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特別栽培の基準は、消費者にとって・生産者にとって、どのような意味があるのだろうか?[2013年01月10日(Thu)]
事務局長の武田です。

特別栽培農産物とは、農林水産省が定めた「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に従って生産された、化学合成農薬および化学肥料の窒素成分を慣行レベルの5割以上削減して生産した農産物のことです。

農産物の商談の中で、特別栽培の基準を満たしているかを問うことが頻繁にあります。
その背景には、次のような前提があります。

「特別栽培の農産物だから、安全性がより高い」

その結果として高い値段で売買したり、消費者に販売しようと試みている事例を見ます。

実は、これは全くの誤りです。
あえて言えば、特別栽培の基準をもって食の安全の高さを主張することは、「優良誤認」で法律にふれかねない可能性があります。

なぜならば、特別栽培の基準は”食品衛生法とは全く無関係に作られた”基準だからです。

この話は、最近は常識になってきていると思います(もしかして、まだなってない?)。


すると次に、このような話が登場します。

「特別栽培は、環境保全型農業の基準だ」

農薬や肥料の使用量を減らし、それが原因の地下水汚染などを防いでいるから、環境保全型農業なのだという主張です。
私も実は長い間そう思っていました。

ところが、実態から見ると”必ずしもそうと言えない事例”が散見されます。

たとえば、特栽基準では有機肥料の量に規制はありません。
規制があるのは、化学肥料のみです。
そのため、有機肥料が過剰に投入されている”特栽基準の畑”があります。

有機肥料は土壌中で分解が進み、最後は硝酸態窒素等になって植物の根から吸われていきます。
分解の進み方は、土質、気温や降雨量に影響を受けます。
その結果、初夏になると急激に分解が進み、栽培されている植物の葉の硝酸態窒素が急に上がることがあります。
そこから類推するに、根が吸いきれなかった大半の「有機肥料由来の窒素」は地下水に流れていったことでしょう。

本来は、適期に適量の施肥が求められます。
特別栽培だから環境保全型とは言い切れない1例です。


では、特別栽培の基準は、消費者にとって・生産者にとって、どのような意味があるのでしょうか?
キチンと回答できる人はあまりいません。

よって、次回の会員部会では、この問いにイチから答えなおしてみたいと思います。

■第2回 IT・標準帳票部会 1月16日 「特栽基準とJGAP標準帳票」

農林水産省 消費・安全局 表示・規格課 有機食品制度班から、担当官をお招きし議論したいと思っています。

☆参加対象者
日本GAP協会の会員 / 技術委員 / 理事 /JGAP認証農場 / JGAP審査員・指導員

かなり面白い議論になると思います。
ぜひ、ご参加ください。


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Posted by 日本GAP協会 at 07:30 | この記事のURL | コメント(0)
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