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NO:5482 3月21日 『エルドアン大統領NZで怒り心頭・非難轟々』 [2019年03月21日(Thu)]
トルコのエルドアン大統領は、内外で起こる事件で、頭のなかが大分混乱してきているのではないか、と思われるような出来事が、連続して起こっている。NZ(ニュージーランド)で起こった事件では、犯人がトルコに何度も入国していたこともあり、ターゲットはトルコだった、と言い出している。

確かに、犯人ブレントン・タラントが書き残した、声明文のなかには、オスマン帝国によって奪われた、東ローマ帝国のコンズタンチノーブルを奪還せよ、といった部分があるようだ。そして、この犯人ブレントン・タラントはトルコを東西に分割し、ボスポラス海峡の東だけをトルコに与え、西側は奪還すべきだとも、書いているということだ。

また、こうした話の延長線上で、犯人ブレントン・タラントはエルドアン大統領も、狙っていたとエルドアン大統領は、主張している。そして、ヨーロッパに居住するトルコ人は、厳重な警戒をすべきだ、と語っている。犯人はヨーロッパに居住するトルコ人を、殺せとも声明文のなかには、書いているようだ。

エルドアン大統領はこの犯人に激怒しながら、西側諸国はイスラムホビアを捨てろと語り、冷静な対応を呼びかけているということだ。しかし、何処が冷静なのか分かりかねる部分が多い。

エルドアン大統領の強硬発言は、他の面でも見られる。トルコ在住のクルド人がモスクに発砲したと非難し、クルド対策を強化すべきだと語っている。その事は来る選挙に合わせての、発言であろう。

エルドアン大統領はそれだけではなく、NZのテロ事件のテープを各地で行われる、大統領演説会で流し、犯人ブレントン・タラントだけではなく、西側の卑劣な策謀、と非難しているようだ。これは外国から非難されるだけではなく、トルコ国内でも非難を受け始めている。与党AKPの議員のなかにも、このエルドアン大統領の選挙運動の進め方に、非難の言葉が出てきているのだ。

 与党AKPはモスクのミナレット(尖塔)にも与党の旗を吊るしている。これなどは宗教を政治に利用する典型的な例であろう。NZのテロ犯ブレントン・タラントで、国民の間に怒りを募らせ、それを自分の側の票に結び付けよう、という作戦であろう。
 エルドアン大統領は首都アンカラや、トルコ最大の都市イスタンブールの市長選挙では、敗北したくないと強く望んでいようが、経済の悪化はその可能性を高めているのではないのか。例え、全国規模で勝利しても、この二つの都市で落とせば、敗北は明らかになろう。

 エルドアン大統領の与党AKPに対する支持が、先月の世論調査では、確か35パーセント程度と出ていたと思うが、経済の悪化のなかでは、もっと支持率は下がっているのではないかと思われ、そのためにエルドアン大統領は、あせりを感じているのであろう。

 失業率の上昇、物価の上昇、インフレの上昇、国内外国企業の操業停止や撤退など、悪材料が揃い過ぎている。これでは、パンだけでエルドアン大統領支持に回っていた、もの言わぬ国民の支持も低下しよう。エルドアン大統領には絶対に減らない、35パーセントの支持層がいる、と言われてきていたが、それはパンを食わせてくれるから、ということが理由であったろう。

 国民にパンを食わせられなくなれば、その国のトップは絞首刑台に、引き出されるのが運命だ。その日が迫っているのか。エルドアン大統領の内心は、大きな不安で一杯になっているのではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:47 | この記事のURL
NO:5481 3月20日『IS未だ残存アメリカ軍は駐留継続』 [2019年03月20日(Wed)]
アメリカのトランプ大統領は昨年12月、シリアに駐留するアメリカ軍を、撤退させると言ったが、その後もアメリカ軍は、シリアに駐留を続けている。その後も何人が駐留継続するのか、についての情報が流れたが、ロシアやトルコなどの言う1000人について、アメリカは否定している。

アメリカとすれば、トランプ大統領の発言もあったことであり、多数のアメリカ軍将兵が残留しているというのは、体裁が悪いのかもしれない。一説には400人という説もあるが、これも信用できない。

そのアメリカ軍の駐留者のなかから、IS(ISIL)の攻撃による犠牲者は出ているのであろうか。IS(ISIL)の戦闘員がSDFによって、5人捕まったという情報が伝わってきている。

