CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 2017年05月 | Main | 2017年07月»
NO4603  6月15日 『駐米UAE大使米はカタール基地を引き揚げろ』 [2017年06月15日(Thu)]
サウジアラビアを首班として、エジプトやアラブ首長国連邦[UAE]、バハレーンなどがカタールに対する、締め付けを強化している。これら4か国はカタールとの間で、陸海空全ての往来を止めた。従って、カタールは食料などを、空輸しなければならなくなっている。

これを好機と見たトルコとイランは、猛烈なカタールへの接近を行っており、貨物機でカタールに、食料を送り込んでいる。もちろん、ただではなく通常よりも、高い価格で取引されているものと思われる。

UAEの駐米大使はこうしたカタールへの制裁に加え、『アメリカ軍はカタールの基地を撤廃すべきだ。』と言い出している。カタールがテロを支援し、傲慢な言動を繰り返すことが出来るのは、アメリカ軍がカタールに主要基地を、持っているからだというのが、その理屈だ。

確かにそうであろう。カタールにアメリカ軍の基地がある限り、カタールに軍事侵攻しようと思う国は、イラン以外にはあるまい。カタールはそのイランとは、良好な関係にあるのだ。

アメリカが今回のカタールとUAE,サウジアラビア、エジプト、バハレーンとの対立で、アメリカがしかるべき行動を、起こしていないのは、カタールにアメリカ軍の基地があるからであり、シリアやイラクで空爆作戦を、遂行しているなかで、アメリカはカタールに対して、強い発言は出来ない、という事であろう。

アメリカはこれまで、サウジアラビアを支持する発言をしているが、それはそれほど強いものではなかったというのが、UAEの判断であろう。サウジアラビアがカタールにクレームを付けた理由の一つは、カタールのテロ支援にあるわけであり、アメリカとしてはそれを、支持せざるを得なかった、という事であろう。

さて、駐米UAE大使はアメリカに対して、『カタールの基地から引き揚げろ』と言ったが、それでは、代替え地は何処になるのか、という問題が出てくる。これについて駐米UAE大使は明確に、『UAEがカタールに代わる、アメリカ軍の基地を提供する。』と言い出している。それはUAE政府の考えであることは、間違いあるまい。

日本ではカタール問題は、あまり大きく取り上げられていないようだが、カタールとサウジアラビア、UAEなどが武力衝突する可能性があるし、この問題を機にイランがカタールに急接近し、イランとアメリカが武力衝突を起こす可能性も、否定出来ないのだ。既に、トルコは5000人の将兵を、カタールに派兵することを、トルコ議会で可決している。イランも同様の行動に出る、と恫喝する可能性はあろう。

そうなれば、世界の大エネルギー供給地である、湾岸諸国は極めてリスキーな、状況になって行く、ということだ。カタール問題はアラブ湾岸諸国の思惑だけではなく、イランやトルコ、そしてアメリカの思惑も、絡んでいる複雑な問題だ、ということを見逃すべきではあるまい。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:22 | この記事のURL
| 次へ