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NO:5251  10月1日  トルコ貿易赤字減少の理由』 [2018年09月30日(Sun)]
トルコの貿易赤字が8月段階で、減少するという朗報が届いた。しかも、それが59パーセントというのだから、驚きではないか。これはトルコ政府の正式なカントリー・リスクのレポートであり、信頼に値しよう。

その報告によれば、今年8月段階の貿易赤字の減少は、59パーセントであり、輸入は22.7パーセント減少し、148億ドルになったということだ。他方、輸出は6.5パーセント減少し、124億ドルになっているということだ。このため貿易赤字は、59億ドルから24億ドルに下がったということだ。

輸出内容はといえば、ドイツに対しては11.2億ドル、イギリス9億ドル、イラク6.48億ドル、アメリカ6.37億ドルとなっている。

輸入については、ロシアからの輸入が15.5億ドル、中国からの輸入は14.4億ドル、ドイツからの輸入は12.7億ドル、アメリカからの輸入は9.2億ドルとなっている。

今回のトルコの貿易収支の改善(?)は、トルコ政府の政策や、技術的な貿易収支改善努力の結果ではなく、実は輸入が減少したからであった、ということだ。それだけトルコ国内の景気は悪化しているということであり、欧米の贅沢品の輸入が、動かなくなったということだ。

 トルコは外国からの借入金で、派手なメガ・プロジェクトを進めてきていたが、ここに来てメガ・プロジェクトも、しぼみ始めているし、大型プロジェクトは工事 半ばで、中止しなければならなくなるのではないか、という懸念も出ている。

 民間でも各企業の借金による規模拡大が、行われてきたが、返済金額がどんどん増え、どうして返せばいいか、分からなくなっている、ということだ。そこにリラの暴落が起こり、外貨での返済では、返済金額が40パーセント程度。増えているのだからたまるまい。このためトルコ政府は、民間企業を支援するために、特別の資金貸し出しを、始めている。

 トルコの実情はあまり表には出ていないが、トルコ国内では倒産企業が、多くなっているということだ、しかもそれは大手から中小企業まで、広がっているということだ。高金利のトルコに、外国が資金を貸し付けることは、利益が生まれるわけであり、トルコ企業への貸付も安易に、行われてきていたということだ。

 そうしたことがあるため、最近ではヨーロッパ諸国がトルコ経済の崩壊を強く懸念するようになった。巨額のヨーロッパのトルコ官民への貸付が、返済不能になれば、ヨーロッパ各国政府と企業が、窮地に陥る危険性があるからだ。

 ヨーロッパ諸国のトルコに対する強い関心と懸念は、トルコからのシリア難民の、流入問題だけではないのだ。エルドアン大統領は国連総会の後、ドイツを訪問しメルケル首相と話し合っている。2人が仲良く話し合っていることに、ドイツの大統領は不快感を抱いたのであろう、『彼を受け入れたことは、トルコとの関係が、改善したということではない。』といった嫌味な発言をしている。

 トルコが抱えるインフレ、リラの下落、失業率の上昇、物価高といった経済リスクが、今後のトルコの政治にどう影響するかが、焦点であろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:36 | この記事のURL
NO:5250  9月30日『ポンペオがアラブ8カ国の首脳と国連で会談』 [2018年09月29日(Sat)]
アメリカのトランプ大統領が国連総会で、喜劇役者を演じている裏で、アメリカの国務長官ポンペオ氏が、国連総会に参加した、アラブの8首脳と会談している。この会合の目的は、イランをどう追い込むか、ということであったようだ。

トランプ大統領は今回の国連での演説で、自慢話以外には、イランを世界が協力して追い込もう、ということであった。それだけに、アメリカの政府高官たちは、それぞれの立場でトランプ大統領の、意向にそう行動をしていた、ということであろう。

アメリカはこれまで、アラブ湾岸諸国に対して、イランの危険性を説得していたし、そのアラブを実質的に、軍事的サポートをしている、エジプトに対しても、そうであった。ヨルダンはサウジアラビアがほとんど、丸がかえにしているような国であり、サウジアラビアに何かがあれば、直接的に影響をこうむることになる。

