NO4326 『シーシ大統領がトランプ称賛』 [2016年11月22日(Tue)]
エジプトのシーシ大統領が、先のアメリカ大統領選挙で当選した、トランプ氏を称賛している。この称賛には幾つもの意味が、含まれているのではないか、と思われる。対テロでの協力、経済援助への期待、対イスラエル関係、対トルコ関係、対サウジアラビア関係などを、見越してのものではないか、と思われる。
加えて、このところ目立っていた、エジプトのロシアへの接近を、対米関係を調整する必要も、あるのであろう。あまりロシア接近が目立ち過ぎると、ナセルの時代のように、対アメリカ関係が、冷却するからだ。 シーシ大統領はポルトガル・テレビとのインタビューのなかで、トランプ氏が中東問題に、より深く関与することを望んでいる、と語っている。このポルトガル・テレビとのインタビューは 11月21,22に、シーシ大統領がポルトガルを、訪問する前に行われたものだ。 その内容を世界に伝えたのは、ポルトガルの通信社であるLUSAだった。 シーシ大統領はトランプ氏が、中東地域について深い知識を持っており、何が起こっているのかを、分かっていると語り、エジプトへの協力も要請している。トランプ氏がテロの強硬な立場を、取っていることも、シーシ大統領には、魅力的なのであろう。 それは、あながち間違いではあるまい。イスラエルとの関係では、トランプ氏の娘がユダヤ人と結婚しており、家庭内の会話のなかにも、イスラエル・アラブ問題が話題になることがあろう。 パレスチナのハマース組織の幹部は、『トランプ氏はユダヤ人ではないか?』と言い出している。彼の父親がドイツからの、移民者であることを考えれば、あながち否定は出来まい。加えて、イランの高官はトランプ大統領の登場により、イスラエルはますます入植地を、広げるだろうと予測してもいる。 よくある話なのだが、シーシ大統領もユダヤ人の血が入っている、と噂れされている。カダフィ大佐の叔母がモロッコ系ユダヤ人、エルドアン大統領がロシア系ユダヤ人、アハマド・ネジャド元イラン大統領がユダヤ人、、挙げればきりがない。ユダヤの血を引くという一言は、アラブでは有効な非難の、口実になっているのだ。 |