理事 太田博幸
日本森林療法協会の森林セルフケア第三の柱のフィールドとして「里地里山の森」を
掲げておりますが(第一の柱は都市公園で第二の柱は伝統文化の森となります)、
千葉ニュータウン中核都市の里地里山を紹介させていただきます。
千葉県印西市はGoogle、Amazon、NTTデータなどの世界的なIT企業のデータセンターが建設されデータセンターの集積地として知られていますが、一方、とても豊かな自然環境を持つ里山里地としても魅力の郊外都市です。
都心にも国際空港にも近く、電力供給や通信インフラが整備され、災害リスクが低いことなどにより大手IT企業の誘致に成功しています。データセンターの建設や商業施設の建設などは、豊かな自然環境の一部が開発されていくこととなり、景観の悪化や生物多様性の低下などを招いていることについては切ないかぎりです。
印西市には、「生物多様性保全上重要な里山里地」に選定され、また「にほんの里100選」にも選ばれた結縁寺(けつえんじ)の谷津があります。結縁寺および近くの草深(そうふけ)の森は、比較的近くてクルマで行きやすく(無料駐車場有)頻繁に散策するエリアです。
結縁寺の谷津は、高台に整然と区画された住宅街から、坂を下りると突然、深い森林に囲まれるように、田や畔、ため池などの水辺環境と鎮守の森が広がっています。人と自然が共存する里地里山の風景を見ながらノスタルジックな気持ちで歩くことができます。
結縁寺は、奈良時代に行基によって開山されたといわれるこのお寺ですが、国指定文化財の銅造不動明王立像があります。不動明王立像は火災にも負けずに残ったということで非常に貴重であるとのことです。
結縁寺の近くにある草深の森は、里地里山の自然を残す目的で遊歩道を整備した市民の森です。森のなかには広場やベンチも設置されており、ゆったりしたペースで森林浴や自然観察を楽しめます。
毎年、秋には森の音楽祭♪も開催されています。
印西市には「生物多様性保全上重要な里地里山」は「結縁寺の谷津」以外にも、緑と水の回廊づくりの拠点として位置づけられる「谷田・武西の谷津」と豊かな里地里山生態系のシンボルであるオオタカやサシバの生息も確認されている「竜腹寺・滝地区」があります。
ニュータウン開発の波がどんどん押し寄せている印西市ですが、深い自然の田園風景などはいつまでも残してほしいものです。