そうしたことから、ポンペオ氏との会合には、バハレーン、エジプト、ヨルダン、サウジアラビア、オマーン、クウエイト、カタール、アラブ首長国連邦が応じている。

そこで合意されたのは、アメリカや地域各国に対する、イランからの直接的脅威に、いかに対応するか、ということであった。

その会合の結論は、中東戦略協力組織の結成であり、これはGCC(アラブ湾岸諸国会議)が中心となるというものである。この中東戦略協力組織は、今後参加各国の間で、安定と発展、治安などの協力を、進めていくということだ。

この中東戦略協力組織に参加した各国は、正面切ってイランに対抗する立場を、明らかにしたということであり、今後、イラン側はこの組織への参加各国に、種々の敵対工作を取り始めるであろう。

湾岸諸国に対しては、テロ活動、反政府組織への支援など、各種の工作が始まろう。そうした不安から、アラブ湾岸諸国を守ってくれるのは、アメリカの情報機関だ、ということになろうから、アラブ湾岸諸国とアメリカのCIAとの、協力関係は拡大していこう。

また、エジプトについてはイスラエルとの、協力調整の主役を、演じることになろう。エジプトはイスラエルと正式な、外交関係を持つ国家であり、イスラエルとの調整については、誰も文句が言えまい。そして、この中東戦略協力組織は、アメリカとイスラエルが支える、ということは明白だ。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:44 | この記事のURL
NO:5249 9月29日 『国連加盟諸国の米離れ』 [2018年09月28日(Fri)]
国連総会が開催され、世界中の首脳が一堂に会した。それは結構なことなのだが、今回の国連総会は何の成果を、生んだのであろうか。イラン問題が重要テーマの一つであり、それに次いでパレスチナ問題、北朝鮮問題が、重要テーマであった。

イラン問題ではトランプ大統領が、二度も登壇して大見得を切ったつもりのようだが、会場からは彼の演説を聞いて、笑いだす者が少なくなかったようだ。

トランプ大統領は退屈な国連総会に、喜劇タレントとして呼ばれたのであろうか。彼は『俺は短期間で大成果を上げた。』と言ったらしいが、誰も彼がしかるべき意味のある成果を、上げたとは受け止めていない。

トランプ大統領が大統領就任以来、やったことは何かといえば、彼の気に食わない国を脅しまくり、戦争委も辞さずという姿勢を示し、話し合いに引きずり出し、何の成果も挙げずに終わっているだけではないのか。


北朝鮮との交渉はその典型であろう。これではいかんということで、スタッフが取り繕おうとするのだが、北朝鮮政府はアメリカ政府の甘さを見抜き、一向に言うことを聞く気配はない。これはトランプ大統領の大成果の一つなのだ。

イランとの関係でもしかりであり、世界のマスコミは北朝鮮の後に、アメリカのトランプ大統領が追い込むのは、イランであろうと予測しているが、北朝鮮同様恫喝はしても、何も生み出すまい。

『世界的に話題の国の大統領達と俺はあったぞ。』というだけの言ってみれば、タレントの追っかけみたいなものでしかあるまい。イラン政府はそうしたバカげたトランプ大統領の癖をよくわかっている。

イランのロウハーニ大統領は国連総会でも、トランプ大統領に会おうとはしなかったし、軍事的な脅しに対してもせせら笑っていた。いまのアメリカの軍事力では死を覚悟する軍隊とは、戦えないということだ。

結局、アメリカ政府がやれるこはと言えば、経済制裁で相手国の通貨を弱体化させ、その国の内部で反政府運動が燃え上がって、体制が打倒されるということでしかないのではないか。

アメリカは甘く見られたものだ。金で追い込んだパレスチナ政府も同様に、アメリカをバカにしている。エルサレムをイスラエルの首都だと言い、一国でも二国でもいい、俺はどっちがいいかわからない式の、トランプ大統領の仲介など、全く信用していないのだ。

国連の加盟国は160か国を超える、第三世界の加盟国が大半であり、それらの国はみなアメリカに不満を抱いている。今後アメリカがどう脅してみても、援助をちらつかせてみても、もう言うことを聞くまい。アメリカの覇権の時代はすでに終わっているのだ。

 結局こうした状態にアメリカを、国際社会の中で置いたのは、彼が大国の大統領には、ふさわしくない3流の喜劇タレントだった、ということであり、品性があまりにも無さ過ぎた、ということであろう。アメリカ国民に心から同情する。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:16 | この記事のURL
NO:5248 9月28日トルコ軍ユーフラテス川東に進出する重大性』 [2018年09月26日(Wed)]
トルコ政府は軍を、シリアのユーフラテス川の、東側に進出させる、と発表した。これはとんでもない話なのだ。表向きはシリア国民の安全地帯を、ユーフラテス川の東岸にも設けることにより、シリア国内を安定化させる、というものだ。

