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NO:5532   5月7日 『全ては石油に行き着くアメリカの対外政策』 [2019年05月06日(Mon)]
 アメリカがどう言い訳しようとも、結局はアメリカがどうやって、世界の石油をコントロールするか、ということに尽きよう。世界の石油をコントロール出来ていれば、アメリカの通貨ドルは安泰であり、アメリカは世界の超大国として、生き残れるからだ。
60年代だったと思うが、アメリカはサウジアラビアと合意し、石油とドルをリンクさせ、サウジアラビアの王家の安泰を保証した、と言われている。そのおかげで、世界一の借金大国であるアメリカが、いまでも世界に君臨し続けて、いられるのであろう。
 いま世界で起こっている諸問題は、アメリカの世界石油支配と、直結するもののようだ。アメリカはイランに対して、石油制裁を進めているが、その口実は、イランがシリアの独裁アサド体制を支援している。そしてイランはIS(ISIL)を支援している、というデタラメな話からだ。
 いずれにしろ、このアメリカのデタラメな口実による、イラン制裁はイランの石油生産を、400万BDから340万BDまで落としている。そして、それは世界の石油価格を引き上げ、しかも石油不足で苦しむ国々は、増えている。
イランは制裁の下で、石油を安価で売らなければ、ならなくもなっている。トルコやインドはこの制裁で、最もダメージを強く受けている国であろうか。両国の立場は共通している。
インドは困惑しているが、強気のトルコは制裁を無視して、イランの石油を輸入し続ける気のようだ。それにアメリカがどう対応してくるのか、圧力で対応するか、何らかの妥協を両者の間で生むのか。
しかし、過去6年間、トルコはアメリカの口車に乗って、騙され続けてきている、その事を考えると、トルコが突然アメリカを信頼する、などということは起こり難いのでは、なかろうか。
イランのザリーフ外相は最近、トルコを訪問し、エルドアン大統領と相当突っ込んだ話し合いを、しているようだが、そのなかではシリア対応が語られ、加えて石油制裁問題が、語られたはずだ。
リビアの最近の動きも、やはりアメリカが関与しているようだ。今回、突然リビアの首都トリポリに、攻撃をかけ始めたハフタル将軍は、アメリカの子飼いの傭兵なのだ。彼が20年以上も、アメリカで匿われていたことは、最近では情報通の間では、周知の事実となっている。
今回のハフタル将軍によるトリポリ攻撃は、彼がリビアの石油を支配することが、前提だ。リビアは150万BDほどの石油が、生産できる国なのだ。しかし、これだけ産油諸国をかき回し、混乱を生み、果たしてアメリカの望む結果が、出るのだろうか。加えて、ベネズエラもアメリカの標的になっている。
世界ではアメリカの強引なやり口に、腹を立てている国々が多数あろう。もちろんインド、トルコだけではなく、中国や日本もそうだ。


Posted by 佐々木 良昭 at 10:41 | この記事のURL
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