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NO:5558   5月30日 『S400の引き渡し遅れる』 [2019年05月29日(Wed)]
トルコが購入したロシア製ミサイルS400は、当初の予定よりも遅れて、届けられそうだ。その事を明らかにしたのは、トルコのアカル国防相だ。ロシア側に問題があるために遅れるのだろうが、どうもしっくりしない感じがする。

他方、このS400ミサイルのトルコの購入に、反対しているアメリカ側は、この問題の解決は急がない、と言い出している。アメリカの言う解決とは、S400のトルコによる輸入を、止めさせることであり、問題の解決を急がないということは、今後も輸入阻止のための交渉を、トルコ側と続けるということだ。

何のことは無い、アメリカがS400のトルコによる輸入に、反対する理由の本音は、アメリカ製パトリオット・ミサイルを、買わせたいからに他ならない。そこでアメリカ製のF35戦闘機2機を、試験用にトルコ側に引き渡していたが、それも引き上げるとまで、言っている。

しかし、これは場合によっては、ロシア製のスホイ戦闘機に代えられてしまう、可能性を否定出来無い。ロシアにはアメリカ製のF35よりも、優れたスホイ戦闘機があるのだ。しかも、ロシアはアメリカとは異なり、S400ミサイルについても、戦闘機についても、技術協力してもいい、と言っているのだ。

だが、アメリカはパトリオット・ミサイルをトルコで製造したり、F35戦闘機の技術を伝えることを、拒否しているのだ。こうしたアメリカの対応が長引けば、アメリカとトルコとの信頼関係は、完全に崩れてしまうかも知れないし、それはトルコの加盟している、NATOそのものを崩壊に、導く危険性すらある。

ロシアにとっては、ロシアを狙ったアメリカとヨーロッパ、そしてトルコを含むNATOの崩壊は、大歓迎であろう。あるいはロシアはS400の引渡しを、引き伸ばしながら、トルコとアメリカの不信の拡大と、感情的対立をあおっているのかもしれない。

真相は分からないが、これは簡単な話では無さそうだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 09:27 | この記事のURL