その進軍範囲は相当な規模に渡りそうだ。アルバーブ、ジャラブルス、ダビーク、アッラーイ、アッザーズなどだ。加えてマンビジュ、ハサカ、ラッカ、タルアビヤド、コバネだ。

つまり、シリア北部と東部の相当部分を、カバーしているのだ。そのトルコ軍進出の目的は、エルドアン大統領が述べているように、シリア国民の安全圏を拡大することもあるだろうが、この地域は実は石油産出地域なのだ。アメリカがユーフラテス川の東岸で頑張っているのも、やはりシリアの石油を狙っているからなのだ。

トルコ軍がアメリカ軍の陣取る、ユーフラテス川の東岸に出て行くということは、場合によっては武力衝突が、トルコ軍とアメリカ軍との間で、起こることも想定しなければなるまい。

トルコはそれを抑えるためであろうか。ユーフラテス川の東岸にいるのは、YPGだと主張し、YPG
はトルコの安全をおびやかす存在であり、打倒しなければならない、と主張している。

トルコはこの作戦を実施するにあたり、自軍はもとよりのことだが、友軍であるシリアのFSA
と連携するつもりだ。それがトルコ軍の行動を正当化する、と考えているのであろう。

トルコ政府がここまで、アメリカに対しても強気で出るということは、トルコの背後にロシア軍が、存在するからであろうか。それにしても、やり方は極めて乱暴、と言わざるを得まい。

こうしたトルコ政府の動きは、トルコ
は、アメリカとの関係が、すこぶる悪くなっている、という判断からではないだろうか。トルコはアメリカとの距離を開いていき、将来はロシアと組もう、と考えているのかもしれない。

いまの時代は合従連衡の時代であり、今日の友人は明日には、敵になって当たり前なのであろう。その辺を、アメリカが世界は自分の支配下だ、と考えているとすれば愚かの限りであろう。

世界は時々刻々と変化しており、対外関係は常に流動的だということだ。アメリカとヨーロッパ諸国が一体となって、NATO
を結成し、ロシアと対峙していた時代は、終わりを告げるのではないか。

その走りはトルコのNATO
離脱であり、独仏とアメリカとの対立が、鮮明化していくことであろう。その兆候の一つが、イランとの経済関係重視を、鮮明に打ち出したヨーロッパ諸国と、イランをあくまでも敵対視する、アメリカの違いであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:47 | この記事のURL
NO:5247 9月27日『アメリカのイラン追い込みは失敗』 [2018年09月26日(Wed)]
アメリカのトランプ大統領は、イランの石油を買わないよう、世界に働きかけ、各種の制裁も決めていた。その結果、イランが経済的に追い込まれれば、最後にはアメリカに対して、イランが白旗を上げる、と考えていたようだ。

しかし、意外な伏兵がいた。それはヨーロッパ諸国だった。大産油国であるイランは、外国に持っている石油代金の凍結分が、相当あり金には困らない国だが、それが使えない状態にあるだけだ。

加えて、イランはアメリカによる長い経済制裁のために、インフラはボロボロになってもいる。航空機、車両、発電所に石油施設など、イランには修理したり新規にやりたい工事が、山積しているのだ。

まさに、イランは世界の先進国にしてみれば、宝の山であろう。その宝の山に食いつき始めたのが、ヨーロッパ諸国であり、ヨーロッパ諸国はイランとの貿易を、活性化するために新たな資金の流れを、作るということになった。この機関が出来上がれば、ヨーロッパ諸国は何の抵抗も、アメリカの邪魔も無く、イランと取引できるようになるだの。

加えて、この新たな機関にはヨーロッパ諸国だけではなく、他の国々も参加することが出来る、ということなので、アメリカのイラン経済締め付けは、ほぼ完全に失敗に終わった、ということであろう。

石油の輸出阻止も結局は、ロシアや中国、インドといった大消費諸国が、自国通貨での取引を進め、『イランの石油を一滴たりとも外国に買わせない。』というトランプ大統領の考えは、失敗に終わっている。

