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bU093 9月30日『米空軍基地はトルコからギリシャかUAEへ移動』 [2020年09月30日(Wed)]
トルコで長い期間に渡って中東の空軍基地として、アメメリが使用してきたインジルリク空軍基地を捨てるようだ。このニュースは既にお伝えしたが、今度はイスラエル発で出てきているために、その信頼度は高いのではないか。

イスラエルのDEBAKFILEという報道機関があるが、このニュース・ソースによると、アメリカはトルコのインジルリク空軍基地を捨て、ギリシャのクレタ島あるいはアラブ首長国連邦に、基地を移す模様だというのだ。

9月29
日に中東を訪問しているポンペオ国務長官が、ギリシャのキリアス・ミツソタキス首相を討議し、ポンペオ氏はトルコから米軍をギリシャのクレタ島に移転し、そこのソウダ港を海軍基地に、したいということだ。

あるいはポンペオの考えでは、アラブ首長国連邦に移転することも、ありうるというのだ。その場合はアラブ首長国連邦が支配している、ソコトラ島も基地になるということだ。これは米軍の核兵器をNATO国から、アラブ首長国連邦に移転するという、重要な意味が含まれている。

この米軍の移転が決定すれば、トルコの国際政治における立場は、急激に低下しよう。既に、トルコの通貨リラは下げまくっている。アメリカ軍がいないトルコは、もう投資先としての安心感が、無くなると言うことであろう。

このアメリカの計画が前進すれば、トルコは基地での仕事を失い、それに付随する消費も、無くなるということであり、外国からの投資も、激減するということだ。そもそも、エルドアン大統領とトランプ大統領との関係は、初対面のときから劣悪だった、と伝えている。トランプ大統領はエルドアン大統領を、信用出来無い無礼な人物、と評価していたのだ。

加えて、アメリカ政府は以前から、エルドアン大統領の暗殺も計画していた、という情報が流れている。それは充分ありうるだろう。この暗殺計画には、アメリカ政府内部の反対があり、実行されなかったということだ。

今後、アメリカ軍がトルコから出て行けば、アメリカはトルコに対する、何の配慮も必要が無くなり、なんでもありになるだろう。アルメニアとアゼルバイジャンとの間で始まった戦争では、トルコはアゼルバイジャンに大量のドローンと、その他の兵器、傭兵を送り込んでいるといわれており、この戦争は宗教戦争の色彩を帯びてきている。

既にアメリカやヨーロッパ諸国、ロシアはアルメニア支持の色を濃くしている。この先のエルドアン大統領の状況はどうなって行くのか、大きな関心が寄せられるところだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:50 | この記事のURL
bU092 9月29日『窮地で判断迷ったかアッバース議長』 [2020年09月29日(Tue)]
どうやらパレスチナ自治政府の、マハムード・アッバース議長は窮地に立ち、判断を間違えているようだ。いままさに窮地に立っている、トルコのエルドアン大統領と、手を組むと言い出しているのだ。

また、そのトルコと手を組んでいるカタールとの関係も、促進する意向であり、加えて、ハマースと連帯を組む方向で、動いてもいる。しかし、エルドアン大統領はシリアでもリビアでも失敗し、秘かに派兵した軍人も傭兵も、引き上げつつあるようだ。

それでも帰国させたことが目立ち、兵士の不満がトルコ国内で漏れるので、今度はトルコ兵とシリアの傭兵はアゼルバイジャンに傭兵として、再度送り出す方針でいるようだ。どうも全てが悪い方に動いている気がする。エルドアンの運気が落ちているのだろう。

カタールも然りで、他のアラブ湾岸諸国との関係は、前進しないままであり、イランの影響を受け続けており、トルコにはたかられっぱなしだ。しかし、カタールとしては、いまトルコ・イランとの関係から、引くわけにも行くまい。

産油国と聞くと、金満国家と言うイメージがあったのだが、いまはそうでもない。石油価格の値下がりと、コロナの影響により世界経済が低迷し、エネルギー価格は下がり、エネルギー産出国は赤字に転落しているのだ。サウジアラビアは日本に依頼して、大型ロ−ンを組む考えらしい。