他方1月半ばにはIS(ISIL) の攻撃により10人が死亡し、4人のアメリカ人、彼らは軍人と防衛コントラクター、つまり傭兵たちだった。それ以外に3人の軍人が負傷した、という報告もある。

爆発でSDF戦闘員2人と市民 8人が、IS(ISIL)爆弾テロで死亡している。

こうした報告がある一方で、アメリカ軍の2014年からの犠牲者数は,たったの2人だということだ。どうもつじつまが合わない。

どうも不確かな情報だが、アメリカ軍側に被害が少ないということは、事実であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:12 | この記事のURL
NO:5480 3月19日 『オランダのテロはトルコ人が犯人IS関係者』 [2019年03月19日(Tue)]
 3月18日の朝に、オランダのユトレヒトで起こった、電車襲撃事件は3人が死亡し、9人が負傷した。この9人のうちの3人は重傷だ、と報告されている。電車の座席に座っているところを撃たれ、抵抗のしようも無かったのであろう。

 犯人はギョクマン・タニスという人物で37歳、彼はトルコ国籍のようだ。国籍は不確かだが、彼はトルコで生まれているということだ。

 このユトレヒトで起こった事件が、単独でなされたものか、複数犯だったのかは、未だに不明だ。オランダ警察は最高度の警戒態勢を引き、ユトレヒトを固めている模様だ。もちろんモスクも警備対象となっている、

 このギョクマン・タニスなる人物は、IS(ISIL)のメンバーだ、という情報が流れている。トルコ人のビジネスマンで、オランダに住んでいる人物が、語ったところによれば、ギョクマン・タニスは数年前に、IS(ISIL) との関連で逮捕され、後に釈放されているということだ。

 当然のことながら、オランダのマーク・ルッテ首相は、情況を非常に心配している、とコメントしている。

 この事件はあるいは、ニュージーランドで起こった事件に、刺激されて起こった、イスラム教徒による白人に対する、報復だったのではないか、と見る向きも多いようだ。そうしたこともあってか、トルコのエルドアン大統領は『扇動する発言は止めるべきだ。』と警告している。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:28 | この記事のURL
NO:54779 3月18日『ロンドンのモスクでニュージーランド同様の犯罪』 [2019年03月18日(Mon)]
東ロンドンのモスクエリアに3人組の若い男たちが侵入し、モスクの外にいたムスリム青年に攻撃を加えた。彼らはイスラムホビア(イスラム教嫌悪)の叫びをし、『ムスリムはテロリストだ。』とも叫んだということだ。

 それ以前にも2017年の6月には、フィンスベリー・パークでモスク襲撃事件が、起こっている。

 これはどう考えても、このロンドンで起こった事件は、ニュージーランドのモスク襲撃事件に、影響を受けた犯罪であろう、と思われる。今後こうした事件はヨーロッパ中で、繰り返されるのではないか、と思われる。

 なかでもナチ思想が拡大を見せている、ドイツでは同様の事件が起こるm可能性が高かろう。ニュージーランドの犯行人はトルコに何度も出入りし、トルコでのテロも計画していたようだが、ドイツには多数のトルコ人が移住しており、ドイツ人との緊張が生まれている。

 過去にもドイツでは、トルコ人居住地域で放火事件や、暴力事件が繰り返し、起こっていた。ドイツではあトルコ人全体、そしてトルコ人ムスリムに対する嫌悪感情が、相当拡大しているようだ。

 フランスではイエロー・ベスト・デモが続いているが、ここでもフランス右翼の青年たちによる、ムスリム襲撃事件が起こる可能性が、高いのではないか。イエロー・ベス・トデモでは、高級店の襲撃破壊、そして強奪も起こっているのだ。

 今後、ヨーロッパでは各国で似通った事件が、起こる可能性があり、それは、アメリカでも同じではないのか。イスラム教徒キリスト教の対立という口実が、暴力に正当性を与え、拡大していくということか。

 問題はイスラム教国のトップたちが、ニュージーランド事件を非難し、イスラムホビアだと叫んでいることだ。その結果は、彼らによって宗教間対立の火に、油を注いでいるようなことではないのか。

