• もっと見る
« 2017年06月 | Main | 2017年08月»
NO4621 7月4日 『トルコはカタールの状況悲観的』 [2017年07月04日(Tue)]
*トルコ政府は現在こう着状態にある、カタールとアラブ4カ国との対立問題が、前進し難い状況にあると判断し、悲観的な見方をしている。なかでもここ数日は、極めて難しい時期に入る、と判断しているようだ。*

それは、カタールの要請により、4カ国の制裁開始は2日間遅れたものの、何らの解決策も妥協も、生まれそうにないからだ。カタール政府は4カ国の要求に対して、国家の尊厳がかかっているとし、妥協する気配を見せていない。*

しかし、カタールが頼みにしているであろうアメリカは、この問題で中立的な立場をとる方針のようだ。あるいはどちらかといえば、カタールに対して厳しい立場を、採るかもしれない、*

* こうしたアメリカの出方は、エルドアン大統領が電話でアメリカ側の担当者と、協議した後に出された見解だ。*

4カ国の要求項目のなかには、カタールにあるトルコ軍基地の、閉鎖も含まれており、トルコとしては難しい対応となろう、カタールをあくまでも支持すれば、今度は4カ国を敵に回し、トルコはアラブ湾岸諸国での地位を、失いかねないからだ。

しかし、カタール政府は『国家の独立性と尊厳を守る。』として、妥協する気配を、全く見せていない。トルコのノルマン・クルトルムシュ副首相は、カタールのトルコ軍基地を閉鎖する意向の無いことを、明言している。彼は今回の問題と、在カタール・トルコ軍基地とは、何の関係も無いと言っているのだ。

付け加えて、トルコのノルマン・クルトルムシュ副首相は、『今回の問題で付けを払うことになるのは、カタールだけではない、4カ国も同じだ。』と語っている。それは確かにその通りであろう。その兆候は既に金融面で、出てきているのだ。

銀行取引では、カタールの銀行口座を持つ者は、早急に資金を引き上げるべきだ、という指導が出されているし、カタールとの間にある貸付も、同様に処理を急ぐべきだ、とされている。

アルジャズイーラ・テレビ局の閉鎖、トルコ軍の閉鎖、イラン関係の凍結など、4カ国からは13
項目の要求が、出されているが、そのいずれも解決や妥協が、容易な問題では無さそうだ。

アメリカのこの問題に対する役割については『トランプは何の役にも立たない。』という評価がもっぱらだ。つまり、この問題でアメリカはカタールに、冷たい立場を取っている、ということであろう。

それでは、そのようなアメリカのカタールに対する立場は、カタールにあるアメリカ軍基地に、影響を与えないのか、ということが懸念されるのだが。アメリカは大国であり、アラブ湾岸の小国カタールが、何を言ってこようとも、無視出来るということなのであろうか。そういう立場だとすれば、アメリカのアラブ湾岸諸国内での評価は、今後悪化することになるのではないのか。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:44 | この記事のURL
| 次へ