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『IS後の米露のシリア対応』 [2017年06月21日(Wed)]
*そろそろ、シリアのラッカ(ISが首都と宣言していた場所)の陥落が、近いだろうと思われるようになってきた。こうした状況下で、IS(ISIL)も首都をラッカから、デルズールに移すことを、ほぼ正式に宣言した。*

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そうなって来ると、これまでシリアに関与してきた、アメリカもロシアも、IS(ISIL)後のシリアに対する対応を、検討しなければならなくなる、ということだ。ロシアはあるいは、これまで堅持してきた、アサド体制支持の立場を、捨てるかもしれない。*

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ロシアからはチェチェン、コーカサス地方から、多数のイスラム原理主義者が、シリアのIS(ISIL)側に参画して戦ってきていた。このロシアのイスラム原理主義者の問題は、ロシアにとっては大きな頭痛の種であったが、シリアやイラクで戦闘が続き、IS(ISIL)がイスラム原理主義者たちにとって、魅力的な存在になったために、ロシア政府はチェチェンやコーカサス地方から、イスラム原理主義者たちが、イラクやシリアのIS(ISIL)の戦線に参加するのを、黙認してきていた。*

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しかし、現段階になるとそうのんびりも、構えていられなくなってきた。それは、IS(ISIL)の崩壊で、自国のイスラム原理主義者たちが、帰国して来るからだ。一説によれば、ロシアからIS(ISIL)の戦闘に参加した人数は、2400人だと言われている。*

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彼らが帰国し、原理主義テロを起こすようになれば、ロシア国内は極めて危険な状態になるということだ。既に、サンクトペテルブルグで起こった、イスラム原理主義者によるテロがあり、テロは現実にそこにある問題に、なっているのだ。*

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そうしたことから、ロシア政府はいま、単にアサド体制を守るのではなく、シリアを分割させて、戦闘を継続させた方が、いいのではないか、とも考え始めているようだ。そうなれば、アサド体制も縮小はするが,生き残ることになるし、自国の戦闘員たちは、シリア国内で戦闘を継続し、帰国はしなくなる、という考えだ。シリアを統一した状態でアサド大統領に統治させるのは、無理な状態もある。*

*既に、シリア北部を占領しているクルド人たちは、自治を明確に口にし、将来はクルド国家の設立も、考えるようになって来ているからだ。イラクのクルドが自治権を獲得していること、トルコのクルドが分離独立に向けて、戦闘を継続していることなどを考えると、シリアのクルドが分離して、自治から独立への歩を進める可能性は高い、という事であろう。*

*アメリカもIS(ISIL)問題が解決した後では、シリアを分割させた方がいい、と考えているのではないか。そうなれば、イスラエルとの国境には、ヘズブラなどが居座るだろうが、分割されたシリアとヘズブラが合体しても、イスラエルには大きな脅威にはなるまい。加えて、イランのアサド体制(分割された)への支援も、大きな脅威とはならなくなろう。*
Posted by 佐々木 良昭 at 11:12 | この記事のURL
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