 いまのところ、日本では宗教対立による、暴力事件は起こていない。それは幸いなことであろう。しかし、韓国との民族的嫌悪感情は、次第に拡大しているのではないか。これも十分用心が必要であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:14 | この記事のURL
NO:5478 3月17日『ニュージーランド・テロでトルコが震え上がる』 [2019年03月17日(Sun)]
ニュージーランドのクライスト・チャーチで起こった、二つのモスク襲撃事件は、大きなショックを世界中に、与えたことであろう。なかでも、その攻撃対象となったイスラム教徒たちは、自分のことと同じように、受け止めたのではないか。

一度に49人が殺され、48人が負傷したのだから、当然の反応と言えよう。実はこのイスラム教徒殺害テロ事件で、一番不安に陥っているのは、トルコ国民であり政府であろう。何故ならば、その襲撃犯ブレントン・タラントンはオーストラリア出身の、28才の若者だが、彼は過去に何度も、トルコを訪問していたのだ。

トルコに入国する際には、必ずパスポートのコピーが、空港で取られており、誰が何時入国したかは、調べればすぐ分かるようになっている。トルコのようなテロが、外国から侵入してくるケースの高い国では、たちまちにして洗い出される、ということであろう。

多分、事件が起こって間も無く、ニュージーランドの治安当局から、トルコ政府に対して、ブレントン・タラントンのパスポートを調べ、トルコへの入国が多いことから、連絡が入ったのであろう。

そして、その結果、トルコは間違いなくこの犯人が、自国に何度も入っていたことを、確認したのであろう。そうなると、まず考えることは、ブレントン・タラントンがトルコでのテロを起こすことを、計画していたということになろう。

歴史的に学問的な興味から、トルコを数度訪問する者はおろうが、観光だけではそうではあるまい。それ以外に、複数回訪問するのは、寒い地域の人達が、避寒目的の比較的長期滞在で、訪問するためであろうか。

トルコ政府とニュージーランド政府が、協力してこの事件を調べていると、ブレントン・タラントンは反イスラムの思想の持ち主であり、オスマン帝国(トルコ)が東ローマ帝国から奪った、現在のイスタンブール、コンスタンチノープルをキリスト教徒は奪還すべきだ、と主張しているのだ。

そればかりか、ヨーロッパのトルコ人に対しても、牙を向けていたということが分かった。その第一は、トルコ移住者の一番多いヨーロッパの国、ドイツでのトルコ人イスラム教徒を狙ったテロが、計画されていたのであろう。彼ブレントン・タラントンは『ヨーロッパに行ってトルコ・コミュニテイの住民を殺せ。」と主張しているのだ。

ブレントン・タラントンが残したマニフェストには『ヨーロッパで生活しているトルコ人を殺せ。ドイツ以外のヨーロッパに暮らす者も殺せ。』とはっきり書いてあるのだ。

彼ブレントン・タラントンは『トルコ人が平和に暮らせるのは、ボスポラス海峡の東側だけだ。』と主張し、『我々はコンスタンチノープル解放のためにトルコに行き、そこでイスタンブールの街の、全てのモスクとそれに付随する、ミナレット(尖塔)を破壊する。ハギア・ソフィア(東ローマ帝国時代のキリスト教会で、その後モスクに変えられていた。)は解放され、キリスト教徒の手に戻る。』という過激なものだ。

 加えて、彼のマニフェストには、エルドアン大統領も殺すべきだ、と書いてある。またNATOではなく、ヨーロッパ軍を創設すべきだ、とも彼は書いてあるのだ。

 ブレントン・タラントンが残したマニフェストは、78ページにも及ぶ長文であり、相当力を入れて、書かれたものであろう。いまの段階では彼のマニフェストが、世界中で読まれているということだ。なかでも、ヨーロッパの右翼的思想あるいは、民族的思想の若者の間では大歓迎され、彼らのバイブルのように、なっていくのではないか。

 そうなると、ブレントン・タラントンが今後裁判で有罪になっても、彼はヨーロッパやアメリカの右翼青年たちの、カリスマ的存在になっていこう。こうした人物が出てくるということは、まさに時代がそれを求めており、大衆のなかに受け入れる者たちが、多数いるからであろう。

