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NO3685『エルドアンアメリカ大統領制に不満』 [2015年04月20日(Mon)]
来る6月7日の統一選挙で、与党AKP
がエルドアン大統領が望んでいるような、大勝利を記録すれば、トルコは議会制から大統領制に変わることになっている。これまで、エルドアン大統領はそれを何度も、繰り返してきているのだから、ほぼ間違いあるまい。

しかし、最近になって与党AKPに対する支持が、少しずつ下がり始めているのだ。2011年にエルドアン首相(当時)が獲得した、49・85
パーセントの得票はほぼ無理だということが、現段階の世論調査でも分かっている。

それでも、30パーセント台後半の得票率を得られれば、野党との連合の形でも、AKP
は与党に残れるかもしれない。そこで問題になって来るであろうと思われることは、誰が選挙敗北後に、AKP
をリードするのかということだ。エルドアン大統領はたとえ与党AKP
に対する支持率が下がり、議員の数が減ったとしても、権力の座にしがみつこうとすることは、現在の段階からでも明らかだ。

もちろん、そうなると思われるのだがその場合。党の運営は国民に受け入れられるのか、ということだ。すでにAKP
を離れた、同党の創設者の一人ギュル前大統領や、アルンチ副首相そしてダウトール首相らは、どのような作戦を考えているのであろうか。

そうしたことは、エルドアン大統領にはほとんど、気にならないのかもしれない。それは、各人もそれなりに汚職に関与しており、彼らの電話はすべてエルドアン大統領が、盗聴していたということにあろう。

エルドアン大統領は間もなく訪れる、大統領制の下での統治に、夢を膨らませているのであろうか。最近になって『アメリカの大統領制はトルコにはふさわしくない。』と言い始めている。

エルドアン大統領は幾つもの国の大統領制を調べたが、大統領制はそれぞれの国の文化や、慣習、必要性にふさわしいものに、すべきだと語った。つまり、エルドン大統領は彼の好きなような大統領制を、スタートさせたいと考えているのだ。

エルドアン大統領はオバマ大統領が、議会の突き上げをくらい、自分の進めたい政策がとん挫していることを取り上げ、これでは敏速な政府の対応が、重要課題を前にして実施出来ないと考えたのだ。

しかし、世間ではエルドアン大統領が考える、トルコにふさわしい大統領制とは、彼の独裁統治を強化させるもの以外の、何物でもないと受け止めている。国民の間では、トルコの大統領制は、エルドアン大統領の独裁体制を、強化させるものでしかない、と受け止めている。
Posted by 佐々木 良昭 at 14:15 | この記事のURL
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