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NO:5342 12月27日『トランプは恥じ知らずか』 [2018年12月26日(Wed)]
アメリカはとんでもない人物を、国家元首に選んだようだ。それはアメリカ国民のレベルを、表しているのであろうか。『貧すれば鈍する』という言葉があるが、失業が増え生活が苦しくなる中で、アメリカ国民はトランプが希望を与えてくれると思い、大統領に選んだ。

トランプはアメリカ国民に希望を与えただろうか。アメリカ軍のシリアやアフガニスタンからの撤兵は、その一つであろうが、帰国後に彼らを受け入れてくれる職場は、あるのだろうか。

 今のアメリカの景気は、政府が作ったまやかしであり、実質的なものではない。まともな輸出品と言えば武器だが、これも欠陥が目立っている。しかし、開発に莫大な投資をしているために、その元を取らなければならない。結果として友好国(?)に、強引に売りつけることになる。

 売りつけられる側の主な国々は、サウジアラビアを始めとした、アラブ湾岸諸国という産油諸国、そして日本だ。これらの国のトップは誰も、トランプに対してノーと言えないのだ。

 そればかりではない、シリアから何のメリットもないとして、米軍の撤兵を決めたトランプ大統領は、いけしゃあしゃあと『サウジはシリアの復興資金を出す。』と公言している。そしてカタールやアラブ首長国連邦、トルコに対してもだ。

 誰がシリアのインフラを破壊したのかと言えば、アメリカに決まっているのだが、そんなことはお構いなしだ。壊した者が弁償するのが、世のあたりまえの理屈、それすらもトランプ大統領は無視しているのだ。

 理屈を分かっていてやっているのだから、トランプ大統領は確信犯なのだ。そしてメキシコとの国境に、塀を作ると言い出した彼は、国家予算の執行を止めて、それを実現しようと考えている。これではアメリカは国家の体を、なしていないではないか。

 アメリカのシリアからの撤兵は、とんでもないことを、いま起こそうとしている。アメリカに捨てられたSDFやYPG、つまりクルドの勢力は32000人以上のIS(ISIL)のメンバーを、釈放すると言い出している。

 これまでYPGはアメリカの意向を受けIS(ISIL)の掃討に邁進してきていたのだが、この期に及んでは、もうそんなことは忘れる、と言うことであろう。クルドとIS(ISIL)が一体となった場合、相当の破壊力を持つことになろう。それは周辺諸国ばかりではなく、アメリカにも向かいうるのだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:32 | この記事のURL