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【コラム】多文化な子どもたちへの学習支援教室「サタディクラス」 [2011年04月15日(Fri)]
Tsubouchi Yoshiko
坪内 好子
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第3分科会メンバーが所属する多文化共生センター大阪と共に、多文化な子どもたちへの学習支援教室「サタディクラス」を運営。1948年岡山県生まれ。大阪の中学校日本語教室担当を経てボランティアとして活動。1998年文部省(当時)海外教員派遣でポルトガルの学校視察。中国、フィリピン、ペルー、ベトナムの学校見学やボランティア活動等に参加。現在、府立高校定時制特別非常勤講師。
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〔外国からの子どもたちの居場所つくり〕
 数年来、多文化な子どもたちへの学習支援教室「サタディクラス」として、土曜日の午後、大阪市・大阪府在住の小・中学生や高校生年齢の子どもたちの居場所作りと学習支援に取り組んでいる。共に活動するメンバーは、大学の日本語教師、大学生、主婦、定年退職者、NPOスタッフ等である。

 人権尊重を教育の基本理念とする大阪市にはボランティアによる日本語・識字教室が多数存在する。しかし、子どもを受け入れているところは少ない。2010年現在は4団体(サタディクラス、こどもひろば、ひまわり会、YWCA)である。義務教育年齢の子どもの教育は本来公教育によって保障されるべきものである。が、外国からの子どもたちは、40名の多様な子どもたちの中で、ともすれば発言をあまりしない子どもとして見過ごされがちである。子どもたちは理解の確認を求められても、事実に反してつい肯定表現をしてしまうことが多い。

 外国の文化習慣を理解する際、日本の学校文化や指導者の文化体験のみを基に進めていくと、外国からの子どもや保護者の文化・行動形態と大きくずれてしまうことがある。

 例えば、「校内で間食などとんでもない」という常識と「おやつタイムがあって当然」の常識は互いに事前に予測することは困難であり、子ども、指導者双方にアドバイスが必要である。

 さまざまな子どもたちの課題は見過ごされやすく、生活の場である地域においては保護者が受信できうる情報量が少なく、日本の事情を理解することが未消化のまま子どもに接していることも多い。地域とのつながりは弱いため近隣の人々の支援や連携のもとに子どもたちを支えていくことが不可欠である。サタディクラスでは子どもたちの支援と共に、学校と地域保護者をつなぐ糸口にもなればと考えている。

 外国からの子どもたちは異文化の中で不安と緊張による多くのストレスを抱えているが、保護者自身も不明や不安なことが多い。地域の生活上の慣習伝達や行事体験の共有はかなり困難である。厳しい就労状況と複雑な家族関係のケースが多く見られ、子どもは保護者の不安定な動向に振り回される傾向がある。

 世界の、日本の、将来を担う子どもたちが、自分で考え、生きる力を身につけていくため高等教育につなげていく必要がある。また。乳幼児を抱えていることの多い保護者が精神的に落ち着いて子どもの教育について考えられるような環境作りが必要である。在留資格等の問題、生活全般についての知識理解への支援等多くの課題があるのが実情である。

 多くの課題は子どもへの学習支援教室の活動範囲を大幅に超えており、学校、幼稚園や保育所、保健センター、役所、大学の地域研究部門、同じ趣旨で活動するNPO等と連携し、折にふれ地域全体での関心を深め多文化共生社会の実現へと進めていきたい。
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