NPO法人日本森林療法協会理事長 原田純子
かねてご案内の通り、10月27日(日)に京都国際交流会館( kokoka )にて NPO 法人日本
森林療法協会のフォーラムを開催いたしました。フォーラムは協会の年に1度の大きなイベント
です。
今年度は特に「伝統・文化の森」を協会の活動の大きな柱として テーマに取り上げて
参りましたが、歴史的に見ても正に伝統・文化の都である京都で開催できたことは大き
な喜びでした。 季節的にも暑くもなく、雨にも降られないという天気にも恵まれて、本当に
フォーラム日和でありました。
午前中は、京都大学名誉教授である鎌田東二先生の「京都の森と文化」という基調講演 。
京都は三方を東山、北山、西山で囲まれるように守られている街。都を囲み守ってきた森は 、
どのような推移を辿り、今どのようになっているのか 。先生はたくさんの写真や資料を提示
され、わかりやすくご説明くださいました。杉や檜などの針葉樹の森は常緑で落ち着いた独
特の雰囲気があります。しかし害虫が発生して荒らされたり、台風などで倒木してしまって
更新する際に広葉樹に置き換わってしまったり、あるいは倒木が放置されたままになって
しまっていたりと、森の風景も変わってしまった所が何か所もあるとのこと。その悲惨な
光景を見ていられずに 、植林など森の手入れを通じて文化の中心地でもあった美しい京都を
取り戻していきたいと活動を始められたとのこと。現在は「京都伝統・文化の森推進協議会」
の担い手としてご尽力されておられる先生のご講演は、次から次へとエピソードが湧いて
くる、 いくら時間があっても足りないほど伝えたいことだらけ、という盛り(森?)沢山な
展開でした。
基調講演の後には 関西在住の赤居理事(和歌山市)、森林セルフケアコーディネーターの
左賀さん(京都)、倉上さん(吉野)のご両人にもご登壇頂き、降矢理事の進行でダイア
ローグが展開され 、その後は昼休憩を挟んで午後のプログラムへ。
午後は、実際に東山を歩いて森の実情を確認する実地編のプログラム 。会場から5分ほど
の粟田神社まで市街地を移動 、先ずはお詣り。鎌田先生が祝詞を上げられ、わざわざご持参
下さったほら貝を吹いて 午後のプログラムの安全な進行を祈願して奉納して下さり出発と
なりました。目指す青龍殿へは神社の裏山を登って行くような感じでしたが、この裏山がな
かなかの裏山で。 全行程歩き通せてほっとしているのはここだけの話です。そんな裏山を
登りつめた森の出口が青龍殿 。こちらでもお堂に上がり鎌田先生と読経し、燃え盛る炎を背
にした迫力の国宝「青不動」を拝観 。さらには外へ出て大舞台で京都の街を一望し、遠くの
山並みや近くの木立などからも午前中の講演でお伺いした森の様子を確認することが出来
ました。
その後は絶滅を危惧し保護活動をされているキクタニギク(菊渓菊)の繁殖地を目指して
下山となりましたが、森のそこここに倒れたままの木々が放置されている光景が目に
入るなど、ここでも基調講演の確認をした次第です。下山する道沿いに生えていた
キクタニギクはまだ蕾の状態で開花は見られませんでしたが、少し離れた場所にある栽培での
保護はうまくいっているとのことで、絶滅という最悪の危機は避けられるものと安堵しつ
つ、繁殖地の菊渓から知恩院へ下り、行く年くる年の大梵鐘を横目で拝観してり、フォーラム
会場に戻りました。
休む間もなく時間ぎりぎりまで、最後のプログラムであるワールドカフェを行い、今日の
フォーラムについての感想をシェアいたしました。
・鎌田先生は何を質問しても回答の他にも次々にお話の種が出てきて凄い!
・森が荒れているなんて知らなかった。
・森って気持ち良いなと思った。
・気持ちよく歩けた。
・森の保全のために何かしたい。
等の感想が寄せられ、今後「京都伝統・文化の森推進協議会」をはじめとする多くの活動が実を結び、青々とした森が復活して新たな伝統・文化を育んでいってくれること、その伝統・文化の森を使って森林セルフケア=健康にも寄与してくれることを大いに期待したいと願ったフォーラムとなりました。