 エルドアン大統領は弔問団を結成し、ニュージーランドに送り、世界のイスラム教徒たちには、対抗を呼びかけている。またこの事件は、イスラムホビア(イスラム嫌悪)と人種差別が、生み出したものだ、と非難している。
 なお、事件当時、車がブレントン・タラントンらを乗せ、襲撃後現場から逃走するように、用意されていたということだ。もし、クライスト・チャーチで逮捕されていなかったら、他のモスクも襲撃され、犠牲者の数は膨大なものになっていたろう。また、この車には多数に武器と弾薬が、詰まれてあったと報じられている。
Posted by 佐々木 良昭 at 01:11 | この記事のURL
NO:5477 3月16日 『ニュージーランドモスク攻撃は報復を世界中で生むか』 [2019年03月16日(Sat)]
ニュージーランドのクライスト・チャーチで、3月15日に起きた、モスク襲撃事件は50人ほどの死者を出す、大事件となった〈49人死亡48人負傷)。4人の若者が機関銃を持ってモスクには入り、銃撃したのだから犠牲が出たのは、当然の結果であったろう。(事件後1人は殺人罪の有罪で起訴、1人は無罪で釈放されている)
この事件は大きなショックを、世界中のイスラム教徒たちに、与えたものと思われる。それは単なる、ニュージーランドだけの問題ではない。アメリカでもヨーロッパでも、イスラム教徒たちは怒り心頭であろう。
世界中のイスラム教徒が、先進国であるヨーロッパ諸国やアメリカに入り、そこでよりよい生活を送りたいと考えているが、彼らに対する宗教的理由の嫌悪感情は、常にキリスト教徒住民との間に生まれ、小さな衝突を生み出しているのだ。
このため、ヨーロッパやアメリカでは、イスラム教徒たちによる抗議のデモや、暴力事件が起こってきたが、今回の事件はまさにいうところの、イスラムホビアであろう。イスラム教徒に対する嫌悪の感情が、爆発したということだ。
 この事件を痛ましいと思う反面、キリスト教徒たちの相当数が、ザマーミロと思っているのではないか、そうだとすれば極めて残念な、出来事だったということだ。(ドイツのナチによるユダヤ人に対する、ホロコースト事件へのヨーロッパ人の反応)
 世界のイスラム教徒のリーダーを自認する、トルコのエルドアン大統領は、早速、この事件はイスラムホビアだとして、世界のイスラム教徒に対し、対応すべきだと叫んだ。その感情は他のイスラム諸国の、リーダーたちも抱いていよう。
 つまり、今回のニュージーランドのクライスト・チャーチで起こった事件は、世界中のイスラム教徒に対して、暴力でキリスト教徒と衝突することへの、免罪符を与えたようなものではないのか。
 ヨーロッパやアメリカでは、銃の規制が緩いために、一般人が拳銃だけではなく、機関銃なども入手しやすい、状態になっているが、今後、こうした銃器が、大量殺人事件を起こす、原因になろう。
 アメリカでは銃による殺人が、キリスト教徒の間でも起こっているが、宗教的な違いを理由にし始めると、そこに殺人の正当性が、生まれてくる危険があろう。各国のリーダーたちはこの事件を、イスラムホビアにはするべきでなかろう。
 あくまでも、異常な若者たちの起こした事件、とすべきではないのか。しかし、他方では宗教間対話を、図ることも必要であろう。根本的な問題の解決は出来なくとも、このことによって、ある程度の効果は、解消できるのではないか。
  宗教的マイノリテイのユダヤ教徒たちは、今回の事件は『明日はわが身』と重く受け止め、警戒を強めている。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:31 | この記事のURL
NO:5476 3月15日『トルコとアメリカF35で問題継続』 [2019年03月15日(Fri)]
 最新戦闘機F35をめぐって、問題が続いている。簡単に言えば、トルコはすぐにでも受け取りたいと言い、一方、アメリカはいまの状態では売りたくない、と言っている。

F35は私に言わせれば欠陥機であり、日本のような高度な技術を持っている国が買えば、微調整出来て使えるものにできるが、その技術の無い国が購入すれば、墜落事故が多発することになろう。

トルコにはそれほどの技術があると思えないが、何としても買いたい、と言っているのだ。そこにはある理由がある。トルコは軍需産業を発展させ、将来の主力輸出品にしたい、と望んでいる。今回のF35の輸入をめぐっても、最終的にはアメリカとの共同で、自国内で生産したい、と望んでいるのだ。