加えて、マハムード・アッバース議長はライバル関係にある、ガザのハマースと連携する気になっている。両者との間では早期の選挙を、考えているようだが、マハムード・アッバースの放漫経済政策と汚職、それに何の政治的成果も上げていないことから、選挙では負けるかもしれない。

それでもこうした選択をするということは、マハムード・アッバース議長の人気が下がっているということであり、誰もまともな国は相手にしてくれない、ということではないのか。ハマースはムスリム同胞団の政治組織であり、サウジアラビアもヨルダンも、エジプトもハマースを敵視しているのだ。そこと組むということは、マハムード・アッバース議長も敵視されるか、ますます信用を失うということであろう。

どうも、運気の下がった者同士の連帯関係が、ここに来て生まれている、ということではないのか。そう言えば、マハムード・アッバース議長のパレスチナ自治政府も、政敵のダハラーンが表舞台に出てきている。彼は唯一のマハムード・アッバース議長の対抗馬であろう。ダハラーンのスポンサーは、アラブ首長国連邦だ。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:41 | この記事のURL
bU091 9月28日 『エルドアン大統領の焦りとアルメニア・アゼルバイジャン紛争』 [2020年09月28日(Mon)]
トルコのスルタン・エルドアンは、よほど戦争が好きなのであろうか。今度はアゼルバイジャンとアルメニアの紛争に、介入する意向だ。述べるまでも無く、エルドアン大統領が考えているのは、イスラム教徒の国アゼルバイジャンを、支援するということだ。

今回のアゼルバイジャンとアルメニアの紛争勃発は、現在アルメニアの領土となっている、アゼルバイジャン領のナゴルノカラバフを巡るものだ。この問題はもう大分前から続いており、アゼルバイジャンとアルメニアとの間では、小規模な戦闘が何度も、繰り返されてきていた。

今回の紛争勃発の原因は、アルメニア側から砲撃があったことが、原因だとされているが、これはトルコ発のニュースだからそうなのであろう。アルメニアに言わせれば、その逆ということになろう。

問題はこれまでアルメニアの軍事力が、優位にあったために、アゼルバイジャンは勝利できず、ナゴルノカラバフの奪還もかなわなかったのだが、これにトルコ軍が加わるとなると、様相はガラリと変わろう。

トルコはアルメニアに隣接していることもあり、陸軍の将兵を多数送り込むことも、簡単であろうし、空軍による攻撃も可能だ。加えて海からの攻撃も容易であろう。そうなるとアルメニアでは壊滅的な破壊が、行なわれる可能性もあろう。

ところがこのアルメニアはキリスト教国であり、アルメニア正教の発祥の地であることから、欧米のキリスト教社会は、アルメニアの破壊を放置することはあるまい。加えて、アメリカには多数のアルメニア人が居住しており、アルメニア人のロビー活動の優れた点は、誰もが認めるところだ。

その事がこれまでトルコを不利にしていたのだ。アルメニアはトルコが多数のアルメニア人を1915年から、1916
年にかけて虐殺したと主張し、アメリカを中心にトルコ糾弾の活動を続けてきていたからだ。それは国際社会の中にあって、トルコを残忍な国家とする、悪いイメージを固定させて来ていたのだ。

トルコは今回の紛争に介入し、アゼルバイジャン側を支援することで、アルメニアを弱体化させる狙いであろう。あるいはアルメニアを崩壊させ、アゼルバイジャンとトルコの領土にしようと考えているのかもしれない。

しかし、このアルメニアとアゼルバイジャンとの紛争は、短期間で戦争に発展し、多くの外国軍を呼び込むことになる、危険性があろう。ヨーロッパはもちろんだが、アメリカやロシアも介入してくる、危険性があろう。

そうなった場合、トルコは対処しきれるのであろうか。エルドアン大統領はシリア、リビア、イラクと軍を進めたが、明確な勝利は何処からも出ていない。中途半端なものになっている。それはトルコが豊かになり、若者は戦争を嫌うようになってきているからであろうし、実は戦費が充分ではないからでもあろう。そのためか今回のアゼルバイジャンへの派兵もシリアで集めた傭兵を主体にするということだ。

