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5860 3月3日『トルコ・シリア戦で苦戦か』 [2020年03月02日(Mon)]
トルコがシリアのイドリブでの、戦闘を拡大しているようだが、必ずしも有利な戦いを、しているようではなさそうだ。昨日トルコ軍がドローンを使って、シリアの戦闘機を
2機撃墜した、という報道がなされているが、この撃墜に使われたと思われるドローンが、シリア軍によって撃墜されている。

詰まり、よく言って五分五分、ということであろうか。しかし、トルコは全戦力をシリアに投入して戦、と宣言し何百台ものトラックで、装甲車や戦車、大砲などを持ち込んでいるのだ。つまり戦費はどう見ても、トルコが多く使っている、ということではないのか。

それでも不安になってきたのか、トルコのエルドアン大統領は、チヤウショール外相にアメリカとの、パトリオット入手のための交渉を、させ始めている。果たして、アメリカが二つ返事で、パトリオット輸出を認めるのか、あるいは
S400のことを持ち出して、渋るのか見ものだ。

それ以外にも、トルコはNATOの加盟国であることから、このシリアとの戦争でNATO
は加盟国を支援すべきだ、と言い始めている。これも、あまり色よい返事は、返って来ないのではないのか。

そこでトルコが採った方法は、少し乱暴ではないのかとおもわれるのだが、シリアからの難民のトルコ経由の、EU
諸国入りに制限を加えない、と言い出したのだ。難民の波でEU諸国を、洪水にあわせてやる、ということのようだ。

既に万単位のシリア難民が、ブルガリアやギリシャの国境に向かっており,
一部は入国しているのだ。インターネットでは国境に張り巡らされた、バリケードを破って侵入する、シリア難民の映像が張り付けられている。

これは多分しかるべき効果を、生むのではないか。だが、同時にこれは危険なゲームであり、EU諸国がトルコへの怨嗟の感情を、強めっることになろうし、EU
諸国では民族派や右派の国民が、難民攻撃を始めるのではないか、と懸念される。

いずれにしろ、トルコが始めたシリアとの、本格的な戦争はロシアも、巻き込むことになっており、ロシアがトルコに対して、強硬対応を採るとも懸念される。これは一気に、ヨーロッパ戦争を起こすことに、繋がっていくかもしれない危険な兆候だ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:27 | この記事のURL