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NO5797 1月1日TODAY『トルコがシリア・ミリシア300人をリビアに派兵』 [2019年12月31日(Tue)]
シリアの人権委員会の報告によれば、300人のシリアのミリシアがトルコによって、リビアに送られたということだ。これは西リビア政府セラジ側を支援するためだ。彼らはリビアのトリポリの空港に、既に送られている、ということだ。

このシリアのミリシアたちは、2000ドルから2500ドルの月給を、受け取る契約になっている。そして、契約期間は3ヶ月か6ヶ月、ということのようだ。

現在シリアにあるトルコの基地では、1000人のミリシアが訓練を受けており、彼らもリビアに送り出される、ということのようだ。

トルコの国防省は、トルコはリビアでの軍事展開を、完璧なものにしている、と発表いている。

ここまで来ると、トルコ政府は後には引けまい。トルコはこの作戦でどれだけの資金を、つぎ込むつもりなのか、もちろん、カタールが相当部分を負担する、と思うのだが、やはり、トルコの経済には悪影響が出ようし、トルコそのものへの評価も下がろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:19 | この記事のURL
NO5796 12月31日『セラジ政府がシリア兵の存在否定』 [2019年12月30日(Mon)]
リビアの西側政府セラジ首相側が、リビアにおけるシリア軍の存在を否定した。曰く、これは宣伝のための、偽情報だということだ。

他方、リビア石油は戦闘が貯油タンクに、近づいているということで、操業を停止すると発表している。この貯油タンクは西側の、港の近くにあるものだ。

貯油タンクがある場所は、首都トリポリから、49キロ西側に位置する、ザーウイヤという街だ。

リビアは石油生産で、成り立っている国であり、この貯油タンクが破壊されることになっては、国そのものが、成り立たなくなろう。

トルコ軍がリビアに侵攻してくることが、ほぼ決定されたいま、そのトルコ軍がシリア兵を、伴ってリビアにやって来る、ということで、リビアの西側政府も、敏感になっているのであろう。

だが、西側政府が残存できるのは、トルコ軍の支援があってのことであり、トルコ軍はシリアで集めた傭兵軍団を、伴ってリビアに侵攻して来る、と言われている、その傭兵はトルコがいままで活用してきた、FSA(自由シリア軍
)であり、シリアに居住するトルコ系シリア人、つまりトルコマンを活用するということのようだ。

FSA『自由シリア軍』とトルコマンが、全く異なる存在なのか、あるいは混合しているのか、までは分からないが、多分に混合しているものと、思われる。だが、トルコ政府はいまトルコマンを、集めているという情報を、流している。

そのFSA(自由シリア軍)とトルコマンが、別の存在であるように言う、トルコの意図は何処にあるのであろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:55 | この記事のURL
NO5795 12月30日『トルコのリビア派兵は内外から非難ごうごう』 [2019年12月29日(Sun)]
NO5795 12月30日『トルコのリビア派兵は内外から非難ごうごう』

トルコのエルドアン大統領が決定し、トルコ議会にそれを、正式なものとして承認させた。これでトルコがリビアに、軍隊を派兵することになったわけだが、内外でこのトルコの決定に、反対する動きが起こっている。

まず、トルコ国内では最大野党のCHPが、党首自らをして派兵に反対である事を、明らかにしている。この派兵は膨大な資金を、必要とするばかりではなく、トルコ兵の安全も、確保出来ないからだ。

一部では傭兵として、シリアのFSA(自由シリア軍)
のミリシアを、活用するという話が出ているが、それだけではやはり軍隊として、機能しないだろう。そうなると、やはりメインの軍人はトルコ人、ということにならざるを得まい。

果たして、シリアのFSAのミリシアが、命を懸けてリビアのために、戦う気があるのかということになろう。彼らは自国シリアでならともかくとして、他国のしかも内戦に関わる、正義など無いからだ。