何故、トランプ大統領は完全な失敗を、してしまったのであろうか。それはあまりにも、自分勝手なやり方であり、世界を力で抑え込もうとする、考えだからであろう。フランスのマクロン大統領は、ヨーロッパ諸国を代表して、アメリカに反旗を翻している。

アメリカはシリアでも敗北した。もう、シリアにアメリカが介入する余地は、極めて限られた範囲に、なったのではないのか。アメリカが支援していたIS(ISIL)
は、シリア軍やイランの革命防衛隊などに追い込まれ、アメリカ軍のヘリで逃げだす始末だ.既に、アフガニスタンに移送されたIS(ISIL)のメンバーは、
2500人を超えている、という情報もある。

結果的に、中東はロシアとイランの勝利に終わり、その恩恵に浴するのはヨーロッパ諸国、ということになりそうだ。トランプ大統領は11
月に中間選挙を控え、どうその穴埋めをするのであろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:59 | この記事のURL
NO:5246 9月26日『ロシアが始めた中東総支配への一歩』 [2018年09月25日(Tue)]
ロシアのプーチン大統領は、シリアにおける自国の関与が、大きな成果を挙げたことを踏まえ、思い切った新方針を、打ち出し始めているのかもしれない。ロシアは東地中海とシリアの領空を、すべて電子管理することを決めたのだ。

このシステムが作動し始めると、この領域を飛ぶ航空機の、衛星ナビゲーションは使えなくなり、機内に積まれたレーダーや、通信システムも、作動不可能となるということだ。それはロシア軍の電子対抗機能が、非常に高いレベルであることから、疑う余地もあるまい。

加えて、ロシア政府はシリアに対して、S300ミサイルを今後2週間以内に、引き渡すと発表した。このS300ミサイルが、シリアの手に渡れば、シリアの空域に外国のミサイルや、戦闘機が侵入すれば、たちまちにして、撃墜されることになろう。


この二つのシステムが稼働し始めれば、たとえアメリカと言えども、容易にシリアやロシアに手をだすわけには、いかなくなるということだ。もちろん、イスラエルもしかりであろう。

そこで問題になるのは、シリアやロシアと良好な関係にある、レバノンのヘズブラやイランの革命防衛隊は、この新システムによって妨害、阻止されるとは限らないという点だ。ヘズブラと革命防衛隊は、我が物顔で行動できるように、なるのではないのか。

そうなれば、このシステムの導入はイスラエルにとって、極めて危険な状況を生み出す、ということになる。しかも、イスラエルと国境を接する、シリアの南部には相当数の革命防衛隊員や、ヘズブラのメンバーがおり、彼らはミサイルを所有しているのだ。

その危険な状態にあるイスラエルを、アメリカが守ろうとして、地中海海域で動き出せば、ロシアはそれを阻止する動き、出る可能性があろう。アメリカとて手無益な戦闘を、ロシアと始めるつもりはなかろう。

もちろん、アメリカ政府の内部の一部には、第三次世界大戦を期待するグループが存在する、とも伝えられているが、それは実際には動き出さないのではないのか。そうなると、いま一番震え上がっているの、イスラエルであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:20 | この記事のURL
NO:5245  9月25日  『ISの役割はほぼ終わりか投降と移動が目立つ』 [2018年09月24日(Mon)]
シリアやイラクで大躍進したIS(ISIL)の存在が、次第に薄れてきている。既にイラキャシリアの多くの支配地は放棄し、居場所に事欠く始末のようだ。彼らはシリアの北部や東部の川岸のエリアに移送されている。

シリア北部はトルコへの逃亡経路であり、シリアのユーフラテス川の東側は、アメリカ軍の支配地になっているからだ。アメリカ軍がここで頑張っているのは、デルズール界隈のシリアの石油を、狙ってのことであろう。

そこにIS(ISIL)のメンバーを集め、アメリカのシリアに於ける石油支配を、継続させる戦闘に参加させるのでろうか。また、IS(ISIL)はアフガニスタンにも、相当移送されたようだ。最近では、シリアやイラクでの戦果よりも、アフガニスタンでの活動が目立っている。

IS(ISIL)はリビアでも活動してはいるが、いまひとつ精彩が無い。それはリビアのミリシア・グループが、幾つにも分かれており、戦闘を展開しているために、しかるべきグル−プと手を組むことによって、大戦団を組むことが出来ないからかもしれない。また、リビアには米仏英伊などの介入も、目立ってきているからであろうか。

