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5929 5月15日『イランの海軍同士討ちの謎』 [2020年05月15日(Fri)]
数日前、オマーン湾の近くでイラン海軍が同士討ちとなり、結果的に19人の軍人が犠牲になった、という情報が流れた。その後、イラン政府は、これはあくまでも事故であり、外国の工作あるいは介入によるものではない、と説明している。

しかし、当然のことながら、この事故は外国の陰謀によるものだろうとする説や、イラン軍内部の対立の結果だった、という分析や、アメリカがイランのミサイルを、誤操作するように工作した結果だ、といった推測が流れている。

簡単に考えれば、これは外国による陰謀の結果だった、と説明するほうが、イラン政府にとっては好都合なように、思えるのだが、何故イラン政府は陰謀説を、早急にしかも全面的に、否定したのであろうか。


そこにはやはり事故をめぐって、イラン内部の事情が、あったように思える。ミサイルが飛翔し、しかるべきターゲットを攻撃するには、そのターゲットと、ターゲットの位置をミサイルに、入力する必要があろう。そうでなければ、ミサイルはとんでもない方向に、飛んでいってしまうからだ。

もうひとつは、このミサイルを発射するために、スイッチを押した人物がいた、ということだ。スイッチを入れる者がいなかったら、ミサイルは飛び出すまい。つまり事故は人為的に、何者かが意図的に、ミサイルを飛ばした、ということではないのか。

今回の事故をめぐって、流れて来た情報には、イラン軍内部に対立関係が、存在するというものだった。イラン軍とIRGC
(革命防衛隊)が、対立しているという話だ。それが事実とすれば、イラン軍とIRGCがこのような、事故に見せかけた、撃ち合いをやることも、充分にありえよう。

実はミサイル事故の真相は、ここにあるのではないか。IRGC
といえばハメネイ師のお気に入り、そこが弱体化してしまえば、ハメネイ師の立場も危うくなろう。そのために、イラン政府は同国軍部内の、内部対立を隠すために『単なる事故』としたのではないか。

それではイラン国軍には、誰が関与しているのか、ということになるが、単純に考えれば、アメリカということになろう。トランプ大統領はあくまでも、イランとの交渉はしないという強い立場を堅持している。願わくば、イランとの実戦をせずに、イランの体制が崩壊してしまえば幸いと考えていよう。

そうであるとすれば、今後イラン内部では、アメリカへの内通者調べが、相当厳しく行われるのではないか。その結果、やがて犯人(アメリカへの内通者)
が割り出され殺され、彼はイランの英雄であったという発表が、あるのではないか。

以前にイラン南西部で暴動が起こり、相当の犠牲者を出したが、このとき、この暴動の背後には、アメリカの工作員がいた、という噂が流れていた。同様のことがいま起こっても、何の不思議もあるまい。
Posted by 佐々木 良昭 at 10:32 | この記事のURL
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