エジプトもやはり、トルコのリビアへの派兵に、反対している。エジプトはリビアの隣国であり、エジプトからリビアに逃れたムスリム同胞団が、固まっているのはトリポリだ。そのトリポリのムスリム同胞団を潰さないことには、エジプトとしては危険がいっぱい、ということだ。

ギリシャやキプロスも同様に、反対している。これは海底資源に関わることであり、トルコはリビアのセラジ首相の、西側政府との間に、領海合意をしているのだ。そのリビアで西側のセラジ政府が勝利すれば、この領海合意は正式に、始まることになるのだから、ギリシャもキプロスも、何としても止めたいところであろう。それはイスラエルとて同じだし、エジプトもレバノンも然りであろう。

チュニジアをエルドアン大統領が訪問し、トルコのリビアへの派兵に協力を求めたがチュニジア政府はこれを断っている。トルコはチュ二ジアの港を使い、兵員や戦略物資を、陸揚げしたかったのであろう。当然であろう。そんなことになれば、チュニジアもリビア内戦に、引きずり込まれてしまうからだ。

アメリカやロシア、そしてイタリアやフランス、イギリスも、トルコがリビア内戦に派兵することには、反対していよう。これらの国々にすれば、リビアという美味しいケーキの、分け前が減るからだ。

リビアは最高の品質の石油を、産出する国であるだけに、欧米各国も周辺諸国も、血眼になっているのだ。もちろん、トルコもそれでおっとり刀で、リビアに進出するということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:00 | この記事のURL
NO5794 12月29日『エルドアンのリビア支援既に失敗なのだが』 [2019年12月28日(Sat)]
弱り目に祟り目という言葉があるが、いまのトルコはまさに、その通りなのではないか。エルドアン大統領がおっ取り刀で、チュニジアに乗り込み、リビアのセラジ政権を支援するために、トルコは軍隊を送る用意がある、と見栄を来切った。

しかし、エルドアン大統領の計算は、始めから狂ったようだ。トルコがセラジ政府を支援するために、武器を満載して送った貨物船は、ハフタル将軍側に阻止され、陸揚げすることが、出来なかった。

それで、エルドアン大統領は武器の陸揚げを、チュニジアの港でやろう、と考えたのであろう。チュニジアの港なら邪魔されることはないし、貨物船を壊されることもない、と踏んだのであろう。

さて、チュニジア政府のエルドアン大統領訪問に、際しての反応はという、極めて不都合なものだった。チュニジア政府はリビア問題では、中立の立場を守るとして、セラジ政府側にもハフタル将軍側にも、組しないという立場を、明らかにしたのだ。

そのことは、トルコ政府がセラジ政府側に、送る予定だった、武器の陸揚げをチュニジア政府が認めない、ということであろう。それは当然のことで、リビアのどちらかを支援することになれば、チュニジアは反対派によって、戦場の一部になってしまう、危険性があるからだ。

加えて、マスコミではトルコが、シリア人を傭兵としてリビアに送り、戦闘させようとしている、と非難が既に出ている。シリアでのトルコ軍の活躍は、聞こえてこなかったが、トルコはシリアでは、シリア自由軍『HSA』を傭兵として使って、自国の軍人に戦わせることは、無かったということであろう。

そのためトルコは莫大な金をかけて、シリアに派兵しながら、何一つ成果『トルコの利益』を挙げていないのだ。今回のリビアへの派兵でも、そのFSAを使って、傭兵に戦争をさせる、腹なのであろうか。

チュニジアの隣国アルジェリアは、トルコがリビアで何をしようとしているのかを、冷静に分析している、ということだ。この国もリビアとは隣接いており、ちょっとした計算違いが生じれば、リビア兵や、トルコが送る傭兵であるFSAが、自国内になだれ込んでくる、危険があるのだから、当然であろう。

