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【コラム】「人口変動の新潮流への対処」事業紹介 [2010年05月31日(Mon)]
【「人口変動の新潮流への対処」事業 事業委員 短信5】
Ishi Hiroyuki
石 弘之
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1940年東京都生まれ。東京大学卒業。環境学専攻。世界の約130ヶ国を現地調査する行動的研究者。朝日新聞編集委員、国連環境計画上級顧問、東京大学大学院教授、ザンビア特命全権大使、北海道大学大学院教授、東京農業大学教授を歴任。
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写真は中国人研修生・技能実習生を受け入れている水産加工場を視察中
「人口変動の新潮流への対処」事業 事業委員会座長


 私が生まれた70年前には日本の人口は7200万人、一世帯あたりの人員は5人を超えていた。それが、1億2700万人になった現在、2.4人にまで減った。小学校のときには、同級生の兄弟姉妹は4〜5人が普通だったのに、今ではひとりっ子がクラスの半数以上を占める。子どもの数は29年連続して減少をつづけ、総人口に占める子ども(15歳未満)の割合は13.3%で依然として世界最少である。

 現在の人口増加率が将来もつづくと仮定すると、2144年、つまり134年後には人口がゼロになる。かりに今後の増加を最大限見込んでも、3584年には誰もいなくなる。むろん、こんな事態にはならないだろうが、今後の人口回復の見通しがまったく立たないいま、今後とも下がりつづけることは覚悟しなければならないだろう。

 子どもつくろうにも、日本の将来には希望がなさすぎる。子ども数は将来への国や社会への信頼、所得向上や生活の安定への期待を反映したものだ。子どもを持たなくなった若い世代の責任を問う前に、彼らが安心して産める環境をつくらなかった私たち世代の責任を問うべきであろう。
 私は、環境や人口の問題を半世紀近くも追ってきた。それでも、日本や世界の人口動態がこれほど激変するとは予想していなかった。人口は国家の根幹にかかわる問題だ。1990年代になってバブル経済が崩壊し、同時に人口が上げ止まって減少に向かっていったことでも分かる。ついには、日本の一人あたりのGDPは世界の19位と先進国グループの下層社会にまで落ち込みつつある。

 私たちの人口研究グループは、この現実を分析しつつどこに突破口があるかを探っている。私は短期的には優秀な外国人労働者を導入するしかないと考えている。現実に、同じような労働力減少を抱える韓国、台湾、シンガポールなどは、そうした政策の大きく舵を切った。日本は労働組合や職種組織などのしがらみもあって、外国から労働者を受け入れる政策はどれも中途半端なままである。
 単純職種の外国人労働者の受け入れは拒否しながら、現実は他の名目で製造業、農業、水産加工などの現場で多くの外国人労働者が働いている。その労働条件のなかには、国際社会から指弾を浴びかねない搾取的なものもある。

 日本経済は10年以内に崩壊するのではないか、と危惧する声が欧米をはじめ海外では、強まっている。日本がじり貧から抜けだし、子どもを安心して産める社会に復帰するには、まず、活力があり能力も高い外国人労働者を受け入れる必要がある。彼らは、消費者でもあり納税者でもある。また、国内で女性の活用を目指すなら、育児や介護や家事などを補完する外国人労働者も必要である。国際社会から孤立しがちな日本の社会に他文化を取り込むことによって、経済活性化の新たな展望も開けてくるだろう。
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