シリアではIS(ISIL)がイラク国境へ、移動したという情報があるが、これは先に述べた通りの、結果であろう。シリアではイギリス人の薬剤師が、IS(ISIL)側の医師として4年働いていたが、最近になって投降している。これはIS(ISIL)のシリアに於ける将来が、希望の無いものになってきているからであろう。

IS(ISIL)がイランのアフワーズで開催された、戦勝記念式典のパレードに攻撃を加えた、という犯行声明を出したが、これはどう考えても、IS(ISIL)によるものだったとは思えない。単に宣伝のためであり、それ以外の何物でもあるまい。

シリアからIS(ISIL)の幹部が、アメリカ軍のヘリで他の場所に移送された、という情報も流れた。それは事実であろう。IS(ISIL)のシリアでの敗色が濃くなり、無駄な犠牲は避けたい、しかも、これまで育ててきたIS(ISIL)の幹部を、死なせるわけには行かない、ということであろう。

同じ時期に、バグダーデイの健康がすこぶる悪化し、既に指揮を取れる状態にはないことから、後継のIS(ISIL)リーダーの人事が、話題になっている。しかし、これはIS(ISIL)に関するニュースを、繋ぎ止めるためのものであり、バグダーデイが死に体
(死亡?)にあることは、以前から言われていることであり、何の新味も無い話だ。