しかし、こうした周辺諸国の反応とは別に、リビアの西側を支配するセラジ政府は、トルコに緊急の派兵を要請し、トルコ議会もリビアへの派兵を決議している。決議と言っても、これはトルコの独裁者である、エルドアン大統領の意向を、そのまま認めただけのことだ。

以前にも書いたが、トルコはシリアでも、巨額の戦費を浪費し、安全地帯の構築に金をつぎ込み、今度はそれにリビア派兵をする、というのだから、トルコ経済が悪化するのは、目に見えていよう。

トルコ政府はリビアの、セラジ政権を支えることで、戦後の復興で多くの仕事を、得ることが出来る、と目算していたのであろうが、実際はその逆で、トルコはリビアで何の仕事も取れず、他の国々のリビア進出を、指を咥え眺めているだけで、終わることになるのではないのか。どうやらエルドアン大統領の勘も、鈍ってきており、今後はもっと誤算が、出てくるのではないか。それは彼の権力が崩壊していく、前兆であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:17 | この記事のURL
NO593 12月28日TODAY『アリ・ババジャンも新党結成へ』 [2019年12月27日(Fri)]
元副首相だったアリ・ババジャン氏が、新党を結成する運びだ。新党は来年早々、結成されるものと、思われている。アリ・ババジャン氏は穏やかな性格であり、多くの支持者を抱えているが、今回の新党結成では、彼のもうひとつの側面が、表面に出てきているのであろう。

アリ・ババジャン氏はエルドアン体制について「現状に常に残念だと感じている。』と語り、トルコはいま政治の刷新が、必要なのだとも言っている。つまり、アリ・ババジャン氏はエルドアン政治に、直接的な批判をした、と言うことだ。

彼は元内閣にいたこともあり、かつ、与党AKPの設立当時からの、メンバーでもある。
従って、エルドアン大統領はアリ・ババジャンの人柄について、よく知っている。だからこそ、エルドアン大統領は6
か月前に、アリ・ババジャン氏に対して、政府に戻れと声をかけたのだ。

2017
年に取り入れられた、アリ・ババジャン氏は大統領システムについては、極めて悲観的であり、元の議会制民主主義に戻すべきだ、と考えている。エルドアン大統領は現在、トルコ社会が抱えている若者の、失業問題をごまかすために、新ボスポラス海峡建設などを、進めようとしているが、それは所詮、誤魔化しでしかない。

アリ・ババジャン氏は、与党AKP内部の考え方を、よく分っているため、エルドアン大統領にとって彼の攻勢は、相当厳しいものになりそうだ。

先に新党結成を宣言した、ダウトール元首相と合わせ、エルドアン大統領は二人の元盟友によって、来年から攻撃される立場に回る、ということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:15 | この記事のURL
NO5792 12月27日『オマーン王位交代近い』 [2019年12月26日(Thu)]
アラビア半島の東側に位置する、イエメンの北側の国オマーンの国王が、どうやら辞任しそうだ。オマーンの国王は古くから、マリク(国王)ではなく、スルタン(支配者)と呼ばれてきた。

このスルタンという言葉には、イスラム教徒の国の宗教的権威と、政治的権力を持った人物という意味合いがある。そのためアラビア半島内では、一目も二目も置かれてきていた。

オマーンの石油産出量は多分、70万バーレル日程度と多くないが、当然、オマーンの国王はサウジアラビアからも、アラブ首長国連邦からも、高い尊敬の念を,抱かれてきていたのだ。

オマーンのスルタン・カーブース国王は、痩せ型で物静か、どちらかと言えば、哲学者のような風貌の人物だ。彼は一生独身で過ごし、国内は清潔をむねとし、建物は一般住宅は二階建て、と制限されていた。