いずれにしろ、エルドアン大統領にとっては、アルメニア・アゼルバイジャン紛争への介入は、極めて危険であろう。それはアルメニアが明確な、ヨーロッパ人の国だからだ。つまり、これは宗教戦争であり、人種戦争に発展する、危険性の高い争いなのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:36 | この記事のURL
bU090 9月27日 『リビア報道に見るエジプトとトルコの主役交替』 [2020年09月27日(Sun)]
このところトルコから出て来る、リビアに関する情報が、激減している。ほとんど出てきていない、というのが実情だ。他方、エジプトからはほぼ毎日のように、リビアに関する情報が、発信されている。

リビアとヨーロッパ諸国との関係や、リビアに関する国連の対応などだ。合わせてリビアのハフタル将軍や、西側政府GNAの議長のカイロ訪問、といったニュースも伝えられている。

リビアからはトリポリ攻防戦が起ることを、懸念する国連の報道も、エジプト経由で伝えられている、これまでならリビアについては、何と言ってもトルコが主幹であり、ニュースもトルコからだったのだから、その様変わりに驚かされる。

リビアからはコロナ感染者が3万人出た、という報道があったが、これはトルコ軍のリビアに於ける情況を、間接的に伝えているのではなかろうか。1万人を超えるシリア人傭兵を、リビアに送り込んだトルコは、自国軍がコロナに感染し、苦しんでいるのではなかろうか。しかし、こうしたニュースはトルコ国内で、反政府運動を起こす危険性があるとして、伏せられているのではないのか。

トリポリ攻防戦への国連の警告も然りで、このような戦闘が繰り広げられるとすれば、トリポリでGNAが弱体化し、LNAが攻勢に出ている、ということであろう。もう、リビアでのトルコ軍の作戦に協力する、ヨーロッパの国はイタリアのみということだが、そのイタリアも完全に腰が引けてしまっているのだ。

関係がいいはずのロシアも、傭兵を送っているのは、反GNAのLNA側であり、トルコとは対立しているのだ。しかも、国際組織例えば国連などは、リビアへの武器供与や軍の派兵は止めて話し合え、とだけ言っている。

そこで非難されているのは、紛れも無くトルコ政府なのだ。リビアでのコロナの問題が拡大しているなかで、シリアでもコロナは拡大している。シリアに派兵されているトルコ軍将兵も、コロナ感染の危険にさらされているということだ。

しかし、トルコからはリビアやシリアでコロナに感染し、死亡したトルコ軍将兵のニュースは全く伝わってきていない。死体はどう処理されているのであろうか。死体は一つの墓穴に投げ込まれ、土をかぶせられているのであろうか。こうなると政府による犯罪行為、ということになり、将来は大スキャンダルとなろう。

エルドアン大統領の転戦また転戦という、勢いのいい政策も、終りを告げつつあるようだ。もうそんなことをする意欲も資金も、枯渇して来ているのであろう。後はエルドアン体制の、崩壊を待つのみか。

そういえばエルドアン大統領の最大の政敵、弾圧相手であるギュレン・グループのザマン新聞編集長が、釈放されたというニュースが伝えられた。これはエルドアン大統領の強硬策の、終りの始まりを意味しているのかもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:05 | この記事のURL
bU089 9月26日 『トルコはリビアを失ったか』 [2020年09月26日(Sat)]
トルコがリビアの西側政府GNAを支援してきたことは、世界的に知られていることだ。一時期トルコ軍のリビア進出は、東側政府LNAを追い込み、いまにもGNAがリビア全域を、支配するかのように見えていた。

しかし、関係諸国からの介入があり、どうもそうでは無くなってきている。9月7日から9日にかけて開かれた会議では、トルコは完全に萱の外に、置かれることになったのだ。一体、GNAのセラジ首相とトルコとの間で、交わされた軍事合意は、どうなってしまったのであろうか。

セラジ政府は風前の灯、セラジ首相は辞任したいとも言い出している。トルコはGNAへの影響力を失っているのだ。エルドアン大統領は『こんなニュースは聞きたくない』と言っているが、それが現実なのだから仕方あるまい。エルドアン大統領はセラジ首相が6ヶ月、出来れば1年首相の座に留まって欲しい、と考えていた。