 それは、F35の軍事機密がトルコ側に、渡ることであり、アメリカにしてみれば、とてものめる話ではあるまい。しかも、F35の取引にとって最大のネックは、トルコがロシアから最新のミサイルS400を、購入する方針であることだ。

 トルコがロシアからS400ミサイルを購入すれば、その操作やメンテナンスの指導に、ロシアから多数の専門家が、トルコに入ることになる。彼らは高度な軍事情報スパイにも、なりうるわけだ。アメリカがF35を売り渡せば。ロシアの軍事技術者がその軍事技術を、盗むことになろう。そんなことはアメリカには許せないので、問題が継続しているわけだ。

 ロシアのS400についても同じような条件が、トルコ側から要求されている。S400のトルコ国内での、共同生産が条件になっている。ロシア側はそれに反対していない。ロシアにしてみれば、技術が流出してもトルコの武器市場を、アメリカから奪えればいい、ということであろう。

 実際に、最近ではトルコとアメリカとの間に、多くの問題が発生しているため、トルコは次第にロシア寄りになっている。また、トルコがS400の輸入を発表した後、カタールやサウジアラビアも、続いて買いたい意向を示しており、トルコへのS400輸出は、大きな宣伝効果があったということだ。

 トルコはアメリカが11月までに、F35をトルコ側に引き渡す、と言っているがその確証は無いのではないか。エルドアン大統領はそのつじつまを、どうあわせるのであろうか。

 近く行われる選挙に先立ち、エルドアン大統領はなんでもいいから、出来るだけ政権に有利な情報を流したい、ということであろうか。。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:29 | この記事のURL
NO:5475 3月14日『トルコに嬉しいニュース二つ』 [2019年03月14日(Thu)]
:トルコがアルタイ戦車をカタールに輸出

いろいろな問題を抱える国は世界で多いが、そんな国でもたまにはいいニュースがある。今回のトルコのニュースは、まさにトルコ国民が喜ぶべき、ニュースであろう。

トルコの生産するアルタイ戦車が、カタールに100台輸出されることになった。この契約は以前に交わされたものだが、やっと納品が近く可能になった、ということだ。最初の納品は、40台だということだ。

このアルタイ戦車は、トルコの純国産であり、まさに国を挙げて誇るべきものであろう。それが100台も売れるというのだから、トルコ国民にとっては、喜びはひとしおであろう。戦車にはトルコの国産の、120ミリの砲が搭載され、それ以外にも、55ミリのカリバー・ガンが装備される。

しかも、このアルタイ戦車に搭載される、エンジンはこれもトルコの純国産であり、1500hp
のデイーゼル・エンジンだ。もちろん、アルタイ戦車はトルコ陸軍にも納入される。それは18か月以内であり、250台だということだ。

以前に何度か報告したが、トルコは武器生産と輸出に、力を入れているということだ。



:ヨーロッパとアジアをつなぐ鉄道完成

ヨーロッパ大陸とアジア大陸をつなぐ、鉄道が完成した。これはイスタンブールに近いヨーロッパ・サイドと、ウシュクダルのアジア・サイドをつなぐ鉄道だ。

ゲブゼとハルクをつなぐ新レールが出来たのだ。工事は6年間の長きにも及んだということだ。

完成の式典は3月12日に、イスタンブールで行われ、この式典にはエルドアン大統領も参加した。エルドアン大統領は最初の電車の、運転席に着きご満悦だったということだ。この式典には他のAKP議員も、参加している。まさに国を挙げてのお祝い、であったのであろう。

 ゲブゼとハルクの間は1時間55分でつなぐが、以前は1時間65分を要していた。つまり、10分短縮できたということだ。

 この列車は一日に75000人の旅客を運ぶことができる。なお、この鉄道の完成には14億ユーロの資金が、投入されたということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:17 | この記事のURL
NO:5474 3月13日『米はテロリストを中央アジア等に移動』 [2019年03月13日(Wed)]
イランのプレステレ・テレビが、興味深い記事を発信している。アメリカはイラク・シリア戦争が終えた後、IS(ISIL)などテロリストを、何処に移動させるかということを、書いているのだ。

その記事によると、アメリカはタクフィール(イスラム原理主義)テロリストたちを、アフガニスタンや中央アジア諸国、コーカサスに移動させるというのだ。アメリカがIS(ISIL)や、他のイスラム・テロリストを、中東に送り込み、そのことを口実に、アメリカは中東諸国への軍事進出の、正当化を図った。

