CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
«【コラム】ベルリン調査から | Main | 【コラム】環境NGOによる移民女性を対象としたプロジェクト(後半)»
プロフィール

SPF人口チームさんの画像
SPF人口チーム
プロフィール
ブログ
カテゴリアーカイブ
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
リンク集
https://blog.canpan.info/jinkou/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/jinkou/index2_0.xml
【コラム】環境NGOによる移民女性を対象としたプロジェクト(前半) [2009年10月23日(Fri)]
 第3分科会「地域における社会統合政策の国際比較」の今回調査では、昨年度の研究会で構築した日本の4つの地域モデル[※1]に合致する、ドイツ4地域(ベルリン・ノイケルン区、デュッセルドルフ、デュースブルグ、トロイツブルク)および、オランダ(アムステルダム、ティルブルグ)、フランス(ストラスブール)、デンマーク(コペンハーゲン)を訪問し、自治体の社会統合への取り組みをインタビューするために、3名のメンバーが手分けして訪問しました。

 私(鈴木)は、初めてのヨーロッパ、加えて本格的な海外調査も初、というビギナーであり、一抹の不安と心躍る期待を胸に、9月初旬、デンマークとオランダを訪れました。ここでは、デンマーク・コペンハーゲンの環境NGOの取り組みを紹介します。

[※1] 当分科会では、「外国人住民の構成」と「担い手の構成」の2点に着目し、多文化共生社会の形成に至るプロセスが異なる4つの地域がある、と仮定した。4分類とは、「中心市街地型」「都市近郊型」「外国人多住型」「地方型」のである。詳しくは、ブログhttps://blog.canpan.info/diversityjapan/archive/61を参照されたい


環境NGOによる移民女性を対象としたプロジェクト
〜デンマーク・コペンハーゲンの「環境」×「多文化共生」×「ジェンダー」
の取り組み〜Integration through environmental communication

(ダイバーシティ研究所 鈴木暁子)


デンマークの移民受け入れ

 デンマークは総人口545万人、全国レベルの移民の比率は8.4%。首都コペンハーゲン・コムーネに限ると人口の52万人のうち、14.0%近くが移民です。
 同国はEUに加盟していますが、国民投票により移民政策・防衛・通貨・内務司法協力の4分野は適用除外を選択したため、独自の出入国管理をとっています。
 同国の移民受入の歴史をたどると、他の西欧諸国と同様、1960年代から、労働力不足の解消のため、主にトルコ、ユーゴ、パキスタンからの労働者の受け入れを開始。1985年以降は人道主義のもと、スリランカ、イラン、イラク、アフガニスタン、ソマリア等難民や難民庇護申請者の受け入れを続け、1987年から1997年の10年間には、西欧諸国以外の移民人口が倍増しました。また、1990年代後半からは家族呼び寄せによる入国が増え、難民庇護申請者を上回りました。

 このように移民が急増する中、次第に、デンマーク語の習得、失業問題、社会福祉政策への負担増が内政問題化し、2002年6月につい外国人の受け入れを制限しました。最近では、厳格な出入国管理、デンマーク語習得の壁、さらに高い所得税率などの理由から移民は減少傾向にあります。

AgendaCenter Amager 

 MILJØPUNKT Amager(英語名:AgendaCenter Amager)は、コペンハーゲン・Kommune(コムーネ)郊外のAmager地区にある環境NGO。1991年にブラジルのリオデジャネイロ国連環境開発会議(地球サミット)で、国連が世界の地方自治体に求めた「ローカルアジェンダ21(Local Agenda 21)」を具体化するために設立。スタッフは3名。コペンハーゲン・ココムーネの支援も受けて、子どもや大人向けの環境教育プログラムや調査・助言を行っています。


同NGOが入っている建物Kvarterhusetは、100年以上も前の工場を改装した建物。著名な建築家が再生を手がけ、木材を活かしし北欧らしく白を基調とした落ち着く空間だ。図書館や貸し会議室もあり、NPO/NGOも入居しているカルチャーセンターとなっており1Fにはおしゃれなカフェもある。向かいには保育園があり、ひっきりなしに家族連れが訪れていた。


1Fのカフェ、奥が図書館


入居しているNPO/NGO


移民女性を活動の担い手に

 同センターでは、2006年から地域の移民女性を対象とした環境教育プログラムを実施。受講者は終了式でEnvironmental ambassadorとして任命され、今までに100人以上を輩出しています。
 財源は同国のエネルギー省と(社会)統合省から。1,120,000クローネ[※2](日本円換算18,704,000円)を得て、ボランティアスタッフや専門家の力を借り運営されています。参加費は無料で、講座はデンマーク語で実施されますが、通訳がつき託児も用意されています。

[※2]1クローネ=16.7円 

 このプログラムのねらいは、地球環境やリサイクルに関する知識を単に「学ぶ」だけではなく、日常生活に役立つ「知恵」として会得してもらうこと。そして、研修を通じて移民自身のエンパワーメントを助け、をつけ、「地域社会デビュー」することにあります。
 そもそも同センターでは、2004年から、外国で生まれ育った女性を対象に、自転車の安全な乗り方教室を開催していました。そこから着想を得て、環境教育と移民女性のエンパワーメント組み合わせた、デンマークらしいプロジェクトが誕生したのです。


センターが入居する建物の周辺には、移民・難民が多く住む団地が広がっている。外から見ただけでは団地は分からないが、高齢者が多い団地、貧困層が多い団地、留学生用の団地といろいろあるそうだ。一戸の広さは日本の団地よりも格段に広い。


団地の玄関の横に設置されているリサイクルボックス
右は紙のリサイクルボックス、左の円形の戸はビン・カンを入れるボックス
この分別作業でも講座の修了生が活躍しているそうだ。

(→後半へ続く)
コメントする
コメント