この期間でエルドアンは、GNA軍との結びつきを強化し、経済関係を強化し、リビアへの恒久駐留を実現したかったのだ。それをGNA政府と交わそうと、目論んでいたのだが、どうも状況はその逆に動いている。

GNAにはハーリド・ムシュ利最高会議議長や、ファタヒ・バシャガ内相という人物たちが、力を持つようになってきているのだ。トルコがGNAへの影響力を弱めるなかで、エジプトはレッド・ラインを引き、リビアへの介入を強めることを、明らかにしている。

トルコはリビアを手中に収めるために、リビアの周辺諸国に働きかけていた。チュニジアとは同国の政治母体がナハダ党という、ムスリム同胞団であることから、容易に懐柔することが出来る、と思っていたようだが、そうはならなかった。

トルコはアルジェリアにも働きかけたのだが、トルコの望むことを実行しては、くれなかった。結局トルコはリビアの情況を、自国に有利にしようと考え、リビアの隣国のチュニジアとアルジェリアに働きかけたことは、いずれも失敗に終わったということだ。

リビアの石油はGANの対抗政府LNAが握っており、どうにもならない。ベルリン会議では平和的解決が合意され、外国軍の介入を拒否しており、軍事解決も拒否されることとなった。これではトルコ軍のリビア駐留は、極めて不都合なものとなろう。

トルコは軍事バランスを考え、マテイガとワテイヤ基地、そして戦略拠点であるタルホーナを支配することには成功したが、それ以外に進展は無い。トルコは18000人のシリア傭兵などをリビアに送り込み、戦車、戦闘車両、ドローンなどを送り込んでもいるのだ。加えて、巨大な軍事基地を建設してもいる。

トルコはロシア製のS300、S400も送り込んでいるが、ロシアはLNAの支援に回り、私兵集団ワグナーを送り込んでいる。トルコとロシアとの間では、リビア問題をめぐる合意は、交わされていないのだ。セラジはトルコの支援を最終段階で、和平合意に使おうとしているに過ぎないのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:41 | この記事のURL
bU088 9月25日『中東短信』 [2020年09月25日(Fri)]
;パレスチナ自治政府に対するアラブ諸国の援助85パーセント減る

パンデミックの被害などを理由に、アラブ諸国、なかでもアラブ湾岸諸国からの、援助が激減しており、パレスチナ自治政府は青息吐息であろう。どうあがいても、アラブ湾岸諸国が直ぐに援助を、元通りにしてくれる、とは思えない。

これはアラブ首長国連邦で始まり、バハレーンも参加したイスラエルとの、国交正常化の動きを、止めず今後も正常化する国を増やしていく、という方針で始められたものであろう。その事に大反対するパレスチナ自治政府を、黙らせる作戦であろうと思われ、この裏にはアメリカとイスラエルがいるのであろう。

:サウジアラビアはイエメン戦争で敗北か

サウジアラビアはイエメンに手を出し始めて、既に5年以上の歳月が過ぎている。このイエメンとの戦争に、サウジアラビアが投下した資金は、莫大であろう。アメリカの言うままに、高度な兵器を輸入してきたが、その成果は上がっていない。

他方、イエメンはイランが開発した、ドローンやミサイルが、有効に機能しており、サウジアラビアの石油施設や、首都リヤドまでもが、被害を受けている。その被害状況はあまり明かされていないが、相当なものではないのか。

サウジアラビアはいま国内的に、政争の嵐が起っており、イエメン戦争の行く末によっては、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の主導に、揺らぎが生じるのではないだろうか。サウジアラビアの国内外では、反政府の動きが活発化しつつあるようだ。

:サウジアラビア反政府政党結成される

サウジアラビアでは初の、反政府政党が結成された。これはイギリスで結成されたものであり。サウジアラビアの政治史では初のことであろう。政党名はナショナル・アッセンブリー・パーテイ、何処と無くしっかりした組織のような、印象を与えるではないか。

今後この政党にはサウジアラビアの、反ムハンマド・ビン・サルマンの王族たちも、加わっていることであろうから、国を二分する動きになっていこう。加えて、アメリカはムハンマド・ビン・サルマン皇太子の、非人道的な政策に腹を立てているので、裏から支援を送るのではなかろうか。