また自宅の敷地には、樹木を植えことも、義務付けていたと思う。このためオマーンを訪れる人は、清潔感と整然さとに、感嘆したものだ。

オマーンは小さいながらも、いろいろな自然の顔を見せてくれること、歴史的面影を残す国でもある。また日本ではポピュラー、温泉のある国でもある。

オマーンは1970年初頭には、ゾファール解放戦線という、反体制ゲリラ組織が拡大し、そのゾファール組織との間に、戦闘を展開していた。その時のオマーンを支援したのは、イランであった。

このため、オマーンは今でもイランと、特別な関係にある。そのことがその後、アラブ湾
岸諸国とイランとの緊張の中で、オマーンの持つ外交力が、注目を集めてきている。

オマーン国王は12月に、ベルギーに健康チェックに出向いていた、ということだが、どうも癌に罹っているようだ。その頃開催された、アラブ湾岸諸国首脳会議などは、欠席している。

それで王位の委譲が,取りざたされるように、なったのであろう。日本ではオマーン国王は、スルタン・カーブースと呼ばれて久しい。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:16 | この記事のURL
NO5791 12月26日『今年末から来年御予想、当たるも八卦』 [2019年12月25日(Wed)]
:トルコ

トルコのエルドアン大統領は、どうやらここに来て下り坂を、降り始めているような気がする。彼が始めたシリアへの軍事介入は、さしたる成果も挙げること無く、ただ、戦費がかさんでいるだけではないのか。

その上にリビアに手を出したのだから、ますます費用はかさむことになろう。どうやらリビアについては、エルドアン大統領の期待とは違う方向に、動き出しているようだ。加えて、国内的には野党の市長である、イスタンブールとアンカラの市長が、次第にエルドアン大統領に対して、挑戦的な立場を取り始めている。

それがもっと明確な形で表面化してくるのは、来年であろうと思われる。インフレ、失業、対外債務と、いずれの数値もよくないのだから、国民の不満は、相当膨れ上がっているものと思われる。それが何時暴発するかであろう。

:リビア

リビアの内戦は12
月末になり、ほぼ先が見えてきたような気がする。西と東に分かれて戦っていたのだが、戦場はもっぱら、西の首都トリポリ近郊だった。そのことは単純に考えて、東のハフタル将軍側が優位に、戦闘を展開しているということだ。

その東側リビア政府には、サウジアラビア、アラ首長国連邦、エジプトが支援を送っているが、それ以外にも、ロシアやアメリカもどうやら、ハフタル将軍支持のようだ。これでは西側政府は、厳しいものとなろう。

西側政府を支援しているのは、トルコとカタールそして、イタリアとフランスのようだが、フランスは狡賢い、西支持に回ったり、東支持に回っているのではないか。そうしたなかで、音無しの構えを取っているのはイギリスだ。

イギリスはリビアがイドリス王の時代、東部を支配していただけに、関心が無いわけはなかろう。イギリスは最終的な段階で、調停役に回り、しかるべき利益を、得るのかもしれない。アメリカは喜んでイギリスを迎え、ロシアのリビアへの関与を、弱めようとするだろう。


:エジプト

エジプトはリビア問題が、複雑化してくる段階で、同国の軍事力と経験が、ものを言いそうだ。リビアに隣接しており、大軍を抱えているエジプトは、何時でも10
万人単位の派兵が、可能であろう。

そのエジプト軍のリビア派兵で、費用を負担するのはサウジアラビアとアラブ首長国連邦、ということになろう。両国もエジプト同様に、ムスリム同胞団を敵視しており、もし、リビアで西側のセラジ首相が、勝利するようなことになれば、それはリビアがムスリム同胞団の、基地となるため、両国は不安定化しよう。少なくとも相当の不安を、抱え込むことになろう。

:イラン

イランでは西イランのフゼスタン地方で、起こったデモが全国に拡大し、首都テヘランまでもが、危険な状況に追い込まれた。不安を抱いたハメネイ師は、強硬対応を指示し、
1500人の国民が、治安部隊によって、殺されることとなった。この1500人という数は、政府発表であり実質は、2000人を超えているかもしれない。

