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bU106 10月13日『アメリカがシリアで堂々と石油泥棒』 [2020年10月13日(Tue)]
アメリカがシリアで石油泥棒を、堂々とやっている、というニュースが何度か出たが、さすがにあきれるしかない。何せトランプ大統領の命令に基づくのだから、国家犯罪のレベルであろう。

今回のニュースは、アメリカ軍護衛の下に、30台のタンクローリー車が、シリアのハサカ地区から石油を積んで、イラクに抜けたというのだ。そればかりか、アメリカ軍は武器やその他の軍需物資を、同地域に運び込んでいるということだ。

これらの武器類はクルド・ミリシアのSDFに提供され、彼らはシリア石油の盗掘を、コントロールしているということだ。その事について、アメリカ軍は安全を確保し、IS(ISIL)の攻撃から防ぐ目的だ、と説明している。

トランプ大統領はシリアから、石油を盗み出すことで、経済的利益を得るつもりなのだ。もちろん、今後もこの石油地域を、コントロールし続けることになろう。彼はアメリカ軍が撤退したら、石油会社にその後を任せ、同地域はアメリカがコントロールする、と言っている。つまり、そこはアメリカの植民地区域に、なったということだ。

シリアは2011年に内戦が始まる前までは、一日当たり38万バーレルの石油を、同地域で生産していた。それをいまでは、クルド・ミリシア(SDF)
を使って、アメリカの石油会社が全て持ち出している、ということだ。

クルド・ミリシアを使い、アメリカはIS(ISIL)の危険性を、世界に訴えることにより、シリアの石油を盗むことに、合法的理由を付けることが出来る、と思っているのだろうか。シリア国民はいま食料や、その他の生活需品を、輸入できず苦しい生活を、強いられているにも関わらずだ。

しかし、このことについてアメリカを非難する意見は、何処からも出ていない。IS(ISIL)という一言が、全てに免罪符を与えてしまっているのだ。もちろん、日本も何も発言していない。あるいは外務省はその事実を知らないか、知らないことにしているのであろう。

このような強盗以上の行為を、国家がやる時代に、いま世界はいるのだ。以前、『ジャングルの掟』という言葉が一部で流行ったが、弱肉強食の論理がまかり通れば、まさにその通りであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 08:26 | この記事のURL
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