:サウジアラビアがイランと緊張関係に

サウジアラビアとイランは元から、スンニー派の総本山とシーア派の総本山、という立場であり対立してきていた。その事に輪を掛け、イエメン戦争ではイランがイエメンを後ろから支援していることで、だいぶ緊張している。述べるまでも無く、イエメンはサウジアラビアの重要施設を、狙って攻撃しているからだ。

多分、これはトランプ大統領の、選挙運動の一環かもしれない。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:59 | この記事のURL
bU087 9月24日『トルコとムスリム同胞団IS(ISIL)秘密の関係』 [2020年09月24日(Thu)]
トルコとムスリム同胞団との間には、秘密の関係が成立しているようだ。このことが問題なのは、IS(ISIL)がムスリム同胞団を、母体として誕生しているという点だ。そのIS(ISIL)は20万人の戦闘員を抱え、たちまちにしてシリアとイラクの、多くの地域を支配するに至っていた。

何故それが可能だったのか、ということを考えると、トルコが果たした役割が、大きかったことが分かる。武器、弾薬、戦闘車両、高度な通信機器、これらは全てトルコがIS(ISIL)に、提供していたのだ。

エルドアン大統領がムスリム同胞団の、支援者であることは、既に広く知られていることだが、彼はこのムスリム同胞団を使って、イスラム・カリフ体という世界的な権力構造を、設立することを考えているのだ。

ムスリム同胞団は世界中のイスラム組織を、既に配下に収めている。その一つがIS)ISIL)なのだ。IS(ISIL)はシリアやイラクで盗んだ石油を、タンクローリーでトルコに運び出し、トルコはそれを世界に輸出していたのだ。

このムスリム同胞団とトルコ、IS(ISIL)との共同作業による、シリア・イラクの盗掘石油の輸出は、2015年12月にロシア軍による、IS(ISIL)攻撃で止まっている。ロシアが輸送手段であるIS(ISIL)の、タンクローリーのほとんどを、破壊したからだ。

トルコはまた、シリアのハタイをIS(ISIL)のシリア、イラクへの、移動ゲートとして認め、あらゆる支援を送っていたのだ。トルコによる武器のIS(ISIL)への供与は、トルコの情報機関が、主体となって実施していた。

その辺の状況については、ワシントン・ポストにIS(ISIL)のメンバーが暴露しているのだ。彼に言わせると『始めの頃はトルコを経由して、戦闘員が参加し、トルコは武器も提供していた。』というのだ。

加えて、トルコの情報部は衛星写真も、IS(ISIL)に提供し、戦闘を支援していた、ということのようだ。そうしたトルコとIS(ISIL)との関係が、弱くなっていったのはロシアによる圧力が、トルコに繋るようになったからだ。

この情報はイスラエルの情報部から出てきたものだが、大筋で反論すべき点は無い。ムスリム同胞団がいかに世界的な規模で、ものを考えて行動しているのか、トルコがそれを利用しよう、としていることも事実だ。

問題はそのトルコとIS(ISIL)を、アメリカが支援し、利用して来ていたということだ。その事については、イスラエル情報部は語っていないが、前後の関係からそれは分かろう。そうした構造が今では大分壊れたということだが、まだIS(ISIL)とアメリカとの関係は続いている。また、イスラエルがこのタイミングで、トルコとの関係を壊す情報を、何故暴露したか、ということも気にかかる点だ。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:25 | この記事のURL
bU086 9月23A日 『中東問題いろいろ』 [2020年09月23日(Wed)]
:エジプトで反シーシ・デモ

エジプトの特に南部地域で、シーシ大統領の反対するデモが、起こっているということだ。事の発端は民主的に選ばれた、モルシー政権が軍のクーデターによって、打倒されたことに対する怒りだ。このデモにはムスリム同胞団ばかりではなく、シーシ大統領に反発する、国民も参加していると伝えられている。