IS(ISIL)もタレントのようなものであり、話題が豊富なほど支援者からの寄付も、集まるのであろう。そのための宣伝作戦に、一喜一憂することはあるまい。中東でのテロの主役の座からIS(ISIL)は降りたのであろうか。その次にどんな組織が登場するのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:03 | この記事のURL
訂正加筆版 [2018年09月23日(Sun)]
NO:5244 9月24日 中東TODAY
『イラン・アフワーズ軍事パレード襲撃される』
イランとイラクの国境に近い、イランの南西部に、フーゼスタン州にアフワーズ市というところがあるが、ここはイランの石油地帯のひとつだ。フ−ゼスタン州の全体がそうなのだが、アフワーズ市の住民のほとんどは、スンニー派でありアラブ人だ。
住民のほとんどは石油産業に従事している。このことから、サダム・フセイン大統領はイランとの間で起こった、1980年〜1988年のイランとイラクの戦争(イラン・イラク戦争)で、『フーゼスタンのアラブ人を、イランから解放す。』と叫んだのだ。
この戦争以来、イラン政府によって、フーゼスタン州のアラブ住民200万人は、敵性住民として差別され、監視下に置かれてきていたことを意味する。フーゼスタンの州都アフワーズ市では、最近でも水不足や物資不足、イラン通貨の大幅な下落で、抗議デモが起こっていたし、それに対するイラン政府の弾圧対応が、外部にも報じられていた。
そのアフワーズ市で土曜日に行われた、イラン・イラク戦争勝利記念の、軍事パレードに対し、4人のガンマンが銃撃を加え、イラン人の死者は民間人を含め24人にのぼり、負傷者は60人に達した。
誰がこの襲撃犯なのか、ということについては諸説ある。『アフワーズ国民抵抗運動』という組織が名乗りを上げたようだ。また、IS(ISIL)
が犯行声明を出し、死者は24人ではなく29人だと訂正した。これはトルコのフッリエト紙が報じたものだ。同紙はどちらかといえば、中立的な立場で報道している、信頼性の高い新聞だ。
他方、襲撃犯側はと言うと、オートバイに乗ってやってきた襲撃犯は4人であり、そのうち3人が現場で射殺され、1人は重傷を負った後、逮捕されたということのようだ。従って、逮捕された人物を取り調べれば、犯行組織が何処なのかは、近く明らかになろうと見られていたが、しかし、事件後間も無く、この重傷を負ったテロリストは、死亡したようだ。
イラン政府は最初の段階では、実行犯はIS(ISIL)のメンバーではないか、と考えていたようだが、イランではそれ以外にも犯行に及ぶ可能性のある組織は少なくない。イランに敵対的な組織としてはクルド、バルーチ、トルコマン、アラブ・イラン人などの組織が上げられる。
クルドからはMKO(ムジャーヒデーン・ハルク)やKDPI,HDKA,PAJKが上げられようし、シスタン・バルチスタン州のバルーチのパキスタンからの独立闘争組織(ジュンドッラー=アッラーの兵士)とは、パキスタンとの国境地帯で、イラン軍と何度も戦闘を展開してきている。この組織はアメリカ、イスラエル、イギリスの情報部から、援助を受けている模様だ。
アラブ・イラン人とは、アフワ−ズのアラブ・オリジンの住民のことだ。いずれにしろ、イラン政府はサウジアラビアやアラブ首長国連邦、そしてアメリカのCIAが関与している、と見ているようだ。そしてイスラエルのモサドの名も上げている。
トルコマンはイラン北部の住民だ、彼らは現在のトルクメニスタン共和国から、大分前にイランへ移住していたか、もともと定住していた人達だ。これら以外にも、アゼルバイジャン人のイランからの、分離独立を標榜する、地下組織も存在しているのだ。イラン人の4分の一が、アゼルバイジャン人だと見られているので、この組織も無視できまい。
これだけ多くの異民族と、反政府組織が存在するということは、イランが歴史的に繁栄したからであろう。そのために周辺の異民族が入り、定住して今日に至るということであろう。それは陸続きの国家の弱点であり、利点でもあろう。
今回の襲撃事件ではもう一つ、興味深い組織名が出てきている。それはイラン政府が明らかにした、『アルアフワーズエ』という組織であり、名前から分かるように、彼らの組織はイラン南西部の、アフワーズの住民によって、組織されたものであろう。イラン政府はサウジアラビア政府がこの組織を、支援していると見ている。
述べるまでも無く、イランとサウジアラビアとの関係は、現在、極めて緊張した状態にあり、まさに一触即発状態にあるわけだから、サウジアラビアが支援する組織によって、今回のようなテロが起こっても、何の不思議もあるまい。
イラン政府は時間が経過するに従い、外国の関与から、サウジアラビアの関与に、傾いてきているのではないだろうか。イラン政府のザリーフ外相は『外国が支援し、資金を与え、武器を与え、サウジアラビアとアラブ首長国連邦で、軍事訓練を施した。』と発表している。
サウジアラビアがテロ事件の背後にいることが、明らかになれば、イランはサウジアラビアに対する、報復を考えよう。それがホルムズ海峡の封鎖に繋がるのか(最近行われたペルシャ湾での、イラン軍の訓練には、600艘の漁船レベルを含む艦船が集結したということだ)。
イランが考えておるのは、あるいはサウジアラビア領土への、直接的な軍事攻撃なのか、またその攻撃は、サウジアラビアの軍事基地が対象になるのか、石油施設になるのか、首都リヤドになるのかは分からない。
いずれにしろ、今回の襲撃事件をきっかけに、イランとサウジアラビアとは、極めて危険な状況に入ってきている、ということであろう。その流れの中で、今回のテロ事件発生は、革命防衛隊の影響力を、国内外で増して行くものと思われ、イラン国内では強硬な意見が、主流となって行こう。
Posted by 佐々木 良昭 at 17:16 | この記事のURL
NO:5244  9月24日  『イラン・アフワーズ軍事パレード襲撃される』 [2018年09月23日(Sun)]
イランとイラクの国境に近い、イランの南西部に、アフワーズというところがある。そこの住民のほとんどは、スンニー派でありアラブ人だ。このことから、サダム・フセイン大統領はイランとの間で起こった、1980年代の戦争で、『アフワーズのアラブ人をイランから解放す。』と叫んだのだ。

その事はイラン政府によって、アフワーズの住民が差別され、監視下に置かれてきていたことを意味する。最近でも水不足や物資不足で、抗議デモが起こっていたし、それに対するイラン政府の弾圧対応が、外部に報じられていた。

そのアフワーズで土曜日に行われた、イラン・イラク戦争勝利記念の、軍のパレードに対し、4人のガンマンが銃撃を加え、イラン人の死者は民間人を含め24人にのぼり、負傷者は60人に達した。

誰がこの襲撃犯なのか、ということについては諸説ある。まずはIS(ISIL)が犯行声明を発表し、死者は24人ではなく29人だと発表した。これはトルコのフッリエト紙が報じたものだ。同紙はどちらかといえば、中立的な立場を採っている。

