NO・2239「ムバーラク判決近付く・エジプトマスコミの意見」 [2012年02月24日(Fri)]
エジプトのムバーラク前大統領に対する判決が、6月2日に下されることになったが、判決が下る前に、エジプトの各マスコミが自説を述べている。そのことは、大衆の意向によるだろうし、大衆はマスコミの影響を、受けることになろう。
したがって、ムバーラク前大統領に対する判決は、多分にマスコミや大衆の意向を、反映したものになり、罪を罰するというのではなく、憎しみを持って罰することになるのではないか。それは法の公正という立場から考えた場合、極めて問題のあることであろう。 エジプトのマスコミは、それだけの重責を担っているのだが、現段階で、裁判の判決をどうしたいのであろうか。あるいはエジプト国民は、どのような判決を望んでいるのであろうか。 :アルアハラーム紙(政府所有) ―ハビーブ・アドリー前内相はハマースやヘズブラの関与を力説している。(発砲事件の多くは、彼らによるものだとする、ムバーラク前大統領やハビーブ・アドリー前内相に対する擁護。) :アッドストール(民間企業の発行) ―ハビーブ・アドリー前内相と彼の部下アハマド・ラムジーは処刑されるべき。 :アルワフドワフド党所属反体制) ―ムバーラクは絞首台に向かう。 :アッシュルーク(個人所有) ―ムバーラク判決はショックを起こす。 :マスリ・アルヤウム(民間紙) ―ムバーラクは巧妙だ、処刑されれば支持派が狂気し、処刑されなければ大衆が騒ごう。彼は1か月前に撃たれて死ぬべきだった。 :アッタハリール(民間紙) ―ムバーラクは国民の流血を望んでいなかったと語っている。 :アル・ジュムフーリーヤ(政府系紙) ―ムバーラクの現実の姿があらわになった。 :ロウズルユーセフ(政府系誌) ―裁判所でベッドに横たわるムバーラクは、オスカーを受賞するにふさわしい最高の役者。 これらの論評をどう理解するかは、読者個々人にお任せしよう。一言言えるのは、ムバーラク大統領に対して、あまり擁護の声は大きくないということだ。 |