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NO4209『ギュレン氏甥が書いたとされる文章公開』 [2016年07月28日(Thu)]
トルコのエルドアンア大統領は、ギュレン氏が余程憎いのであろう。それは分からないこともない、絶対的権力を持つに至った、エルドアン大統領にとって、ギュレン氏とその組織ヘズメトは、最後の敵なのだから。

今回7月15日に起こったクーデターでは、このギュレン氏をクーデターの黒幕だとして、非難し続けている。アメリカに対しても、ギュレン氏がクーデターに関与していたのだから、引き渡せと迫っている。

アメリカはこのトルコ側の要求に対して、しかるべき確たる証拠が、出てこない限り、そうはしないと返答している。アメリカ政府はエルドアン大統領のような、独裁体制ではなく、あくまでも法律によって、運営されている国家なのだから、当然の返答であろう。

そこで、トルコ政府が考えだしたのは、ギュレン氏に関連する人物を、引き出して、彼らがクーデターの後ろにいた、というイメージ作りだ。もちろ、ギュレン氏の関係者たちには、それほど愚かな者たちはいないと思うので、ありえないことなのだが、何度も繰り返していると、嘘も本当になって行くのが社会の怖さだ。

今回引き合いに出されたのは、ギュレン氏の甥にあたる、メフメト・メズヘル・ギュレンという人物に宛てて、書かれたと言われるメモだ。

このメモはクーデターを起こした人物に関して、メフメト・メズヘル・ギュレンの友人が、同氏に対して質問する形の内容が、書き込まれている。文章の内容はおよそ、次のようなものだ。

『メズヘル様

クーデターは起こりましたね。しかし失敗に終わったようですね?我々の友人たちは十分な計画を、立てていなかったようですね。これから何が起こるのですか?兄弟これから再度、クーデターが起こるのですか?いま我々は何をすべきなのですか?彼らが我々に害を及ぼさないことを望みます。』

メフメト・メズヘル・ギュレンはトルコ全域で運営されている、ヘズメトの学校の総責任者だということだが、このメモは彼に宛てて書かれたものだということだ。しかし、彼に宛ててメモを書くのは誰にも出来よう。もちろん政府側エルドアン側の人物によっても、書くことができよう。

アメリカが言うように、ギュレン氏とクーデターの関連を、このメモは明確に示すものには、なりえない。

それでも百篇繰り返せば、このメモはギュレン氏の仲間によって書かれ、ギュレン氏の甥に宛てられた、ということになろう。恐ろしいのは、権力側による刷り込み効果と、マスコミの支配だ。
Posted by 佐々木 良昭 at 15:45 | この記事のURL
NO4208『上には上があるクウエイト極暑ニュース』 [2016年07月28日(Thu)]
日本の新聞も今年の夏は暑い、という予測なのであろうか。つい最近、ある新聞がクウエイトで54度を記録した、というニュースを流していたが、それは地球上の最高気温ではない。何事にも上には上がある、ということだ。

この前アラブの新聞に載った、世界の最高気温のニュースによれば、アフリカのマリでは、1945年に54・5度を記録している。チュニジアでも1931年に55度、アルゼンチンでは1905年に49・1度、アメリカでは1913年に56・7度、メキシコでは1966年に52度、を記録している。

北アフリカのチュニジアでは、1931年55度記録している。アルジェリアでは2002年に50.7度、リビアでは2014年に57・8度を記録している。そしてスーダンでは1967年に52・8度となっている。

パレスチナでは1942年に54度、湾岸のカタールでは2010年に50.4度、クウエイトでは2012年と2016年に、それぞれ54.1度を記録している。

パキスタンでは2010年に53.5度、オーストラリアでは1960年に50.7度、イランでは2015年に71度、サウジアラビアでは2003年に81度を記録している。そしてイラクでは2011年に53・6度を記録している。

これらの記録は、いずれも人間が生活していくには、どう考えても適さない気温なのだが、現地の人たちはどうやって、生き延びたのであろうか、と不思議になる。もちろん多数の人たちが、極暑のなかで死んでいった、というニュースも、インドやパキスタンから、伝えられてはいるのだが。

50度台は特別驚くほどの気温ではない、ということがこれらの記録から分かるのだが、サウジアラビアで記録された81度となると、とてもその状況を想像できない。車のバンパーで卵焼きが焼けるという話が、だいぶ前に伝わり驚いたが、サウジアラビアで記録された、81度ではステーキがウエルダンになるまで、焼けるということであろう。

そうした極暑を記録する地域で、生活する人たちは、それなりに工夫して、家屋を建設している。第一は3~40センチの厚い壁と小さな窓の家だ。あるいは以前にお知らせしたように、室内の空気を天井から抜く構造、あるいは、イラクの湿原にあるアシ葺きの、天井の高い家屋などがある。

それでもやはり耐えられない暑さであろう。人間はあらゆる環境に、順応する性質を、持っているとは言われるが、それでも苦痛であろう。アラブでは男性も女性も、太った人が多いが、体内に脂肪を溜め込むことによって、ある程度の抵抗力を持つように、なっているのかもしれない。そうでなければ、暑さは体表面だけではなく内臓にも至り、疾患を生み出すからだ。

日本の夏が暑いというのは、外国の人たちから言わせれば、冗談程度なのかもしれない。日本の神仏に感謝したい、と真剣に思う昨今だ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:46 | この記事のURL
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