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NO:5000 1月30日 『エジプトは独裁国家になるのか』 [2018年01月29日(Mon)]
*3月26日から28日にかけて、エジプトでは大統領選挙が、行われることになっている。しかし、この選挙はどうも胡散臭い感じがするのだが、実態はどうなのであろうか。*

*選挙を1か月後に控えたいまなお、実は立候補者がシーシ大統領以外に、いないのだ。つまり大統領選挙とは言いながら、実態は大統領信任投票、ということになるのだ。*

* 何故、他には大統領選挙に立候補する者が、いなかったのであろうか。実は以前大統領選挙に立候補したことのある、サーミ−・アナン将軍も立候補を、予定していたのだが、取りやめとなったのだ。*

*その理由は二つあった。サーミー・アナン将軍は軍の出身であることから。軍から二人の候補者が出るのはまずい、という軍部の意向が圧力となって、彼の立候補を潰したのだ。*

しかし、その前にはサーミー・アナン将軍の汚職問題が取りざたされ、もし立候補を断念しなければ、法的に裁くという直接的な圧力が、かかっていたのだ。これは誰が考えても、シーシ大統領に継続して大統領職を務めてほしい、という意向が働いていた、ということであろう。

 政治家や軍の高官政府の高官で、汚職の嫌疑の無い者など一人もいないのが、世の常であり、そのことでサーミー・アナン将軍は立候補を、取りやめさせられたのだ。エジプトではビジネスには、何処でもバクシーシがついて回る、バクシーシとは賄賂であり、思し召しであり、貧者の救済の援助金でもある。

 結果的に、サーミー・アナン将軍は大統領選挙立候補を、取りやめたが、サラフィー派のヌール党も、大統領候補を立てることをあきらめ、シーシ大統領支持にまわった。また、ワフド党もバダウイ氏を擁立することをあきらめている。

 今回の選挙ではどの政党も、大統領候補を立てることは、立候補者の安全が保障できないし、党そのものの存続も、危険にさらされるという判断が、広がっているのだ。

 さて、その結果次期大統領はシーシ大統領で、固まったようだが、彼が大統領を継続することはどんな結果を、エジプトにもたらすであろうか。エジプトはいま経済苦に直面している。政府の発表では外国の金融機関、世銀、IMFなどからの支援で、改善方向にある、ということなのだが。

 エジプト政府は地中海の、海底ガスの開発を進めており、それが本格的な生産体制に入れば、ガスを輸入しなくて済む、その結果エジプトの経済は、上向くと発表している。

 エジプトはアメリカやイスラエルとの関係を、大幅に改善しているし、ロシアもエジプトを重要視し始めている。それらのことがシーシ大統領の、第二期を明るくしてくれることを望むばかりだ。
Posted by 佐々木 良昭 at 11:43 | この記事のURL