結果はイラン国内の鎮静化が、実現したということだ。だが、それは一応であって、長期間ということではない。新年が明けて一定の時間が経過すれ、再度デモは起こる可能性が、高いだろう。それはこの国の経済数値が、悪いからだ。失業、インフレ、政府要人の汚職と、枚挙にいとまがない。

2020年の中東諸国の状況は、2019
年に比べれば、落ち着くのかもしれないが、薄氷を踏むようなものではないのか。各国それぞれが時限爆弾を、抱えているのだから。我々は注意して状況を、分析しなければならない、ということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:43 | この記事のURL
NO5790 12月25日『ハフタル殺人罪で裁判に』 [2019年12月24日(Tue)]
リビアの東政府を代表する、ハフタル将軍がいまアメリカで、裁判にかけられている。これはリビア人の家族が、息子をハフタルに殺害された、という件が持ち上がったからだ。

この結果、弁護士はこの遺族に対して、ハフタル将軍は1.25億ドルを、支払わなければならない、としている。

弁護士の調査段階では、ハフタル将軍はその場に、顔を出さなかった。ハフタル将軍は彼の持つ数百万ドルの金を、各地に分散して隠匿している、と言われている。何人かの親しい人物に託してもいる、ということだ。

ハフタル将軍には二人の子息がいるが、彼らはアメリカに住んでいる。当然、彼らもハフタル資金の隠匿に、関わっていよう。

ハフタル将軍はカダフィ時代に、アメリカに亡命し、バージニアに20年ほど、居住しているが、その当時、彼はCIA
に協力していた、と言われている。彼はリビア人民救済戦線といった名前の、反カダフィ組織を立ち上げていたが、実際には何の活動も行っていなかった。

言わば、名目だけの組織であり、それを理由にアメリカは、ハフタル将軍に金を出していた、ということであろう。その後、リビアでアラブの春革命が始まると、彼は急遽帰国し、反カダフィ活動に、参加している。

いまの段階では、リビアは二分され、西側の政府はセラジ首相がトップに位置し、東側はハフタル将軍が代表しているが、それぞれにスポンサーというか、彼らを支援する後援者がいる。セラジ首相の場合は、イタリア、トルコ、カタールが支援しており、ハフタル将軍側はエジプト、アラブ首長国連邦、フランス、ロシア等が支援している。

ここに来て、ハフタル将軍の戦争犯罪が、問題視されるようになってきたのは、各国の利害が直接的に絡み合い、その一手段として裁判が、持ち上がったのであろう。戦争では民間人の死者が、出るのは普通であり、いちいちそれを裁判で、争うということは、何やら不思議な感じがする。

この裁判問題は、裁判で勝訴するとかしないとかではなく、ハフタル将軍への精神的プレッシャーを、考えてのことではないか。そうなれば、ハフタル将軍は戦争よりも、自分の保身に、神経を使うからだ。だが、それほどハフタル将軍がそれ程やわだとは、思えないが。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:19 | この記事のURL
NO5789 12月24日『エルドアン大統領ハフタル将軍の戦争なるか』 [2019年12月23日(Mon)]
エルドアン大統領のリビア西側政府、セラジ首相支援をめぐり、東側の政府ハフタル将軍と、武力衝突する公算が、高くなってきている。ハフタル将軍側は既に、リビア東部デルナ沖を航行中のトルコの貨物船を、拿捕している。

これに対し、エルドアン大統領は激高し、あらゆる報復をする、と息巻いている。こうなると、武力衝突しかあるまい。だがトルコには、勝算はあるのであろうか。トルコ側はハフタル将軍側を攻撃するとなれば、航空機を使うか艦船を使うしかあるまい。

海路と空路の制圧無くしては、いかな屈強のトルコ軍と言えども、リビアに上陸することは出来まい。従って、今回のハフタル軍側による、トルコ貨物船の拿捕は、その前哨戦とも言えるものなのだ。

