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NO:5595  7月2日『トルコ二つの難問』 [2019年07月01日(Mon)]
トルコはいま二つの難問に直面している。それはそれぞれに、なかなか難しい問題だ。一つはリビアのハフタル将軍の軍隊、LNAとの問題であり、もう一つは、アメリカのトランプ大統領との問題だ。


:リビアのハフタル将軍との間の問題は、ハフタル将軍がトルコのセラジ政権に対する支援に、腹を立ててトルコの権益を犯す、と宣言したことだ。既にハフタル将軍はリビアトルコ間の空路を閉鎖し、海路も閉鎖すると言っている。

これではトルコはリビアとのビジネスが、出来なくなってしまう。加えてリビア在住のトルコ人の安全も、保障しないということであるから、彼らはどうやってハフタル軍から逃れるか、という難問が待っている。

唯一考えられるのは、陸路リビアの隣国チュニジアに渡り、そこから空路なり海路なりで、帰国することであろう。だがハフタル軍側は既に、6
人のトルコ人を逮捕しているのだ。このためトルコのアカル国防相は、トルコ人救出とハフタル将軍側に対する、攻撃を宣言している。

だがこのトルコによるリビア攻撃は、結構大変な問題であろう。トルコからリビアまでの距離は大分あり、しかも両国の間には地中海がある。このため軍隊を移動することも、航空兵器による攻撃も、そう簡単ではあるまい。



:もう一つの問題は、シリアのクルド人との問題だ。トルコ軍は現在シリアとの国境に、65000
人の軍人を配備しているが、この軍隊でエルドアン大統領は、国境地域からクルド人を、掃討する考えだ。

しかし、このシリアのクルドの軍隊は、はアメリカの子飼いのミリシアであり、これまでIS(ISIL)
の掃討作戦で、活躍してくれている。このためトランプ大統領としては、彼らを保護しなければならないのだ。

既に、トランプ大統領はトルコ側に対し、『クルド掃討作戦やはやるな。』と警告している。はたしてエルドアン大統領はこのトランプ大統領の反対を、どう覆すのであろうか。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:34 | この記事のURL
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