• もっと見る

2025年03月09日

印西市・データセンターと里地里山の自然環境

印西市・データセンターと里地里山の自然環境
                                   理事 太田博幸

 日本森林療法協会の森林セルフケア第三の柱のフィールドとして「里地里山の森」を
掲げておりますが(第一の柱は都市公園で第二の柱は伝統文化の森となります)、
千葉ニュータウン中核都市の里地里山を紹介させていただきます。

 千葉県印西市はGoogle、Amazon、NTTデータなどの世界的なIT企業のデータセンターが建設されデータセンターの集積地として知られていますが、一方、とても豊かな自然環境を持つ里山里地としても魅力の郊外都市です。

 都心にも国際空港にも近く、電力供給や通信インフラが整備され、災害リスクが低いことなどにより大手IT企業の誘致に成功しています。データセンターの建設や商業施設の建設などは、豊かな自然環境の一部が開発されていくこととなり、景観の悪化や生物多様性の低下などを招いていることについては切ないかぎりです。

 印西市には、「生物多様性保全上重要な里山里地」に選定され、また「にほんの里100選」にも選ばれた結縁寺(けつえんじ)の谷津があります。結縁寺および近くの草深(そうふけ)の森は、比較的近くてクルマで行きやすく(無料駐車場有)頻繁に散策するエリアです。

 結縁寺の谷津は、高台に整然と区画された住宅街から、坂を下りると突然、深い森林に囲まれるように、田や畔、ため池などの水辺環境と鎮守の森が広がっています。人と自然が共存する里地里山の風景を見ながらノスタルジックな気持ちで歩くことができます。

 結縁寺は、奈良時代に行基によって開山されたといわれるこのお寺ですが、国指定文化財の銅造不動明王立像があります。不動明王立像は火災にも負けずに残ったということで非常に貴重であるとのことです。

 結縁寺の近くにある草深の森は、里地里山の自然を残す目的で遊歩道を整備した市民の森です。森のなかには広場やベンチも設置されており、ゆったりしたペースで森林浴や自然観察を楽しめます。
毎年、秋には森の音楽祭♪も開催されています。

写真1.jpg

写真2.jpg

 印西市には「生物多様性保全上重要な里地里山」は「結縁寺の谷津」以外にも、緑と水の回廊づくりの拠点として位置づけられる「谷田・武西の谷津」と豊かな里地里山生態系のシンボルであるオオタカやサシバの生息も確認されている「竜腹寺・滝地区」があります。

 ニュータウン開発の波がどんどん押し寄せている印西市ですが、深い自然の田園風景などはいつまでも残してほしいものです。
posted by 田川 at 05:23| 役員コラム

2025年03月08日

長野県安曇野市 烏川渓谷緑地

おすすめの里山  長野県安曇野市 烏川渓谷緑地 
                           森林セルフケアサポーター 奈良井文

 烏川渓谷緑地は、長野県安曇野市にあり、北アルプスの常念岳蝶ヶ岳を源流にもつ烏川下流域にあります。
標高は700〜800mの山地です。
流域に生育する動植物や自然環境を守りながら、自然と気軽に触れ合うことを目指して作られた都市公園です。
自然のままの環境を残しながら整備されているため、多種多様な生物が共存しています。

481847486_666943725799714_7584713515521456295_n.jpg

 烏川渓谷緑地は、森林エリアと水辺エリアがあり、私がよく行く水辺エリアについてご紹介したいと思います。
481940532_450394181401147_3118378233097710660_n.jpg

 到着までの景色も絶景で、北アルプスの山々がせまってくる感じや、樹木がせり出している道路を通ると、心が躍ります。
 管理棟前の駐車場を下りると、つり橋があります。
烏川の瀬音が心地よく、北アルプスの蝶ヶ岳や烏川の渓谷が見られ、絶景です。
 管理棟がありレクチャールームにははくせいや標本なども展示されていて、烏川に生息する動植物のことを知ることができます。
小さなお子様や高齢の方も利用できるよう、ベビーカーや車いすも通れる道になっています。
482937443_1459851531642504_128006426606458646_n.jpg

 川辺に腰かけて、しばらく音や肌の感覚に集中してとことん味わうと、
体の隅々まで洗われていくような感覚になります。
夏は川辺がとても涼しく天然クーラーで本当に気持ちがいいです。
はだしになり足を入れるのも大好きです。
雪解け水なのでとっても冷たいので長くは入れませんが、アーシング効果抜群で、体が軽くなります。
482220683_3526817824280533_7629810394523938587_n.jpg

 松などの針葉樹、20種類ものカエデ、大きく広がるシダ植物・・多くの樹木や野草があり、美しい景色を楽しむことができます。
日光に照らされた葉っぱや、色々な緑色のコントラスト、足元のコケも美しく、ルーペで観察も面白くて大好きです。
482133877_1662044738022668_7515803537645953306_n.jpg

秋に紅葉したカエデが地面いっぱいに敷きつめられた風景も、絶景です。
冬は、雪の足跡を観察するのも面白いです。
どんな生き物がここを歩いていたんだろう、とワクワクします。
サルがかじったアブラチャンの幹も発見しました。
481358797_856034949957804_1856447661003201675_n.jpg