そもそも、シーシ大統領が登場できたのは、サウジアラビアとアラブ首長国連邦、そしてアメリカの支援によるものだった。トランプ大統領はこのため何度と無く、シーシ擁護の発言をしている。例えば『最も好まれる独裁者』という表現を使ってシーシを賞賛し、『偉大なリーダー』とも言っている。

このニュースはトルコの、政府支持紙サバーが伝えているために、大分値引きして読む必要があろう。ただエジプトに限らず世界は、コロナの影響で経済が悪化しており、国民の権力に対する反発が、起こっていることは確かだ。

ムスリム同胞団とエルドアン大統領との、関係は緊密であり、リビアでもシーシ大統領とは対立しているトルコが、バイアスをかけてエジプト報道をするのは当然であろう。

:ヘズブラ武器庫爆発

レバノン南部のアイン・カラで、ヘズブラの武器庫が爆発する、という事故が起った。この爆発ではビルのガラスが割れる程度であり、死傷者の報告は無い模様だ。ヘズブラの語るところによれば、この爆発した場所は武器庫ではなく、2016年のイスラエル戦争の際に放置されていた、武器があった場所だということだ。

ただレバノン南部は常にイスラエル軍機が、領空侵犯をしており、何らかの工作がイスラエルから行なわれた、可能性は否定出来まい。

:トルコ・リラ下げる

トルコの通貨リラが歴史的な、大幅の下げを記録した。火曜日には1ドルに対して7,
6671リラまで下げたのだ。その前日には7,365リラだったのだから、下げ幅がきついことが分ろう。

こうした極端なトルコ・リラ安が起こったのは、世界の市場がトルコヘの投資リスクを避けたことと、トルコ中央銀行が金利の変化を、許さない対応だからであろう。中央銀行は政府から独立している、と言ってはいるが、実際はエルドアン大統領の、指示のままに動いているのだ。

従って、このまま経済が悪化していけば、国民はエルドアン大統領を、非難することに変わっていくのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:58 | この記事のURL
bU085 9月23日『各国で埒外になりつつあるトルコ』 [2020年09月22日(Tue)]
 トルコ軍はシリアに進軍し、次いでリビアに進軍していた。そのいずれもが始めのうちは大騒ぎであり、多くのニュースがトルコから伝えられており、あたかもシリアやリビアは、完全にトルコの手中にある、というイメージが広がっていた。
 明日にでもシリアのアサド体制は、トルコによって打倒され、リビアも東西二つの政府は、トルコの支援する西側政府セラジ政権GNAが、東側政府ハフタル将軍側を打倒し、統一されるような雰囲気だった。
 トルコから発出される、シリアとリビアに関するニュースは、いずれも勇ましいものであり、勝利は確実という感じだった。だがどうやらそれらは、一部が真実であり、ほとんどは大本営発表と、同じだったのではないか。
 時間が経過するに連れて、西側政府GNAは追い込まれていき、逆に東側政府LNAが勢いを取り戻して行った。その根底にあるものは、やはり石油であったのであろう。リビアの石油はほとんどが、東側と南部に集中しており、そこを支配しているのは東側政府ハフラル将軍側LNAだったのだ。
 これではどうあがいても、西側政府GNAは干上がってしまい、そこの住民の不満も拡大していくことになろう。もちろん、戦時下にあっては、東側政府LNAの支配地でも反政府のデモは起こっている。
 こうした情況を踏まえ、外国はこぞって東側政府支持に回っていった。アラブ首長国連邦、サウジアラビア、ロシア、アメリカ、フランス、イギリスは、皆ハフタル将軍側LNAを支持している。
 他方、西側政府GNA支持は、当初はフランス、イタリア、トルコだったが、いまではフランスが明確に離脱し、イタリアも二の足を踏むようになっている。その一因は地中海領海をめぐる、GNAとトルコの合意が、ヨーロッパ諸国の反発を、招いたことによろう。ギリシャと武力衝突を起こしかねない、緊張状態に入ると、ほとんどのヨーロッパの国々が、トルコ非難を始めたのだ。
 そうしたなかでは、リビアへの武器搬入と派兵は、止めるべきだという意見が、世界中から寄せられたが、何のことは無い、それはトルコに対して、リビアから手を引けと言っているのと同じことだ、
 トルコも資金的な問題、世界の反トルコの流れ、戦況のこう着状態などで、動きが取れなくなり、遂には話し合いによる解決に、賛成するようになってきている。だが、話し合いによる解決が進んでいけば、トルコは埒外となろう。
 既に、西側政府GNAのセラジ首相は、近く辞任すると宣言してもいるのだ。これではトルコが支えるべき、明確なリビアの代表者は、存在しなくなるということではないか。一体トルコは、これからリビア問題を、どうしようとしているのであろうか。
 そうした実情をごまかすために、エルドアン大統領は戦線を拡大し、イラクでもアルメニアでも戦い始めている。それは一瞬の効果を生む、麻薬のようなもので、トルコ国民の愛国心に火をつけるだろうが、長続きはすまい。既にトルコ国内では、エルドアン非難の声が、高くなってきているのだ。
 ギリシャとの緊張関係の下では、アメリカ軍がインジルリク空軍基地を捨てる、という情報も流れ始め、その代替地はギリシャのクレタ島だ、とまで言われている。アメリカ軍がインジルリク空軍基地から、全面的に引き上げるとは思えないが、このアメリカの立場は、ヨーロッパ諸国を歓喜させ、トルコを不安に陥れることであろう。
 こうした流れは、トルコに対する外国からの、信用を下げてしまい、同国への投資は急激に減っている。その結果はトルコ・リラ安となって、明確に現れているのだ。エルドアン大統領の体制は、すぐ終わるだろうと思っていたが、それがいままで続いていたのは、トルコの利用価値が、アメリカにとってはあったからだ。
トルコが中東諸国で暴れまくれば、相手国は混乱に陥り、アメリカに付け入る隙を作っていた、ということだ。加えて、トルコからのISなどへの支援が行なわれ、アメリカにとっては中東駐留の口実を、与えていたのだ。だが、その甘い時は既に、過ぎ去っているのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 21:44 | この記事のURL
bU085 9月22日 『各国で埒外になりつつあるトルコ』 [2020年09月22日(Tue)]
アメリカの大統領選挙が近づくにつれて、トランプ大統領によるイラン非難のトーンは、高まっているようだ。それはイランのレスリング選手処刑に始まり、それがイラン国民の反発を激増させ、第二の革命が起こる危険性が、高まっているというものだ。

