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【コラム】外国人コミュニティリーダーと共に築く地域社会 [2011年04月15日(Fri)]

 Tanaka Yuko

  田中 裕子
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1983年、京都市生まれ。(特活)多文化共生センター大阪事務局スタッフ。
大学でポルトガル語を学び、南米を専門に取り扱う旅行会社勤務、在ブラジル日本国大使館勤務を経て、2009年より現職。一般財団法人ダイバーシティ研究所岐阜コミュニティリーダー事業担当。ポルトガル語翻訳者。
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 昨年の8月から3回にわたって外国人コミュニティリーダー育成研修の事業担当者として、岐阜県を訪れた。岐阜県には2010年1月現在、51,384名の外国人住民が暮らしている。国籍別にみると、もっとも多いのがブラジル(32.1%)で、中国(32.0%)、フィリピン(16.1%)と続く。ブラジル人の多い岐阜県での仕事は、ブラジル好きの私にとって思い入れの強い仕事でもある。

 日本で暮らす外国人住民は言葉や制度のちがいから様々な課題を抱えている。最近では自分たちが抱える課題を自ら解決するために外国人住民による活動が日本でも少しずつ出てきている。移民受け入れの歴史をもつ諸外国ではすでに、外国人による自助組織が支援の主な担い手となっているそうで、彼らをサポートする今回の研修のような取り組みはとても重要であると感じた。自助組織として活動していく中でも、言葉の壁や制度の壁に直面することがある。団体立ち上げのための手続きや日本語での書類作成、有効な人脈作りや広報、資金集めなど様々な壁が立ちはだかる。コミュニティ活動に積極的な外国人住民がより活発に、いい事業を生み出すためには、彼らの活動をサポートする日本人のチカラも必要だ。

 フィリピン人コミュニティOCJ代表のフェルナンドさんは医療通訳の事業に取り組みたいということで、今回の研修に参加してくださった。ポルトガル語の医療通訳を置いている病院は岐阜県にもいくつかあるが、フィリピン語の医療通訳を置いている病院はなく、日本語が堪能なフェルナンドさんは、派遣会社が休みの週末に、よく知りあいから電話で医療通訳を頼まれるという。コンサルティングで彼は「個人で行う医療通訳には限界を感じる」と話していたが、研修とコンサルティングを終え、これからフィリピン人住民にアンケートを実施してニーズを把握し、協力者を募ったり、資金を調達するために動き出すことになった。彼一人で取り組むのは大変だが、岐阜県国際交流センターの担当者や他の研修参加者も医療通訳への関心は高い。今回の研修を通してできた人と人のつながりを大切にし、事業実施につながるよう、これからも情報交換やサポートを続けていきたい。

 仕事をしながら、コミュニティ活動を行うことは容易ではない。ただでさえ、異国の地で仕事をして、生活をしていくためには、ストレスや困難が付きまとう。それでも、外国人住民にとって過ごしやすい地域を作るためには、こうして外国人住民自らが課題を見つけ、情報発信をしながら、活動を広げていくことがとても重要なことだと感じる。自国出身の人たちが集まるコミュニティの存在は、外国人住民にとって安心できるよりどころになってくれる。このコミュニティを通して、日本人と、外国人住民がお互い一緒に活動していくことができれば、多様な視点から課題解決への糸口を見出せるのではないだろうか。日本人からの支援を受けるのではなく、地域の一員として活動する外国人コミュニティ。私に思い浮かばないような新鮮な視点やアイディアをもつ彼ら・彼女から多くを学び、私自身も共に住みやすい地域社会について再度考えることができた。
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