の受け入れ制度について考える

宣 元 錫(中央大学総合政策学部 兼任講師) 
   「看護師・介護福祉士の労働市場開放ははじまったか−EPAにおける受け入れ制度の再検討」
後藤 純一(神戸大学経済経営究所 教授)
   「少子高齢化時代における外国人労働者問題」
Ada C. H. Cheng (Executive Officer, Australian Nursing Home Foundation Ltd.) 
   「多文化における介護スタッフのコミュニケーションとマネジメント」

モデレーター:田村 太郎(ダイバーシティ研究所 代表)
(質疑応答)

14:00-16:00
◆第2部 送り出し国の動向

細田 尚美(京都大学東南アジア研究所 研究員)
   「フィリピン人にとって移住労働とは」
Achir Yani Syuhaimie Hamid
   (President, Indonesian National Nurses Association, University of Indonesia)
   「インドネシアにおける看護事情と海外就労」
Fely Marilyn E. Lorenzo
   (Professor, UP College of Public Health, University of the Philippines)
   「グローバルな医療人材の交流−互恵的関係の構築に向けて」

モデレーター:明石 純一(筑波大学大学院人文社会科学研究科 助教)

(コーヒーブレイク)

16:15-17:00 討論  司会:小川 全夫(山口県立大学大学院健康福祉学研究科 教授)

17:30-19:30 懇親会 
* * *


【1月16日(金)】

10:00-12:00
◆第3部 海外における外国人材の受け入れのあり方

崔 麟 祥(台北市社区銀髪族服務協会栄誉理事長・台北私立常喜老人養護中心)
   「外国人受け入れと教育研修制度」
Letticia Chua (Administrator, Apex Harmony Lodge)
   「人材育成とマネジメント」
Lim Swee Hia (Director, Singapore General Hospital) 
   「多文化マネジメントに向け歩む―シンガポールの事例から」

モデレーター:池上 清子(国連人口基金東京事務所 所長)
(質疑応答)

13:15-16:00 
◆第4部 日本の受け入れの経験と自治体の役割

蔡 佩 臻(台北市政府労工局外労諮詢服務中心 主任)
   「移住労働者の保護−台湾における問題点と自治体の役割」
Elsi Dwi Hapsari(神戸大学大学院保健学研究科・インドネシア人看護師)
   「インドネシア人看護師の日本での就労−どのように職場に適応するか」
春原 憲一郎(財団法人海外技術者研修協会(AOTS)EPA担当室長)
   「インドネシアEPA看護師・介護福祉士候補者受入研修のコンセプトと実際」
吉田 美香(特別養護老人ホーム清風園 介護係長) 
   「定住フィリピン人受け入れの経験」
竹内 美佐子(看護部長 袖ヶ浦さつき台病院)
   「外国人看護師との協働の可能性−ベトナム人看護師の受け入れ経験から」

モデレーター:小川 全夫
(コーヒーブレイク)

16:15-16:55 総括討論  司会:安里 和晃

16:55-17:00 終わりに 茶野 順子(笹川平和財団常務理事)

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開催主旨
Workshop program [2008年12月10日(Wed)]
Thursday, January 15

10:00-10:10 Opening Remarks
  HANYU Jiro,Chairman, The Sasakawa Peace Foundation

10:10-10:30  Introduction 
  ISHI Hiroyuki , Professor, University of Agriculture, Tokyo, Chairman of the Project Committee

10:30-10:50 Keynote speech
  ASATO Wako, Associate Professor of Sociology Graduate School of Letters, Kyoto University,
  Senior Research Fellow for the Sasakawa Peace Foundation

10:50-12:50
◆Session I: Issues on scheme under EPA

SUN Won Suk, Lecturer, Faculty of Policy Studies, Chuo University
  “Has Japan opened labor market for nurses/careworkers?: reviewing EPA schemes”

GOTO Junichi, Professor, Research Institute for Economics & Business Administration, Kobe University
  “Rethinking Labor market in an ageing era and foreign workers”

Ada C. H. Cheng, Australian Nursing Home Foundation Ltd.
  “Communication and management under multi-cultural settings: how to build up good working environment”

Moderator: TAMURA Taro, Representative, Institute for Human Diversity Japan

(Question and Answers)

14:30-16:30
◆Session II: Dialogue with Sending Countries

HOSODA Naomi, Researcher, Center for Southeast Asian Studies Kyoto University
  “Filipinos in Global Migration: From the Local Viewpoint”

Achir Yani Syuhaimie Hamid, Indonesian National Nurses Association, University of Indonesia
  “Situation of nursing in Indonesia and migration”

Fely Marilyn E. Lorenzo, University of the Philippines
  “Commencing Global Exchange of Health Human Resource: toward mutually beneficial relationship”

Moderator: AKASHI Junichi, Assistant Professor, Graduate School of Humanities and Social Sciences, University of Tsukuba

(Coffee break)

16:45-17:15  Discussion
Host: OGAWA Takeo,Professor, Graduate School of Health & Welfare, Yamaguchi Prefectural University

17:30-19:30  Reception Dinners


Friday, January 16

10:00-12:00
◆Session III: Management of foreign nurses/careworkers from overseas experiences

CUI Lin Xiang, Tapei City Silver Community Service Association
  “Introduction of foreign careworker and management: experience of trial and error”

Letticia Chua, Apex Harmony Lodge
  “Education and Management”

Lim Swee Hia, Singapore General Hospital
  “Striding forward together to improve the cross-cultural management for nurses in Singapore”

CAI Pei Zhen, Labor Bureau of Taipei City
  “Protecting Foreign Workers: Problems and Role of Local Government in Taiwan”

Moderator: IKEGAMI Kiyoko, Director, United Nations Population Fund Tokyo Office

(Question and Answers)

13:30-16:00
◆Session IV : Experience of Japan

YOSHIDA Mika, Special nursing home Seifuen
  “How to cope well with Filipino careworkers in Japan”

TAKEUCHI Misako, Sodegaura Satsukidai Hospital
   “Collaborating with Foreign Nurses: from the Experience of Working with Vietnamese Nurses”

HARUHARA Kenichiro (AOTS)

Elsi Dwi Hapsari (Indonesian nurse)

Moderator: OGAWA Takeo

(Coffee break)

16:15-16:55 General Discussion   Host: ASATO Wako

16:55-17:00 Concluding Remarks
  CHANO Junko, Executive Directors, The Sasakawa Peace Foundation