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Re: NO3229 『ガザ戦争で窮地に立つかシーシ大統領』 [2014年07月19日(Sat)]
2014年7月19日 14:59 佐々木良昭 :

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> ガザへのイスラエル軍の侵攻で、状況は緊迫している。これに先立って発表された、エジプトによる停戦仲介は、ガザのハマースが拒否し、イスラエルも続いて無視した。そして戦争は既に
> 11日目を過ぎている。
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> ガザにイスラエル陸軍部隊が侵攻したことで、空爆とあわせ死傷者の数が、激増しているようだ。死者は既に300人を超え、負傷者も1000
> 人をはるかに超えている、と報告されている。
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> ハマース側は徹底抗戦を宣言しており、停戦する様相は見えていない。他方、イスラエル側に対しては、アメリカのオバマ大統領も、防衛のための戦闘は認めながらも、これ以上の戦闘の拡大には反対すると語った。
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> こうした状況下では、どうしてもガザを救える地理的位置にいる、エジプトが非難の矢面に立つことになる。『ガザのラファゲートを開いてパレスチナ人の負傷者を受け入れ治療をしろ』『ガザのゲートを開いて人道支援物資を入れろ』『ガザのゲートを開いて避難民を受け入れろ』といったものだ。
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> まことごもっともなのだが、エジプトにとっては決して、容易なことではないのだ。ガザのハマースなどが、現在のエジプトのシーシ大統領体制に敵対し、シナイでエジプト軍などへの、攻撃を加えてきていたのだ。つまり、ハマースはイスラエル以上に、エジプトにとって危険な存在なのだ。
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> これではエジプト政府は、ハマースの味方をしたくないだろう。もし、そうすれば今度は、エジプトそのものが危険に、晒されることになるのだからだ。そればかりではない。多くのパレスチナ人負傷者と、避難民を受け入れれば、その中にはテロリストや、ハマースの戦闘員も含まれていようから、将来、彼らがエジプトで破壊工作を、実行する懸念も大いにあるのだ。
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> そうでないとしても、多数の避難民と負傷者を受け入れれば、そのパレスチナ人たちが宣伝戦を展開し、世界のマスコミに対して、あることないことを語るであろう。それはイスラエルとエジプトとの関係を、悪化させる危険性があるし、エジプト国民の感情に訴えることにもなろう。
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> そうなれば『イスラエルと戦争を始めろ』『シーシよ立ち上がれ』といった戦争をあおる声が、エジプト国内で大きくなろう。いまのエジプトには、イスラエルと戦争をするような余裕は皆無だ。
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> シーシ大統領にいま出来ることは、声を大にして戦闘行為を止めろ、と叫ぶことであり、国連や欧米に働きかけることのみではないのか。イランやトルコはこれを機会と、エジプト非難をしているが、これは無責任以外の何物でもあるまい。
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> エジプトがラファゲートを開いたら、イランやトルコは戦闘員や、救援物資を送るというのだろうか。イランやトルコはイスラエルに対して、何らかの威嚇をしたのだろうか。何もしていない、単にエジプトに責任をなすりつけ、非難しているに過ぎないのだ。
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Posted by 佐々木 良昭 at 22:09 | この記事のURL
NO3228 『大統領選挙が近いトルコの内部問題』 [2014年07月19日(Sat)]
トルコでは大統領選挙が8
月半ばに実施されるが、それに先立って種々のことが起こっている。反エルドアンはとみなされている、ヒズメト支持の企業経営者たちに対する、締め付けが厳しくなってきている。

政府に言わせると、およそ10万社がヒズメト支持の企業であり、これらの企業はヒズメトに寄付を行っているというのだ。そして、これらの企業はマネー・ロンダリングをしているというのが、政府の企業に対する嫌疑だ。


企業経営のうえでは、中東や中央アジア地域では、マネー・ロンダリングは一部必要悪であろう。エルドアン首相ですら、イランとの関係でマネー・ロンダリング疑惑が、大きく取り上げられているのだ。

中東地域では裏金は必要であり、しかるべき相手に対して、高価な贈り物を贈ったり、賄賂を渡すことは、ごく当たり前なのだ。それ無しには、物事が動かなくなるのだ。

現在トルコ政府は複数の機関や警察などに対し、これらの企業の調査を進めさせている。その結果によっては、企業の多くが活動を停止させられるか、倒産に追い込まれよう。

しかし、大統領選挙で当選するために、このような企業いじめをしたら、トルコの経済はどうなるのであろうか。そうでなくとも、今トルコが置かれている国際経済環境には、危険な兆候が見えているのだ。

資金の正しい流れを回復するための措置、といえば聞こえがいい、大統領選挙に向けたものであり、その結果は、トルコの経済活動を減速させ、破壊してしまうかも知れない、危険なものではないのか。

もう一つの問題は、クルッカル地区のダム建設をめぐるものだ。ここにダムが出来れば、農業は成り立たなくなる、と農民たちが反対運動を始めた。市などに交渉に行っても、全く受け付けてくれないとこぼしている。

農地に張り付いて反対運動をすると、警察が大挙してきてそれを解散させているのだ。政府側は農民の口座に保証金を送ったというが、全く届いていないということだ。何故こんなことが起こるのだろうか。それは大型工事に伴う、賄賂が絡んでいるからではないのか。

8月の選挙では、エルドアン首相の当選が、確実だといわれている。エルドアン首相は50パーセント以上を得票し、選挙は2
度目の決戦投票を、行わなくても済むだろう、と予想されている。対抗馬のイフサニオール氏は『選挙は1日で終わろう。』と語ったのはそのことであろう。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:53 | この記事のURL
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