 昆虫も多く、そのため野鳥の種類も豊富なのだそうです。
春には、日本三名鳥のオオルリもやってきます。
野鳥が水浴びをする姿も見られて、とってもかわいかったです。
石の陰に大きなカエルも潜んでいたり、普段は目にすることのできない珍しい生き物に出会うと、ワクワクします。
482659150_511271512018628_7189352728147558973_n.jpg

 長野県には山が多く、山地ならではの景色などが楽しめることが魅力だと思います。
烏川渓谷緑地はあまり知られていないようなのですが、とっても魅力的な場所です。
周辺には、ホテルや温泉施設、信州名物の蕎麦屋さんなどもあり、色々な楽しみ方ができます。

「海を見渡す山で季節を感じるセルフケア」

【おすすめの森林セルフケア里山フィールド】
「海を見渡す山で季節を感じるセルフケア」
                      森林セルフケアコーディネーター 星野 央

 神奈川県平塚市と大磯町にまたがる「湘南平」で、森林セルフケアの企画をしている星野です。以前、サポーターズコラムでも湘南平のご紹介をさせていただきましたが(森林セルフケアサポーターコラムvol.13『海だけじゃない!湘南の森でひと息を』https://blog.canpan.info/jfts/archive/196)、地道に企画を続けているうちに、湘南平でのご案内も6年目に突入しました(!)。今日は、大好きな湘南平について、特に「セルフケアにおすすめのポイント」を中心にご紹介したいと思います。

おすすめポイント1☆低山ながらバラエティに富んだ景色
 湘南平は、厳密には複数の山が連なっていますが、標高は最大でも約180mと非常にコンパクトな低山で、地元民にとっては気軽にお散歩感覚で訪れることができる身近な自然です。しかし、低山ながらも多様な種類の樹木や植物があり、四季折々の自然を楽しむことができます。また、都市公園と違って起伏はありますが、その分景色がバラエティに富んでいて、どの季節に歩いても新しい発見があり、何度行っても飽きない魅力と癒しがあります。

image001.jpg

おすすめポイント2☆セルフケアにぴったりの休憩ポイント
 山での森林浴は、公園よりも自然に「包まれる」感覚が個人的には好きなのですが、ハイキングコースによってはひたすら登り続けなくてはならなかったり、道幅が狭く、座って休憩する場所がなかなかないことがあります。湘南平のコースには、所々にちょっとした広場やベンチとテーブルがあるため、他の利用者の通行を妨げることなく、途中で休憩したり、お茶したりすることができます。木々に囲まれたテーブルでコーヒーを飲むのが至福のセルフケア時間で、案内の下見の際にもよく一人でコーヒー休憩を楽しんでいます。ご案内の際にも、この広場やテーブルを使ってワークをしたり、お茶の時間を設けたりしています。

image003.jpg

おすすめポイント3☆なんといっても頂上の眺めが最高◎
 欠かせない推しポイントが、なんといっても頂上からの展望です!これは実際に来て見ていただくのが何よりなのですが、開けた頂上から海(相模湾)を見渡すと、何度も見ている景色なのに、毎回感動のため息が漏れてしまいます…。日常や悩み事から少し切り離された気持ちになれて、なんだかホッとできる、爽快な景色です。海と反対側には平塚市の街並み、お天気が良ければ、東側の遠くには横浜のランドマークタワー、そして西側には雄大な富士山も眺めることができます。

image005.jpg

 湘南平に行ってみたくなりましたか…?(笑)
少し足を伸ばしてハイキングがてらセルフケアをされたい方、山の景色も海の景色も贅沢に楽しみたい!という方、ぜひ一度行かれてみてください。森林浴のご案内も実施しているので、ご参加もぜひお待ちしています!

私が癒される里山

私が癒される里山
                     森林セルフケアコーディネーター 小川純子
写真@ 遠藤笹窪谷公園案内図
@広場.jpg

 こちらの公園は、神奈川県藤沢市内にある三大谷戸の一つ、「遠藤笹窪谷公園」です。
湘南台駅から西へ約3.5キロメートルに位置し、生態学的にも市内トップクラスの良好な自然環境を有していると評価されており、湿地や樹林、草地などの多様な環境が、そこに住む生き物の多様性を支えているそうです。
 私は、数年前から森林セルフケアを学ぶようになり、意識的に自然の中で過ごすという時間をつくり、自分をケアするための時間を作るようになりました。
 私の住まいは、世田谷区弦巻という住宅街です。
この「遠藤笹窪谷公園」に車で、高速を使い1時間ほどかけて足繫く通っているのは、ここが私にとって、学びの場であり、ここにあるコミュニティが心地よく、ここでの作業が楽しいからです。

写真A園内案内図
A地図.jpg

 この公園内の菖蒲畑、カキツバタ田、水田の維持管理は地元の方々を中心に構成された「遠藤笹窪谷公園愛護会」がおこなっています。
 私は世田谷区民ですが、メンバーとして愛護会/花菖蒲班に所属しボランティアとして作業をしています。
 くわしい経緯等は、森林療法協会会報誌春号に投稿させていただきましたので読んでいただけましたら幸いです。