トルコは空中給油機を持っているので、リビアまでの空軍機による、航行は可能であり、攻撃も可能だろうとみられているが、船舶はどうであろうか。大型の航空母艦など、トルコ海軍は所有していない模様だ。

 そうなると海軍での、乗り入れは危険過ぎよう。しかし、航空機による兵員や武器の輸送は、かなり限界があろう。先日、デルナ沖で拿捕された貨物船には、武器などが積まれてあったようだ、と言われている。

 もし、トルコがしかるべき量の武器を、リビアに搬入でき、戦闘が始まれば、熾烈を極めよう。死んでも進軍することで評判のトルコ軍、しかも、相手は元オスマン帝国領土となれば、メンツもかかっていよう。

 リビア側もやはり、ここ一番の勝負、負ければどちらかが、リビアから逃亡するか、死ぬしかあるまい。そこで、どこの国がリビア問題にかかわっているか、ということを考えなければなるまい。リビアは石油産出国なので、各国が強い関心を示しており、関与している。

 例えば、西側政府のセラジ首相側は、フランスやイタリアがバックに付いている、と言われているし、多分カタールもトルコと合わせて、支援していよう。他方、東側の政府ハフタル将軍側には、隣国のエジプト、アラブ首長国連邦、サウジアラビアが付いており、裏にはロシアとアメリカがいる、と言われている。

 アメリカにしてみれば、この際トルコとハフタル軍が、派手に戦闘を展開し、リビアのあらゆる施設が破壊されれば、再建の仕事が手に入る、と言えよう。だが、それをロシアが黙っているとは思えない、結果的に、ロシアとアメリカとの間で、秘密交渉が行われ、最終的には、ロシアがこの問題に、決着をつける、と多くの専門家が見ている。

 そう筋書き通りに進めば問題ないのだが、やはり血を見る必要があるような気がする。それがエルドアン体制にとって、極めて危険なのではないのか。トルコはいまシリアと戦争しており、国内のクルドPKKと戦っており、そのうえリビアでも戦争、ということになれば、相当無理な話ではないのか。トルコ経済は大分ダメージを受けよう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:19 | この記事のURL
NO5788 12月23日『シリア製油所ISが攻撃死傷者も』 [2019年12月22日(Sun)]
シリアの首都ダマスカスの北方にある、ホムスの製油所3箇所が、IS(ISIL)によって攻撃された。この結果、3箇所の製油所が火災にあい、政府側が消化に勤めた。IS(ISIL)側は二箇所を、ロケットで攻撃し、他の一箇所にも攻撃を加えた。

二箇所の製油所はホムス市内に、近い場所にあり、もう一箇所は郊外の、砂漠の中にある。ホムスの製油所はシリアにとって、最も大事な製油所の一つで、国内消費用のデーゼル・オイルなどを、主に生産している。それ以外にも、石油化学製品用オイルも、生産しているとのことだ。

IS(ISIL)側は今回の攻撃で、シリア兵13人、民間人労働者4人を、殺害している。攻撃を受けた地域は、もっと詳細に述べると、ウンム・アルテイナであり、アルマデルセ・ベルナンだということだ。

この作戦にはジュブハト・ファタハッシャーム・タクフィールも、参戦していた模様だ。シリア軍は彼らに対して、相当の被害をもたらしたようだ。

シリアのIS(ISIL)は、ほぼ完全に打倒された、といわれていたが、実際にはイドリブに集められ、収容キャンプにいるようだが、そこのキャンプの監視は緩く、これまでも何度と無く逃亡している。

それが今回は、攻撃に出たということであろう。一体アメリカは何を、しているのであろうか。IS(ISIL)に武器を与えているし、IS(ISIL)メンバーを安全なイラクの、アメリカ軍基地とその周辺に、移送してもいる。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:13 | この記事のURL
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