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NO・2875『警察はムスリム同胞団事務所守らないと語る』 [2013年06月26日(Wed)]
6月30日のエジプトの大衆蜂起の時が、刻一刻と迫っているが、そうした中で危険な発言が、世俗派の人士とムスリム同胞団の、双方から飛び出してきている。
ムスリム同胞団側は6月21日から始まったデモを、6月30日まで継続するつもりのようだ。そうなれば、世俗派とムスリム同胞団側とが衝突し、死傷者が出るのは明らかであろう。
こうした事情からモルシー大統領は非常事態宣言を出したいのだが、それを躊躇している。それは非常事態宣言を出した後、状況がどうなるかということが、分からないからであろう。通常であれば、軍と警察が市内を完全に制圧し、市民が集会やデモを出来なくするのだが。
モルシー大統領はシーシ国防大臣と会談を繰り返したが、大統領の望むような返事が返ってきていないようだ。軍隊は状況の流れを高みの見物し、6月30日のデモに革命当時と似たような大衆が集まれば、クーデターを起こす算段なのではないかと思われる。
そのような流れの中で、警察の将校たちがムスリム同胞団の事務所を、6月30日には守らないと言い出した。守れば世俗派から投石を受け、それに反応すれば、警察は悪者にされるからであろう。
ムスリム同胞団側はすでに地方から、バスでカイロに集結しているが、彼等は武器も携帯しているものと思われる。地方にも動員をかけると、一見、多そうに見えるムスリム同胞団だが、実際はそれほど多くないようだ。そうなれば、世俗派の方が数で勝り、ムスリム同胞団のメンバーに、多数の死傷者が出ることになろう。
モロッコ政府には緊急の場合を考え、ムスリム同胞団が幹部の逃亡を打診したようだが、受け入れるという返事はないようだ。
エジプトの有名な詩人アスワーニ氏は『エジプト人はみんなムスリム同胞団が嫌いだ。』とテレビ番組の中で発言した。それ以外にも、革命当時のムスリム同胞団とアメリカとの関係を暴露する発言が、テレビ番組の中で語られてもいる。
6月30日はあと数日、その後のエジプトがどうなるのか、犠牲者があまり出ない段階で軍に動いてほしいものだと思うのは私一人ではあるまい。
Posted by 佐々木 良昭 at 17:39 | この記事のURL
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