写真B年間スケジュール
B管理予定表.jpg

 担当責任者は樹木医であり、湘南グリーンサービスという造園会社の創設者でもある冨田改先生です。「令和6年度藤沢マイスター」に認定された方でもあります。藤沢市の説明によりますと、技能等を広く市民に周知し、尊重する風土を醸成するとともに将来を担う後継者の育成を目的として実施している「藤沢市マイスター事業」において、極めて優れた技能、技術を駆使し、本市市民生活や産業の発展を支えている技能・技術者を認定するものだそうです。活動の年間スケジュールは冨田先生が作成し、自由参加の会です。
 私の楽しみの一つに、年2回の土壌診断とその結果を基に行われる勉強会があります。
ここの土壌は、一度、公共残土処理場となりましたが改めて自然環境の重要性が見直され、谷戸のあり方について検討が重ねられた結果2012年3月に健康の森基本計画が策定され、谷戸環境や緑地空間の保全・再生作業が行われるようになったそうです。2022年7月に「遠藤笹窪谷戸公園」としてオープンし、今年で3年目となります。しかし、未だに石拾いが欠かせない粘土質の土壌です。それでも、5月からの花菖蒲の開花を2回経験しましたが来園の方々からは嬉しいお言葉をいただいていました。
 専門家からの学びと土壌改良という体験もある「遠藤笹窪谷公園」は、私にとっては癒される里山でもあるのです。何故なら、私にとっての「癒し」の場には、「自然」と、共に過ごしたいと思える「人」の存在が不可欠だからです。
 これを機に、森林療法協会の会員の方々と一緒に作業ができたらなという思いも込めて、ご紹介させていただきました。

【津久井湖城山公園】

【身近な森の紹介】 【津久井湖城山公園】
      森林セルフケアコーディネーター・森林セラピスト・自然観察指導員 青木 孝一

 神奈川県立津久井湖城山公園は「城山」の山域全体を取り込み、「水の苑池」、「花の苑地」、そして城山南麓の「根小屋地区」という3つのゾーンから成っており、神奈川県内でも最大規模の都市型公園です。
 都市公園として市民の緑と憩いの場として重要な役目を担っていますが、この公園では700種類以上の植物や1000種類以上の昆虫など、貴重な自然環境を保全する役目も果たしています。
 園内にはタヌキやキツネ、イノシシ、テン、アナグマ、二ホンジカなどの20種類以上の哺乳類が確認され、公園のキャラクターにもなっているムササビも暮らしています。
 公園は人間だけでなく、様々な生き物の生息環境としてかけがえのない場所になっており、公園内には絶滅危惧種に指定されている貴重な生物も生息しています。地元の市民団体やボランティアの皆さんも携わって保全活動が行われているほか、大学生が研究対象としているムササビなどの生息調査に取り組んでいます。

image001.png

公園の管理は、「利用」と「保全」という2つの役割があり、この役割をいかにバランスよく考えていくということが重要なポイントになると言われています。「自然環境の保全エリア」と「人が利用するエリア」をいかに適切に区分するかを考え、人も自然も共生できる公園を目指していると言えます。

image003.jpg

公園の主なスポットを紹介しますと・・・
【水の苑地】には、湖畔テラスや噴水があり、真夏には涼を求めて人が訪れます。また大型の花壇があり、お散歩・憩いの場所として最適です。
【花の苑地】には、津久井の地元野菜やお弁当・特産・名産を販売している「津久井湖観光センター」やガーデンテラス、桜の小道があり3月下旬から4月上旬になると桜のトンネルをくぐりながら情趣に満ちた散策を楽しむことができます。また、観光センターから根小屋地区に向かう湖畔展望園路を歩いていると神奈川美林50選に選ばれている樹齢100年以上「江川ヒノキ林」が見られ、さらに津久井湖のすばらしい眺望が望めます。

image005.jpg

【根小屋地区】はパークセンター(公園管理事務所兼展示施設)が置かれている地区で公園の中心地です。丹沢の山々を望む絶好のスポットである「展望広場」や広大な面積を誇る「おやしき広場」、さらに針葉樹林帯の中にあり毎年コンサート等が開催されている「森のステージ」など魅力いっぱいのエリアです。

image009.jpg

私がよく森林セルフケア体験会等で使用するルートは、観光センターを出発して湖畔展望園路右矢印1展望広場右矢印1おやしき広場右矢印1森のステージ右矢印1パークセンターへ行くルートです。このルートはウッドデッキが整備されていて一部、車いすやベビーカーの方でも里山の雰囲気・森林の清々しさをも味わえる区域となっています。

image007.jpg

津久井湖や丹沢の山々の展望、歩きやすいウッドデッキ、
癒し効果抜群の森のステージ、のんびりするのに最適なお屋敷広場など、津久井湖城山公園は非常に魅力あふれるフィールドです。
これからも年に数回、この公園で森林セルフケア体験会の事業を行っていきたい。

image011.jpg