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bU036 8月5日『シリアの石油盗掘をめぐる二つの反応』 [2020年08月05日(Wed)]
シリアのユーフラテス川東岸は、石油の産油地として知られているが、アメリカ軍がシリアに侵攻して以来、アメリカ軍がこの石油を盗掘している。その結果は延べるまでも無く、シリアには石油収入が無くなった、ということだ。

それをトランプ大統領はシリアに対する、経済制裁だと言うのであろうが、どう考えても泥棒以外の、何物でもあるまい。最近この石油をめぐって、二つの反応が起こっている。第一はイランからのもので、アメリカがシリアの石油をクルド・ミリシア(SDF)に対し、一部分け与えている、というにユースだ。

しかし、イランが言うにはこのことによって、クルド・ミリシア(SDF)が石油代金の一部を受け取っても、クルド・ミリシア(SDF)には何の利益にもならないということだ。それはそうであろう。これまではアメリカ側から、現金や武器を受け取っていたのであろうが、これからはその石油代金でカバーしろ、という話になろうからだ。

しかも、クルド・ミリシア(SDF)側はアメリカの石油会社の、コントロールの下で石油を販売していくわけだから、そうメリットはあるまい。何かに付けてアメリカのせこさを、感じてしまう動きだ。

このシリアの石油盗掘について、トルコが不思議な動きを始めている。トルコは盟友であるアメリカを真正面から非難し、アメリカはシリアの石油を盗掘すべきではない、と言いシリア政府の肩を、持つようになったのだ。。これまではシリアはトルコにとって、第一の敵国であったことを考えると、不思議としか言いようが無いのだが。

これはトルコとシリアとの間で、何らかの秘密の合意が生まれてのことであろう。確かに、シリアの石油がクルド・ミリシア(SDF)の手に渡れば、一見、クルド・ミリシア(SDF)は資金的に豊かになり、そのことはトルコにとって、極めて危険な動き、ということになろう。

このアメリカとクルド・ミリシア(SDF)との合意は、これまであったシリア政府とクルド・ミリシア(SDF)との密約(将来的な自治権)
の話が、立ち消えになるということになろうし、トルコ側にしてみれば、クルド・ミリシア(SDF)の資金が潤沢になり、対応がますます困難になろ、ということだ。

イラン政府はクルド.ミリシア(SDF)に警告を発して,アメリカは信用するなということにより、シリア国内でのクルド.
ミリシア(SDF)とアメリカ軍の協力体制を、切り崩す作戦であろうし、トルコはシリアを抱き込むことによって、クルド・ミリシアを追い込む作戦なのであろう。

中東情勢ではどの国とどの国が信頼関係にあるか、といったことは空絵事でしかないということだ。その時々の情況によって、国家間や国家とミリシアの関係は、簡単に変更されてしまうということだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 07:48 | この記事のURL
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