 そしてアメリカ軍の存在は、自らを救世主だと主張した。事情を知る者には、お笑い話であろうが、アメリカは真面目な顔で、そう主張しているのだ。しかし、現実はそうは甘くなく、アメリカの作戦はイラクでもシリアでも、失敗に終わった。

 考えてみよう。テロリストは資金や武器を、何処から得ていたのか、ということを。我々は西側勢力が、中東に入ってくることを認めないし、それを救世主だとも考えない。

 だが、問題はテロリストがいまだに、中東地域に残存している、ということだ。彼らはいまだに問題を引き起こしている。しかし、その方法は変わっている。アメリカは別の手法で、中東を混乱に巻き込もう、と考えているのだ。

 アメリカはテロリストを中央アジア諸国や、コーカサス、バルカン諸国、そしてアフガニスタンに送り込んでいるのだ。こうしたアメリカの中東対応に対抗し、イランとイラクは協力して、この陰謀を覆そうとしている。貿易、経済、教育、そして高等教育面で、協力を推進するのだ。

 これがイランのプレス・テレビの報道の概要だが、中央アジアとは具体的に何処を指すのであろうか。中央アジア諸国からはウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタンなどから、多くの戦闘員が、家族連れで参戦していた。

 ウズベキスタンはガスの大産出国、カザフスタンはガスと石油の大産出国、そしてタジキスタンは、水力発電の国だ。しかも、タジキスタンのすぐ南には、アフガニスタンが隣接している。そしの後にはコーカサス、バルカンと続くのだ。

 何故ウズベキスタンやカザフスタン、タジキスタンがISなどの、ターゲットになるのかというと、これらの国からはシリアの内戦初頭から、多くの戦闘員が参戦していたからだ。アメリカは実戦に参加させることにより、テロ戦争を訓練させ、次いで、それらを中央アジアに送り帰す、という作戦なのだ。

 混乱が始まると、そこでは政府が非人道的な弾圧を、国民にかけている、国民は食糧難に苦しんでいる、という名目でアメリカ軍を送り込み、悲惨な状態をホワイト・ヘルメットなどを送り込み、化学兵器を使用させ、拡大していくということであろう。

 だが、この作戦は成功するのだろうか。中央アジアのすぐそばには、二つの大国が控えている。それはロシアであり中国なのだ。アメリカが少しでも、手法を間違えたり、過大な自己評価で始めれば、大敗北を期するのではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:00 | この記事のURL
NO:5473 3月12A日『ブーテフリカ最後の希望は夢か現実か』 [2019年03月12日(Tue)]
20年間アルジェリアの大統領についていた、ブーテフリカはいま最後の時を、迎えようとしている。彼は帰国したという情報と、まだ帰国していない、という情報とに揺れているが、彼の健康状態が、極めて良くないことは事実だ。

ブーテフリカ大統領は今回の大統領選挙に、立候補しないことを、宣言すると同時に、選挙そのものを実施しない、と語っている。

彼は人生最後というか、大統領職の最後に、国家に貢献したい、と望んでいる。古い法制度を改革し、アルジェリアを新生国家に創り変えたい、と望んでいる。そして、その新制度の新国家を、新世代に渡したいと望んでいる、ということだ。

この大改革を巡り、会議は2019年の終わりまで続き、その後には、新制度の下に、大統領選挙が実施される、という予定だ。

果たして、これはブーテフリカ大統領の本心なのか、単なる夢なのか、あるいは奸計なのか。私はこれはブーテフリカ大統領の、本心と信じたい。彼はアルジェリアの革命に参加した、愛国の闘士であり、その後、大統領に就任している、国内政治では確たる成果を、上げることが出来なかったようだ。

それは、アルジェリアだけの問題ではなく、アルジェリアを支配下に置こうとする、外国の関与にもよろう。例えば、フランスはアルジェリアの石油やガスを支配し、自国の国益に資したいと思っていたし、今回の反ブーテフリカ・デモでも、フランスは相当の神経を使っている。それは、アルジェリア国民のことを、心配してではなく、フランスの権益が守られるかどうか、ということによる。

私はブーテフリカ大統領の、最後の愛国心を信じてあげたい。最後は誰も、名誉ある舞台からの撤退を、望むのではないか。
Posted by 佐々木 良昭 at 12:16 | この記事のURL