続いて、イラン政府は北朝鮮の協力を得て、長距離ミサイルと核兵器の開発に向かっている、という話だ。これはイスラエルやアラブ湾岸諸国にとっては、まさに悪夢であろう。何時核兵器が自国を襲うかわからないという不安は、相当なものであろう。

アメリカはイランが既に核弾頭を作る、全ての材料を揃えたので、年末までには核兵器を製造することが、可能だと言っている。つまり、イランの核兵器の脅威は、すぐそこまで迫っている、と言いたいのであろう。

そうなると、これらアラブ湾岸諸国は皆、アメリカの軍事支援を期待し、自国を守ってもらうことを念願しよう。その結果は、アラブ湾岸諸国の全てが、アメリカの軍事的保護下に、置かれるようになるということだ。

加えて、バハレーンに対しては同国のシーア派人口が、70
パーセントを超えているということと、イランとの関係が最悪であることから、バハレーンではイランの工作による、体制転覆があるというものだ。バハレーンはアメリカ海軍の巨大な基地を持っており、イランとは戦闘正面にある国家なのだ。

これに対して、アメリカはイランの軍事施設など、数十箇所を攻撃する計画を、既に立てている、と言っている。アラブ湾岸諸国に対しては、だから、イランからの攻撃は心配する必要はない、と言いたいのであろう。

どうもこれらのアメリカ発の情報は、胡散臭い気がする。イランとの軍事緊張を盛り上げ、アメリカ国民も脅威の下に置き、それに敢然と立ち向かっているという、カウボーイ映画のヒーロー役を、トランプ大統領はやるということであろうか。

そんな馬鹿げたトランプ流選挙活動が、まかり通るとすれば、アメリカ国民の知的レベルは相当低い、ということになるのだが。あるいはそこまで、アメリカではマスコミの影響力が、拡大しているということであろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:38 | この記事のURL
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