他方、襲撃犯側はと言うと、襲撃犯は4人であり、そのうち3人が現場で射殺され、1人は重傷を負い、逮捕されたということのようだ。従って、逮捕された人物を取り調べれば、犯行組織が何処なのかは、近く明らかになろう。

イラン政府は現段階では、実行犯はIS(ISIL)のメンバーではないか、と考えているようだが、それ以外にも犯行に及ぶ可能性のある組織は少なくない。イランに敵対的な組織としてはクルド、バルーチ、トルコマン、アラブ・イラン人などが上げられる。

クルドからはMKOが上げられようし、バルーチとはパキスタンとの国境地帯で、戦闘を何度も展開してきている。アラブ・イラン人とは、アフワ−ズの住民のことだ。トルコマンはイラン北部の住民であろう。

もう一つ興味深い組織名が出てきている。それはイラン政府が明らかにした、『アルアフワーズエ』という組織であり、名前から分かるように、彼らはイラン南西部アフワーズの住民によって、組織されたものであろう。イラン政府はこの組織を、サウジアラビアによって支援されている、と見ている。

述べるまでも無く、イランとサウジアラビアとの関係は、極めて緊張した状態にあり、まさに一触即発状態にあるわけだから、今回のようなテロが起こっても、何の不思議もあるまい。イラン政府は時間が経過するに従い、外国の関与から、サウジアラビアの関与に、傾いてきているのではないだろうか。

サウジアラビアがテロ事件の背後に、いることが明らかになれば、イランはサウジアライアに対する、報復を考えよう。それがホルムズ海峡の封鎖に繋がるのか、あるいはサウジアラビアへの軍事攻撃なのか、またその攻撃は、軍事基地が対象になるのか、石油施設になるのか。

いずれにしろ、極めて危険な状況になってきている、ということであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:12 | この記事のURL
NO:5243  9月23日  『アメリカが露S400買うなと各国に圧力』 [2018年09月22日(Sat)]
  アメリカの主要産業は、兵器輸出であることは、世界の知るところだが、このところアメリカのトランプ発言は、限度を超えているとしか思えない。中国がロシアからS400を、輸入しようとする動きに対して、圧力を掛け、阻止しよとしているのだ。

  これはさすがに、ロシアと中国を激怒させているようで、ロシアは『これは危険な火遊びだ。』とアメリカを非難している。アメリカにはロシアと中国の、兵器取引で口を挟む、何の権利があるというのであろうか。他方、アメリカは日本を始め、世界中の国々に対して、兵器を押し売りしているのだ。

  アメリカは『アメリカ製の兵器は平和を実現する、天使のようなものであり、ロシア製兵器は悪魔だ。』とでも言うつもりなのであろうか。アメリカはかつて、徹底打倒を口にしていた、アルカーイダのテロリストを、『穏健ジハーデスト』と呼び、今では支援しているのだ。

  シリアでの戦争で、ロシアは理性的に、しかも誠実に、問題解決に努力してきた。そこでロシアが使った兵器は、国際的に認められることとなり、トルコが第一番に、ロシア製S400ミサイルの、購入交渉を始めた。

  この動きに追従したのは、アラブ湾岸のカタールであり、サウジも触手を伸ばしている。そしてイランも、然りのようだ。またインドは本格的に、購入交渉を始めているようだ。これではアメリカの兵器の市場が、侵されるということであろうか。

 アメリカはトルコに対して、猛烈にS400ミサイルの輸入を、阻止しようと圧力を掛け、中国に対しても、ロシアの戦闘機やS400を買うな、と圧力を掛け、インドに対しても購入を止めろ、と圧力を掛けている。

 アメリカはどのような理屈で、自国の兵器輸出を正当とし、ロシアの兵器輸出はだめだ、というのであろうか。こんな理屈に合わない話しをしていると、世界はアメリカに対する信頼を、どんどん下げて行き、アメリカは国際社会の中で、孤立することになるのではないのか。

 そうした取引の中で、アメリカは中古の艦船を、日本に買えと言ってきているそうだ。日本の造船技術は、世界的にも高い評価をされている。しかも、いま日本の造船業界は、不景気であり、国内使用は何としても、受注したいということであろう。

 安部総理はいい人お兄さんで、トランプのこの人を馬鹿にした申し出を、受けるのであろうか。アメリカのドラえもんのポケットになった、日本の将来はどうなるのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:39 | この記事のURL
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